title banner

つれづれイタリア~ノ<番外・おしゃれ編>2014年チームキットを“過激に”イタリア式ファッションチェック 最新ウェアデザインを斬る!

  • 一覧
1月21日に開幕したツアー・ダウンアンダー2014で新ジャージがお披露目1月21日に開幕したツアー・ダウンアンダー2014で新ジャージがお披露目

 ツアー・ダウンアンダー(オーストラリア)にツール・ド・サンルイス(アルゼンチン)――南半球でのレースによって2014年のシーズンが幕を開けました。つまり、今年もお楽しみのファッションチェックの時季がやってきたということですね。

 今年のベストファッションとワーストファッションはどこだ! 色のバランスやデザインのよさを考慮し、各プロチームのジャージを“おしゃれイタリアン”な目線で厳しく、熱くチェックします。ユニークな各賞も設定。時に過激すぎるマルコ節は、ご容赦くださいね。

今年の潮流は…

 3年前にチームスカイから始まったムーブメントですが、今年は70年代ビンテージファッションのイメージを採用したチームがかなり目立っています。遊び心のあるデザインが消え、色の種類は少なくなり、スポンサー名に白い枠、縦模様…という風に落ち着いた印象のデザインが大半です。これには少し飽きる向きもあるので、この流れはおそらく今年がピークになるのではないでしょうか。

ファッションチェックの対象(全19チーム)

アージェードゥーゼール ラモンディアル(フランス)
アスタナ プロチーム(カザフスタン)
ベルキン プロサイクリングチーム(オランダ)
BMCレーシングチーム(アメリカ)
キャノンデール(イタリア)
FDJ.fr(フランス)
ガーミン・シャープ(アメリカ)
チーム ジャイアント・シマノ(オランダ)
オメガファルマ・クイックステップ レーシングチーム(ベルギー)
チーム カチューシャ(ロシア)
ロット・ベリソル(ベルギー)
ランプレ・メリダ(イタリア)
モビスター チーム(スペイン)
スカイ プロサイクリング(イギリス)
オリカ・グリーンエッジ(オーストラリア)
チーム ヨーロッパカー(フランス)
チーム ティンコフ・サクソ(デンマーク)
トレック ファクトリーレーシング(アメリカ)
日本ナショナルチーム   ※アルファベット順

※筆者より: あくまでも個人的な意見ですので、ご了承ください。皆さんのご意見も聞けたら嬉しいので、コメントをくださいね。

合格ラインは12チーム

◎100点: ベストドレッサー賞

 今年の一番かっこいいチームジャージ、ぜひとも手に入れたいジャージは、ランプレ・メリダ(イタリア)とモビスター チーム(スペイン)に決定! 両チームは、色を少し変えたことで全体的なバランスがよくなり最高得点につながりました。

ランプレ・メリダ
モビスター チーム

 昨年不思議な配色だったランプレ・メリダは、色の配置を変え、ピンクを脇に生かしたことで“メリダグリーン”が冴えています。さらにトレードカラーのブルーも落ち着いたトーンになり、スポンサーの名前が引き立ちました。モビスター チームは中途半端なブルーを卒業して濃いブルーにすることで、ロゴの明るいグリーンが目立つようになりました。メインスポンサーの名前が読めなかったとしても、ロゴが目に入りイメージが焼きつきますね。

◎90点: おしいで賞

スカイ プロサイクリング

 スカイ プロサイクリング(イギリス)は、2013年にジャージメーカーをアディダスからラファに乗り換えたことでデザインがもっと変わるだろうと期待していたものの、2年連続変化なし。今年も“シンプルイズベスト”路線を維持しています。それでもあの大きなロゴ、黒、白、鮮やかなブルーの配色がとてもいい。昨年末には、ポルノ映画にでも出てきそうな網タイツ風ワンピース(!)写真が選手のツイッターで流れて世間を驚かせていたけれど…いったいなんだったのだろう。もし採用されたなら、女性ファンのみならず観客はドキドキものです。

◎80点: 爽やかで賞

FDJ.fr

 おぉ、爽やか! 今までの汚れやすい白を捨て、春の南フランスの海を連想させる明るいブルーを全面的に採用したのが、FDJ.fr(フランス)の新しいデザイン。今年こそ買いたいジャージのひとつです。赤と白のラインのバランスも絶妙。難点は、ガーミン・シャープやアスタナ プロチームも似たような色を使っているので、レース中継で識別がしにくく、観戦中に混乱しそうだということですね。

◎75点: アグレッシブ賞

BMCレーシングチーム

 昨年からデザインがほぼ変更なしのBMCレーシングチーム(アメリカ)にも高得点を。2013年のGIFファイルの原寸拡大にしか見えなかったデザインが改善され、赤と黒のバランスもいい。とてもアグレッシブに見えるので、初心者向けというよりも、ジャージからもやる気を炸裂させたいパワフルライダー向けでしょう。BMCという自転車メーカーが全面的に出ているため、このジャージを買って別のメーカーに乗ってしまうとミスマッチです。

◎70点: ビンテージ賞

 ビンテージ賞には、一般サイクリストが買っても損しないだろうジャージを3つ、ロット・ベリソル(ベルギー)、オメガファルマ・クイックステップ レーシングチーム(ベルギー)、オリカ・グリーンエッジ(オーストラリア)を選びました。

ロット・ベリソル
オメガファルマ・クイックステップ レーシングチーム
オリカ・グリーンエッジ

 この3チームのテーマは、1970年代への回帰。上下ともにシンプルなデザインとカラーリングで、いつどこで着てもうるさくないジャージと言えます。ヤングもアダルトも着られるジャージを目指したのでしょうか。一部「この新デザインはカッコ悪い」「古臭い」という評価も聞こえてきますが、個人的に高評価です。ロット・ベリソルだけオレンジを効かせたことで差別化を図ったので、75点をあげてもいいかも。

