シクロクロス世界選手権2013-14女王フォスが圧巻の走りで6連覇、豊岡英子は36位 ジュニア男子はベルギー勢が表彰台独占

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 2013-2014シーズンのシクロクロス世界選手権が開幕。初日はエリート女子とジュニアカテゴリーが開催され、エリート女子は自転車競技界の女王、地元オランダのマリアンヌ・フォスが世界選手権6連覇、通算7勝目を達成した。日本勢は豊岡英子が36位、ジュニア男子は中井唯晶が34位、竹内遼が48位でゴールした。

(写真・文 田中苑子/Brakethrough Media)

6連覇、7回目の世界チャンピオンに輝いたマリアンヌ・フォス(オランダ)6連覇、7回目の世界チャンピオンに輝いたマリアンヌ・フォス(オランダ)

会場はヨーロッパ屈指の人気サーキット

コースの両側を観客たちが埋め尽くす。大会2日目にはさらに多くの観客がくると予想されているコースの両側を観客たちが埋め尽くす。大会2日目にはさらに多くの観客がくると予想されている

 2月1日、2日の日程で開催されるシクロクロス世界選手権が開幕した。昨年はシクロクロス史上初めて、世界選手権がヨーロッパを飛び出し、アメリカのケンタッキー州で開催されたが、今年は2009年にも世界選手権が開催され、毎年のようにワールドカップに組み込まれる“お馴染み”のオランダ、ホーガハイデが会場となった。

 ホーガハイデはヨーロッパでも屈指の人気を誇るサーキットだ。ベルギー国境からわずか10kmほどの場所にあり、シクロクロス熱の高いオランダとベルギー、どちらのファンも気軽に会場に来ることができる。さらに、1996年のシクロクロス世界チャンピオン、アドリ・ファンデルポールの出身地であり、シクロクロスが愛されている土地だ。現在はアドリの2人の息子、マチューとデビッドが競技に打ち込み、昨年、マチューはジュニアカテゴリーで2年連続となるアルカンシェルを獲得。U23カテゴリーに上がった今季も、地元の期待を受けて、優勝候補の筆頭とされている。

熱狂的なベルギー人ファンと日本から応援に駆け付けたファンがスタートを待つ熱狂的なベルギー人ファンと日本から応援に駆け付けたファンがスタートを待つ
大会1日目にも関わらず、会場にはたくさんの観客が集まった。オランダ人とベルギー人が大半を占める大会1日目にも関わらず、会場にはたくさんの観客が集まった。オランダ人とベルギー人が大半を占める
レース前にマッサージオイルを塗るなどの準備をする日本人ジュニアカテゴリーの2人レース前にマッサージオイルを塗るなどの準備をする日本人ジュニアカテゴリーの2人
一夜にして泥のコンディションになったオランダ、ホーガハイデのコース一夜にして泥のコンディションになったオランダ、ホーガハイデのコース

 前夜から強い雨が降り続いていたが、大会に合わせたかのように、ジュニアのスタート時にはピタリと止んだ。しかし、雨のあとにはぬかるんだ泥の路面が残り、一夜にして、重い泥に覆われた難易度の高いコースコンディションとなった。

“女王”のライバルにトラブル

6連覇がかかるマリアンヌ・フォス(オランダ)がスタートラインに立つ6連覇がかかるマリアンヌ・フォス(オランダ)がスタートラインに立つ

 大会初日のハイライトはエリート女子。オランダのヒーローであり、マルチな才能を発揮するディフェンディングチャンピオンのフォスが登場した。ロードレースの現世界チャンピオンでもある彼女は、両立が難しいと言われるなかで、シクロクロス世界選手権では5連覇中。6連覇をかけての戦いだった。

 彼女の最大のライバルはケイティ・コンプトン(アメリカ)。今季のワールドカップリーダーであり、ワールドカップでは何度もフォスを下してきた。しかし、スタートすると、すぐにコンプトンが機材トラブルなどにより遅れる展開に。フォスに付いていけたのは、今季好調なイタリアのエヴァ・ルクナーのみ。しかし、1周回目をフォスとともに先頭で走ったルクナーも、それ以上はフォスのスピードに付いていけず後退。フォスはそのままゴールまで独走し、圧倒的な強さで世界選手権6連覇、通算7勝目を挙げた。

