ツアー・ダウンアンダー2014 第6(最終)ステージ“ミスター・ダウンアンダー”グライペルが大会通算16勝目 ゲランスは2年ぶり3回目の総合優勝

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 2014サントス・ツアー・ダウンアンダーは26日、最終の第6ステージが行われ、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)がスプリント勝利。今大会2勝目、通算では16勝と、自身が持つ大会勝利数記録をさらに更新した。総合争いは、サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が、前日に奪取したリーダージャージを守りきり、2年ぶり3回目の総合優勝を果たした。

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)が万全のスプリントで今大会2勝目、大会通算16勝目を挙げたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)が万全のスプリントで今大会2勝目、大会通算16勝目を挙げた

 ツアー・ダウンアンダーの最終ステージは、アデレード市街地サーキットが舞台になるのが恒例。4.75kmの周回を18周する85.5kmとレース距離が短く、終始ハイスピードで展開する。優勝争いはスプリンターが主役となる。

 今大会は総合争いが熾烈を極め、ゲランスから2位カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)との差が1秒、同じく3位ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)までが5秒と僅差だったことから、中間スプリントを含めたボーナスタイム獲得が大きなカギと見られていた。

スタート前、各賞ジャージが並んだスタート前、各賞ジャージが並んだ
リラックスした雰囲気をみせる新城幸也リラックスした雰囲気をみせる新城幸也

 ところが、レースが始まるとその予想に反し、メーン集団は逃げを容認。1分30秒前後の差を維持する。ウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパックサイクリング)、マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ チーム)、ジュリアン・ベラール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)がレースをリードする。逃げグループ内で落車やパンクトラブルが発生するも、メーン集団はペースをコントロールし、3選手を吸収するタイミングを計った。

 結局、6周目、12周目に設けられた中間スプリントポイントでの争いはなく、メーン集団はスプリントに向けた動きへと変わっていった。リーダーチームのオリカ・グリーンエッジが主導権を握り、残り3周で逃げを全員吸収する。

逃げ続けた3選手逃げ続けた3選手
アデレード市街地の周回コースを駆け抜けるアデレード市街地の周回コースを駆け抜ける
ゲートを通過するメーン集団。先頭はリーダーのオリカ・グリーンエッッジがコントロールゲートを通過するメーン集団。先頭はリーダーのオリカ・グリーンエッッジがコントロール
第4・第6ステージを制したグライペル第4・第6ステージを制したグライペル

 そして迎えたラスト1周。数チームが入り乱れてポジションを争うなか、まず好位置をキープしたのはオメガファルマ・クイックステップ。連続するテクニカルなコーナーを利用し、ライバルに付け入る隙を与えない。しかし、最後に強さを発揮したのは、やはりロット・ベリソル。しっかりと人数を揃えたトレインは、グイグイ前へと突き進む。あとはエースのグライペルの発射タイミングを待つだけだった。

 自らのリズムでスプリントに入ったグライペルは、他の追随を全く許さない圧倒的なスピード。ゴールライン数メートル前からガッツポーズを見せる余裕の勝利。今大会序盤は苦戦を強いられたものの、後半ステージで盛り返してみせた。2位にはマーク・レンショー(オーストラリア)、3位にアンドルー・フェン(イギリス)と続き、オメガファルマ・クイックステップ勢も健闘した。

 総合争いは結果的に変動はなく、ゲランスがその座を守りきった。2006年、2012年に続く3回目の総合優勝。コース難易度が高くなった2012年以降、特に強さを発揮している。昨年は落車の影響で総合争いに加わることができなかったが、それでもウィランガ・ヒルの頂上ゴール(第5ステージ)を制している。今年は年明けのオーストラリア選手権でも優勝しており、シーズン序盤で最も好調な選手と言えるだろう。

総合優勝を果たしたサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)を、チームオーナーのゲリー・ライアン氏が祝福する総合優勝を果たしたサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)を、チームオーナーのゲリー・ライアン氏が祝福する

 ゲランスを筆頭に、総合2位のエヴァンスなど、総合トップ10の半数がオーストラリア勢。この日は国民の休日である「オーストラリア・デイ」でもあり、格別な盛り上がりを見せた大会最終日に華を添える結果となった。

 日本期待の新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は、終盤チームメートを前方へと引き上げる役割を果たし、81位でゴール。総合では17分43秒遅れの56位で大会を終えた。

 UCIワールドツアー次戦は、3月9日からのパリ〜ニース(フランス)。早めのシーズンインをオーストラリアで迎えた選手たちは、ヨーロッパ各地の拠点へと戻り、春に向けた調整やレース出場を行っていくこととなる。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第6ステージ結果
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 1時間55分16秒
2マーク・レンショー(オーストラリア、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
3 アンドルー・フェン(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
4 クーン・デコルト(オランダ、チーム ジャイアント・シマノ) +0秒
5 ジョナサン・カントウェル(オーストラリア、ドラパックサイクリング) +0秒
6 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
7 ネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +0秒
8 ユルヘン・ルーランス(ベルギー、ロット・ベリソル) +0秒
9 ミカエル・コーラー(スロバキア、チーム ティンコフ・サクソ) +0秒
10 マシュー・ヘイマン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
81 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +59秒

個人総合時間賞
1 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 19時間57分35秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1秒
3 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +5秒
4 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) +10秒
5 ネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +27秒
6 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +30秒
7 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) +34秒
8 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル) +37秒
9 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +37秒
10 イゴール・シリン(ロシア、カチューシャ チーム) +47秒
56 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +17分43秒

山岳賞
1 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル) 28pts
2 アクセル・ドモン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル) 28pts
3リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) 24pts

スプリント賞
1 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 75pts
2 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 56pts
3 ネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ) 50pts

新人賞
1 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、UniSA・オーストラリア) 19時間59分43秒
2 カルロス・ベロナ(スペイン、オメガファルマ・クイックステップ) +1分9秒
3 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ.fr) +20分56秒

敢闘賞
ウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパックサイクリング)

チーム総合
1 オリカ・グリーンエッジ 59時間56分16秒
2 BMCレーシングチーム +28秒
3 ドラパックサイクリング +3分58秒

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