工具はともだち<38>あなたの工具は大丈夫? 長く使うために、金属製工具の“敵”を知る

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 寒い日が続きますね。メンテナンスが中心となる時期には、工具もメンテナンス。今回は、工具のお手入れについて紹介していきます

状態を目で見て確認

サイクリスト御用達の「六角棒レンチ」セットサイクリスト御用達の「六角棒レンチ」セット

 まずは、サイクリストが必ず使用する「六角棒レンチ」から。メンテナンスの基本は、目視です。本体部分に傷や破損部分、変形がないかを確認してください。カケや曲がり、変形はありませんか? そのような工具は、大きく機能が低下してしまいます。さらにボルト・ナットを痛めるだけでなく、工具が破損し、サイクリストの皆さんが怪我をしてしまうケースにつながります。特に曲がっていることはわかりにくい場合がありますので、使用前の目視確認は忘れず実施してください。

 工具に曲がりがある場合は、ふだんから締めすぎているということが考えられます。工具だけでなく、愛車にもかなりのダメージを与えてしまっていますよ。決められたトルク以外での締め付けはトラブルの元ですので、ご注意ください。

錆びから工具を守るメッキ

 また大敵なのは、水に濡れたまま放置してしまうこと。素地のままでは水に濡れてしまったあとすぐに錆びてしまいますので、多くの工具類は、表面に何らかの防錆処理が施されています。代表的なものは、銀色に輝くメッキを使った表面処理。表面を滑らかに、耐摩耗性や耐腐食性を向上させ、かつ綺麗に装飾してくれる優れもの。切る作業を行う工具以外には、多く施されています。

 しかし、残念なことに、完全に錆びないというわけではありません。防錆処理はあくまでも表面の処理であって、内部に浸透し、錆びない構造に変えてしまうものではないのです。

防錆処理がきれいに施された工具防錆処理がきれいに施された工具
防錆処理の表面のイメージ図防錆処理の表面のイメージ図

 そこで気をつけていただきたいのが、表面処理の剥離です。金属表面に薄い何層もの膜を作っている表面処理は、瞬時に強力な力がかかった場合や、打撃を加えた場合、高所からの落下などにより簡単に剥離してしまいます。少しでもこの剥離が発生し、そこについた水分を長期間放置してしまいますと、剥離部分から錆が発生するだけでなく、素地と膜の間に錆が進行してしまい、使いものにならなくなります。

 加えてこの剥離部は非常に硬質であるため、素手で触ってしまうと皮膚を切ってしまうくらいの鋭い刃物に化けてしまいます。私も十数年くらい前のメンテナンス初心者時代に経験し、非常に苦い思いをしました。

 工具は、食品のように明確な賞味期限や消費期限が定められていないのが現状です。お使いいただいた工具に何らかの原因が思い当たるなぁと思われたら、まずは、お買い求め先やカスタマーセンターにお問い合わせくださいね。

~工具屋さんのひとり言~
帰省や出張で関西に行く機会がありますが、最近のサイクリストの個人的感想を。東→カジュアル、西→ハードというような印象を持っています。ライフスタイルに合わせて様々な自転車を活用される東と、ガンガン、ロードで走りますよって印象が強い西。小さな日本という国でも、文化、流行の微妙な違いや個性的な面が見えて非常に面白いなと感じました。

小池覚(こいけ・さとる)

KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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