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RENの「自転車のススメ」<1>国際規格の250m屋内板張りトラックにチャレンジ! 伊豆ベロドロームは異次元の世界

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今回はトラック競技に挑戦! ちょっとマニアックすぎる? いえいえ、自転車競技の基本になるものです今回はトラック競技に挑戦! ちょっとマニアックすぎる? いえいえ、自転車競技の基本になるものです

 皆さんこんにちは、モデルのREN(小林廉)です。今回より不定期でこちら「サイクリスト」にレポートを掲載していくことになりました。

 ただ自転車で走るだけではなく、様々な乗り物、街レポートを絡めた、楽しいライフスタイルを提案していきたいと思います。お楽しみに!

 そして全国各地のイベント主催者さん! 「RENに走ってもらいたい」「現地の魅力を伝えたい」とお考えなら是非、ご連絡ください。私と一緒に、自転車に乗って、日本の良さを改めて発見していきましょう。

◇         ◇

 さて記念すべき第1回は、“バンビ”こと南秀治君と、静岡県伊豆市にある「日本サイクルスポーツセンター」で、ロードレースチーム「エキップアサダ」が主催する『のりさんの伊豆ベロドローム走行会』に参加。オリンピックやワールドカップなどの自転車トラック競技で使用される、国際規格の自転車競技場を走ってきました。

富士山をバックにそびえたつ…UFO?秘密基地?いいえ、伊豆ベロドロームです富士山をバックにそびえたつ…UFO?秘密基地?いいえ、伊豆ベロドロームです

 1月19日、日曜日。とても寒いけれど、冬晴れの清々しい朝です。湿度も低めなので、影の境界線がハッキリと出て、空の青がとても鮮やか。大興奮の一日が始まるのです!

 伊豆ベロドロームは、2011年にオープンした、まだ新しい自転車競技場(トラック)です。この競技場は、日本の各地で競輪が開催されている競輪場のトラックとは異なります。一般的に競輪場は屋外にあり、最短でも1周が333mという長さ。走路もアスファルトで作られたものですね。この伊豆ベロドロームは、ドイツの板張り職人さん達が手作業で作った国際規格の屋内250mトラック。一体、走った感じはどんなものになるのでしょうか!?

最新の設備なのでご覧のように外観もピカピカ。使われなきゃもったいない。きっとトラック競技のレベルアップにも繋がりますね最新の設備なのでご覧のように外観もピカピカ。使われなきゃもったいない。きっとトラック競技のレベルアップにも繋がりますね
今回のイベントへ一緒に行った南秀治君(バンビちゃん)。可愛い顔してシングルギアで東京〜大阪を走破する猛者なのです今回のイベントへ一緒に行った南秀治君(バンビちゃん)。可愛い顔してシングルギアで東京〜大阪を走破する猛者なのです
美しい…建築マニアも頷ける逸品。トラス構造の天井は大迫力。トラックの内側はサイクルサッカーに使用できるコートになっています美しい…建築マニアも頷ける逸品。トラス構造の天井は大迫力。トラックの内側はサイクルサッカーに使用できるコートになっています
選手は最上段を周回していきます。まるで何事もなかったかのように…選手は最上段を周回していきます。まるで何事もなかったかのように…
正直、無理して笑っています(笑)。45°のバンクは想像を絶する迫力です正直、無理して笑っています(笑)。45°のバンクは想像を絶する迫力です

 澄んだ光に照らされる銀色のドームは神々しい雰囲気。薄暗い通路をくぐると、トラス構造でできた屋根の骨組みが見えてきます。中央の天窓からの光を受け、トラックが照らされています。バンクの頂点からトラックを覗き込む…。目の前を「ゴォッゴォッ」と、ディスクホイールの反響音を響かせて実業団選手が駆け抜けていく!