精彩を欠いたアメリカチャンピオンのケイティ・コンプトン精彩を欠いたアメリカチャンピオンのケイティ・コンプトン
ベルギーチャンピオンのサンナ・カント。4位でゴールしたベルギーチャンピオンのサンナ・カント。4位でゴールした
最終周回に入る豊岡英子(パナソニックレディース)最終周回に入る豊岡英子(パナソニックレディース)

 豊岡英子(パナソニックレディース)はフォスから7分3秒遅れの36位でフィニッシュ。「もっと上を狙っていたけれど、自分の力は出し切れたと思う。すべての選手が気迫にあふれ、速いペースでのレースだった。順位にはなかなかつながらないけど、毎年毎年、自分のなかではステップアップしている。これからも上を目指して頑張りたい」。約2カ月に及ぶヨーロッパ遠征の最終戦を無事に走り終えた豊岡は、週明けに帰国する。

エリート女子結果
1 マリアンヌ・フォス(オランダ) 39分25秒
2 エヴァ・ルクナー(イタリア) +1分7秒
3 ヘレン・ワイマン(ドイツ) +1分秒17秒
4 サンヌ・カント(ベルギー) +1分20秒
5 ニッキ・ハリス(イギリス) +2分33秒
6 ルシー・シェネル=ルフェーヴル(フランス) +2分44秒
36 豊岡英子(パナソニックレディース) +7分3秒

中井「周りの選手に負けたくない」 竹内「上を目指したい」

ジュニアのレースでは、スタート直後のストレート区間で落車が起こったジュニアのレースでは、スタート直後のストレート区間で落車が起こった

 午前中に開催されたジュニア男子は、ベルギー人選手が1位から3位までを独占する形となった。優勝したのはタイス・アーツ。「信じられない勝利だけど、厳しいベルギー内のセレクションを勝ち抜いて、勝てたことをうれしく思う」とコメント。今季ワールドカップリーダーに輝いたチェコのアダム・トウパリックがスタートで起こった落車の影響でリタイアするなど、波乱の展開となったが、シクロクロス王国ベルギーが、競技層の厚さをアピールするかのように、表彰台で輝いた。

ぬかるんだ泥の上りセクション。観客の応援を受けて、必死にペダルをこぐぬかるんだ泥の上りセクション。観客の応援を受けて、必死にペダルをこぐ
ジュニアカテゴリーで優勝したタイスがスタッフと抱き合う。ここでの勝利はシクロクロス熱の高いベルギーでは非常に大きなステータスを持つジュニアカテゴリーで優勝したタイスがスタッフと抱き合う。ここでの勝利はシクロクロス熱の高いベルギーでは非常に大きなステータスを持つ
泥の中を進む中井唯晶(瀬田工業高校)。「最後まで集中して走ることができた」泥の中を進む中井唯晶(瀬田工業高校)。「最後まで集中して走ることができた」

 日本勢は中井唯晶(瀬田工業高校)と竹内遼(TEAM Pro Ride)が出場。2人とも初めての世界選手権を前に、スタート前は緊張の色が濃かったが、中井はトップと4分17秒差の34位でゴール。「持っている力を出し切れ、周りの選手に負けたくないという気持ちで、最後まで集中力を切らさないで走ることができた」と粘りの走りを見せた。これから始まるロードシーズンでは、高校の自転車部で全国大会を狙う。

「キレのある走りができなかったけど、ベストのコンディションでも厳しかったと思う」と話す竹内遼(TEAM Pro Ride)「キレのある走りができなかったけど、ベストのコンディションでも厳しかったと思う」と話す竹内遼(TEAM Pro Ride)

 ジュニア1年目の竹内は8分31秒差の48位。「気持ちだけは切らさずにと思ったけれど、イマイチ乗り切れず、小さなミスが多かった。でも、調子がよかったとしても、今のままじゃ勝負できないということがよくわかった。課題がたくさん見つかったので、また1年間頑張って、もっと上を目指していきたい。レースに対する考え方が大きく変わることになったので、本当に世界選手権を走れて良かったと思う」とレースを振り返った。

ジュニア男子結果
1 タイス・アーツ(ベルギー) 45分55秒
2 ヤニック・ペーテルス(ベルギー) +10秒
3 イェーレ・シュールマンス(ベルギー) +12秒
34 中井唯晶(瀬田工業高校) +4分17秒
48 竹内遼(TEAM Pro Ride) +8分31秒

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