◎60点: 無難賞

チーム ヨーロッパカー。新城幸也はもちろん日の丸デザインチーム ヨーロッパカー。新城幸也はもちろん日の丸デザイン

 「まぁロードレーサーだな」と思わせるチームジャージは、4つ。ベルキン(オランダ)、キャノンデール(イタリア)、チーム ヨーロッパカー(フランス)、そしてチーム ティンコフ・サクソ(デンマーク)。オリジナリティーがないというか、ぱっとしないというか、センスがいまいちというか…辛うじて合格点としました。

 ベルキンに関して言えば、シンプルというか、ビンテージでも最先端のデザインでもなく、スポーツに興味がないデザイン初心者の課題作品のようなもの。色のバランスだけ、合格です。キャノンデールは昨年に続き、目立たないピスタチオカラー。イタリア人として「おいしそう」であることは認めるけれど、スポーツに相応しい攻撃的な色はありませんね。イヴァン・バッソ(イタリア)やペテル・サガン(スロバキア)のファンが多いため、ぎりぎりの合格点をキープ。

ベルキン
キャノンデール
チーム ティンコフ・サクソ

 チーム ヨーロッパカーは、引き続きオリジナリティーゼロの無難なレース志向のジャージ。少し見飽きたので、そろそろ変化が欲しいですね。チーム ティンコフ・サクソのデザイナーは、もういちどカラーバランスを勉強してもらいたい。メインスポンサーのふたつのカラー、ブルーとイエローがけんかしてしまうのは狙いではないと思うのだけれど…。ただし、イエローの面積が多いためツール・ド・フランスでは使用できない可能性が大きく、実はセカンドジャージに期待をしています。

ユニークな賞を残り7チームに!

◎50点: ミネストローネごちゃごちゃ賞

アスタナ

 アスタナ(カザフスタン)に相応しい賞はミネストローネごちゃごちゃ賞に決定。ジロ・デ・イタリアの王者2人(ニバリとスカルポーニ)が所属しているチームだけに、同胞としては痛い判断になりましたが、「このデザインはないだろう」と残念な気持ちも込めました。水色と黄色の共存は難しいうえ、細かいロゴがごちゃごちゃと入っていて、デザイナーのセンスを疑わざるを得ません。トップを争うチームなだけに、本当に残念です。

◎45点: パジャマ賞

ガーミン・シャープ

 ガーミン・シャープ(アメリカ)は今年も裏切らなかった! イタリアでは、このジャージのようなデザインが子供用のパジャマに採用されることが多く、古きよき時代を懐かしむ人ならぴったりです。シャープがサブスポンサーであるだけに、もう少し“シャープな”デザインにできなかったのでしょうか。

◎40点: カーテン賞

アージェードゥーゼール ラモンディアル

 アージェードゥーゼール ラモンディアル(フランス)は、70年代のビンテージファッションを通り越して、60年代に流行ったカーテンを連想させてしまう素晴らしいジャージ。ホコリを被ったカーペットの茶色、農薬を思わせるブルーとななめ模様…子供の頃、家に実際あったカーテンをスキャンしてジャージにしてしまったかのようです。

◎30点: 金太郎賞

チーム カチューシャ

 「お前もか!」とツッコミを入れたいチーム カチューシャ(ロシア)。これまでレーシーなジャージを世に送り出してきたカチューシャなのに、今年はやってしまった感が否めません。赤のパンツに白のジャージ。お腹に向けて白の幅が狭まってゆく、まるで子どものよだれ掛け? それとも金太郎? ロゴも小さくなり、隠す必要があるのかと問いたいくらいです。

◎25点: タキシード賞

トレック ファクトリーレーシング

 トレック ファクトリーレーシング(アメリカ)には、美少女戦士のアニメにインスピレーションを得た若きデザイナーがいたのでしょうか。シャンパンが似合うデザインは、レセプションパーティーのサブジャージとして着るにはちょうどいいかもしれませんね。でもきっと、レース中は暑苦しいと思います。

◎20点: 何がしたいので賞

2013年11月に発表された日本ナショナルチームジャージの新デザイン2013年11月に発表された日本ナショナルチームジャージの新デザイン
チーム ジャイアント・シマノ

 日本ナショナルチーム(日本)とチーム ジャイアント・シマノ(オランダ)は、これ以上転ぶことのない最下位。日本ナショナルチームのデザイナーは、いったい何がしたいのでしょうか? 国を代表するトップ選手たちが、誇りをもって着るべきジャージということをわかってもらいたいですね。戦隊ヒーロー+ハイレグ水着が合わさったかのようなデザインから卒業できた…と思ったのもつかの間、今年も迷走するデザインを見ることになるとは。日本を愛する者として心苦しくもあります。

 チーム ジャイアント・シマノが痛々しい評価になった理由は、胸にあるデザイン―白地に黒いタイヤ痕! まるでトラックの下敷きになった人のように見えます。デザイナーさん、なぜここまでチームを傷めつけるのでしょうか。

◇         ◇

 さて、2014年レースシーズンは始まったばかり。みなさん、どのジャージが好きですか? ぜひ意見を聞かせてください。

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

イタリア語講師。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会で、自転車にまつわるイタリア語講座「In Bici」(インビーチ)を担当する。サイクルジャージブランド「カペルミュール」のモデルや、Jスポーツへ「ジロ・デ・イタリア」の情報提供なども行なう。東京都在住。ブログ「チクリスタ・イン・ジャッポーネ

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

つれづれイタリア~ノ

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載