 「うわ。なんだコレ…走れるのか?」

 第一印象は、「室内に何故か壁がある」です。それもそのはず、バンクの角度は驚きの45°。ちょっとマニアックなお話なのですが、建築基準法施行条例第4条(がけ条例)では、30°を越えると「崖」に分類されるそうです(笑)。その存在に圧倒されつつ、隅で怯えるように着替えを済ませました。

 今回のイベントの参加人数は15人ほど。まず皆さんと一緒に、元競輪選手でCYCLO NERO店長の「ノリ先生」から、バンク走行のレクチャーを受けます。

 トラックは、水色で色分けされた「ブルーバンド」、黒の「測定ライン」、赤の「スプリンターライン」、青の「ステイヤーライン」が引いてあります。車や歩行者はいないので、交通事故の心配はないのですが、レベルの違う競技者が走ることになるので、走行には注意が必要です。

天井の採光窓から日が差し込む。木製のバンクにこだまする独特の反響音は遠くまで届く。「トラック競技」という素晴らしい世界感に圧倒される天井の採光窓から日が差し込む。木製のバンクにこだまする独特の反響音は遠くまで届く。「トラック競技」という素晴らしい世界感に圧倒される
バンビ君、ちょっと固いのも頷ける。元競輪選手ノリさん「その席は中野浩一さんがよく座る席だよ」バンビ君、ちょっと固いのも頷ける。元競輪選手ノリさん「その席は中野浩一さんがよく座る席だよ」

 基本的な部分をひとつ、ブルーバンドとスプリンターラインの間の「スプリンターレーン」では、左側からの追い抜きが禁止されています。他にも沢山ルールはありますので、最初は経験者と一緒に走りかたを学びましょうね。

 さぁ、いよいよコースイン。ブレーキがついていないトラック競技用自転車なので、車間に注意が必要です!

発走の瞬間が近づいています。目の前に広がるバンクにビビっています発走の瞬間が近づいています。目の前に広がるバンクにビビっています

初体験の板張りバンクに大興奮!

 最初はゆっくりと、バンクの横の安全地帯を走行。改めて見るとその迫力に圧倒されます。感覚的には、右側に一般的な2階建ての家が建っているような…もの凄い圧迫感です。おおっと、今日はそのバンクを走りに来たのでした。頑張りましょう。

 スピードを徐々に上げブルーバンドに入ります。レーンチェンジする前は後方を確認することをお忘れなく。ブルーバンドは緩やかにカント(角度)が増して行くようにできていますので、バンクに慣れるためにもここで何周か周回するのが良いでしょう。私も最初からバンクに入れませんでしたので、ここでスピードを上げ恐怖心を取り除くようにしました。

ドイツ人の職人さんが作ったという木製板張りトラック。素晴らしい精度です。走っていて、全く段差を感じません。お見事! ブルーバンド部から徐々に傾斜が立ち上がりますドイツ人の職人さんが作ったという木製板張りトラック。素晴らしい精度です。走っていて、全く段差を感じません。お見事! ブルーバンド部から徐々に傾斜が立ち上がります
周回を重ねかなり走れるようになってきました。ベロドロームは風が吹いていません。肘を曲げエアロフォームにすると明らかに空気抵抗の変化を感じます。実走型風洞実験ですね!周回を重ねかなり走れるようになってきました。ベロドロームは風が吹いていません。肘を曲げエアロフォームにすると明らかに空気抵抗の変化を感じます。実走型風洞実験ですね!
※ここで注意
もし全力でタイムを計っているような人が居たら、このブルーバンドには近づかないようにしましょう。ブルーバンドのすぐ隣は計測ラインとなる測定ラインです!

 徐々にスピードが上がってきました。恐怖心が薄れてきたので、はじめはギュッと握っていたハンドルを優しく握れるようになってきました。準備はいいか?そろそろ行くぞ。さぁ、バンク走行に入ります。

南秀治君(バンビちゃん)の1000mタイムトライアルスタート。素晴らしい記録が出ていました。むむ。強敵(とも)!南秀治君(バンビちゃん)の1000mタイムトライアルスタート。素晴らしい記録が出ていました。むむ。強敵(とも)!

 トラックの直線部分で後方を確認して、ブルーバンドから黒線(測定ライン)に向かいます。スプリンターレーンに載りました! ドンドンと壁が近づいてきます。最大45°のバンクに突入! さぁ行け!

 あれれ。

 ズリズリとバンクから落ちてきてしまいます。

 原因は、直線部分での失速が原因。とノリ先生のご指摘。短いトラックなので、直線部分でもカントがあり、坂道を登るのと一緒でスピードが落ちてしまうようです。レーンチェンジする際にもう少しスピードを上げてみます。そう、高速道路に合流する時と同じように、グッとアクセルをちょっと強めに踏む感じ。

 さぁ今度はどうだ!?

 おおお!

 走れる!バンクを走ってる!

 まだ、少しふらふらする感じがあります。

 ペダリングする足に力を込め、スピードを上げていきます。すると、ドンドンとバイクが安定していきます。

 うっすらと汗がにじみ、息が上がってくる。もう何周したでしょうか? 木製のトラックは独特の反響音で中毒症状が出そうです!

 さて1度全力でスプリントしてみましょう。直線で腰を上げ、全力で加速していく! バンクに高速で突入すると…おお、グッと上から頭を押さえつけられる感覚(縦G)が! もうそこは日常とは違う、異次元の世界です。

バンク特有の走り方「山おろし」にもチャレンジ。バンクの高低差を利用し一気に加速しますバンク特有の走り方「山おろし」にもチャレンジ。バンクの高低差を利用し一気に加速します

女性もバンクに挑戦!

 実は今回のイベントには、女性のサイクリストが何人も! 澤村銀姫(さわむらうに)さんにお話を伺ってみました。

 廉「このベロドロームのイベントに参加したきっかけは?」

 銀姫さん「信号や車を気にしながら走るのが苦手でクローズドコースを走る方が好きなんです。なのでバンクのイベントに応募したんですよ。」

 なるほど…。そういう方って多いのですね。車との接触は大怪我に直結しますからね。最初はバンクの角度にビックリしたそうなのですが、気持ちよく周回を重ねていました。凄い!

 あまりにも立派なバンクなので恐怖心は芽生えます。でもそれさえ取り除ければ普通に走れるんです! コツさえわかってしまえば、バンク走行はそこまで難しくないのです!

 さて、私は全く恐怖心を抱かなくなりました。1000mタイムトライアルと200mフライングタイムトライアルにチャレンジ。なんと、バンクの最上部から駆け下りてスピードを載せる「山おろし」という技を習得しましたよ。

1000mタイムトライアルのスタート。もちろん初チャレンジ。とにかく最初から全開で漕いでみました1000mタイムトライアルのスタート。もちろん初チャレンジ。とにかく最初から全開で漕いでみました
く、苦しい…。明らかに回転数が落ちてスピードが出ていません。気合いを入れようにも脚が自分の脚ではないみたい…く、苦しい…。明らかに回転数が落ちてスピードが出ていません。気合いを入れようにも脚が自分の脚ではないみたい…
酸欠です。持久力も瞬発力、そして集中力が必要とされますね。苦しいですが強くなるためです酸欠です。持久力も瞬発力、そして集中力が必要とされますね。苦しいですが強くなるためです
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タイムを皆で計測。次回と比べるためです。屋内でイコールコンディションなので、どれだけ強くなったか一目瞭然ですタイムを皆で計測。次回と比べるためです。屋内でイコールコンディションなので、どれだけ強くなったか一目瞭然です
競輪場の規格とは違う、一周250mの短いトラック。選手の練習も見ることができた。さすが、あっという間に周回してくる競輪場の規格とは違う、一周250mの短いトラック。選手の練習も見ることができた。さすが、あっという間に周回してくる

奥深いトラックレース

 さてさて、オリンピック正式種目でもあるこの、トラック競技!

 あのロードレースで輝かしい戦歴を持つ、マーク・カヴェンディッシュやブラッドリー・ウィギンスもこのトラック競技出身。速くなるためのヒントが必ずどこかに隠れているはずです。伊豆ベロドロームでは今年1月、3日間に渡っての国際大会「Japan Track Cup」も開催されました。今後もレースが開催されるときは、ぜひ見に行ってみたいですね!

 その他にも各地の競輪場では愛好会の方々が走行会を開いているそうです。先ずはお近くのバンクを走るのも良いかもしれませんね。ノリ先生曰く「基本は一緒だよ!」とのことです。

小林 廉(こばやし・れん)/REN小林 廉(こばやし・れん)/REN

数々のCM・雑誌・ファッションショーで活躍するトップモデル。08年より本格的にスポーツサイクルに乗り始める。毎月発行される自転車雑誌に見ない月はないというほどの“乗れるモデル”。日本マウンテンバイク協会公認インストラクター。特技はウィリー(映像を見る)。身長188cm、体重74kg。東京都在住。オフィシャルブログ「RENのすすめ」。取材のお問い合わせは info.studioren@gmail.com まで

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