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田中苑子の特別現地レポート世界王者スヴェン・ネイスが駆るトレックの新シクロクロスバイク「ブーン」、鮮烈にデビューウィン

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 2014年1月1日、トレックの新シクロクロスバイク「Boone」(ブーン)が発表された。また現世界王者であり、ベルギーで圧倒的な人気を誇るスヴェン・ネイス(ベルギー)が新チーム、クレラン・AAドリンクに移籍すること、そしてトレックが同チームにフレームを、ボントレガーがパーツを供給することも発表され、1月1日に開催された「Bポストバンクトロフィー・GPスヴェン・ネイス」で、ネイスとトレック・ブーンの新タッグが鮮烈なデビューウィンを飾った。(レポート 田中苑子)

独走で優勝し、新しいパートナーとなるトレック「Boone」にキスをしながら、フィニッシュラインを越えるネイス独走で優勝し、新しいパートナーとなるトレック「Boone」にキスをしながら、フィニッシュラインを越えるネイス

大観衆の前で「ブーン」にキスをしてフィニッシュ

 ネイスにとって自らの名前が冠されたホームタウンでのレースが、新体制で迎える初戦となった。ベルギーらしい悪天候が続いたため、会場一帯は泥に覆われ、アップダウンに富んだコースは非常にテクニカルな状態になったが、世界チャンピオンの証、アルカンシェルを纏うネイスは新車ブーンとともに勢いよくスタートを切ると、序盤から独走を開始。

新しいバイクとともにスタートラインに並び笑顔をみせるネイス新しいバイクとともにスタートラインに並び笑顔をみせるネイス
スタートから前方に位置するネイス。スタートからのリードを周回ごとに広げていくスタートから前方に位置するネイス。スタートからのリードを周回ごとに広げていく
独走で担ぎ区間を越えるネイス。担ぎやすさも「Boone」の特長になっている独走で担ぎ区間を越えるネイス。担ぎやすさも「Boone」の特長になっている

 最終的には後続のゼネク・スティバル(チェコ、オメガファルマ・クイックステップ)から51秒という大差を奪い、大観衆の前で「Boone」を高く掲げ、笑顔でゴールラインを横切った。

 「今回がこの大会で12回目(過去15回開催)の勝利。でも、いずれの大会でも簡単に勝てたことはない。応援に来てくれたたくさんの観客たちを前にして、新しいバイクで走ることにとても緊張していたけれど、結果的に50秒ほどリードして勝つことができた。ナーバスになっていたことが、唯一の間違いだったかもしれないね」。レース後にこうコメントしたネイスは、王者の風格を漂わせていた。

元旦にも関わらずたくさんの観客が集まった「Bポストバンクトロフィー・GPスヴェン・ネイス」。ネイス人気の高さがうかがえる元旦にも関わらずたくさんの観客が集まった「Bポストバンクトロフィー・GPスヴェン・ネイス」。ネイス人気の高さがうかがえる
コース横に詰めかけた大勢の観客たち。彼らの大半は地元ベルギーのコアなネイスファンだコース横に詰めかけた大勢の観客たち。彼らの大半は地元ベルギーのコアなネイスファンだ

トレックファミリーの一員としてシクロクロス機材開発へ

 「キャリアの最後を新しいチームとともに走るのは素晴らしいこと」と話すネイスは、現在37歳。引退が囁かれていたものの、2016年春まで新チームとともに現役生活を続けると表明した。今後は、トレックのシクロクロス機材開発へ積極的に参加し、競技の普及や若手選手の育成にも力を入れる予定で「トレックとのパートナーシップ、そして機材開発に関われることは、これまでの自分のシクロクロスキャリアで初めてのこと。トレックファミリーの一員に加われること、そして彼らと一緒に何か素晴らしいことができることを嬉しく思う」と喜びを語った。

「Boone」発表会に先駆けてベールに包まれた状態で登場したバイク「Boone」発表会に先駆けてベールに包まれた状態で登場したバイク
レース前に開催されたプレス発表会に出席したスヴェン・ネイスとチームメイトのスヴェン・ヴァントルノウト(ベルギー、クレラン・AAドリンク)レース前に開催されたプレス発表会に出席したスヴェン・ネイスとチームメイトのスヴェン・ヴァントルノウト(ベルギー、クレラン・AAドリンク)

 ネイスはベルギーでのシクロクロス人気を支えるベテラン選手で、これまでの勝利数は300近く(シクロクロスのみ)にのぼり、ファンから圧倒的な支持を集める。現在の世界チャンピオンであり、最近はベルギーの英雄エディ・メルクスと同じ「カンニバル」(人喰い)との異名をもつ。

記者たちにバイクの特徴を説明するネイス。今後は機材開発にも参加する記者たちにバイクの特徴を説明するネイス。今後は機材開発にも参加する

女子のケイティ・コンプトンも独走V

 トレックの最新テクノロジーが組み込まれたブーンは、ネイスだけでなく、女子のUCIワールドカップ現リーダー、ケイティ・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロスコレクティブ)にも供給される。彼女も今大会で世界チャンピオンのマリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク)を置き去りにして、独走で優勝した。長年トレックのバイクに乗るケイティは、ブーンの開発に協力し、彼女のアドバイスをもとにシクロクロスに最適なジオメトリーが完成したという。

アメリカチャンピオン、現ワールドカップリーダーのケイティ・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロスコレクティブ)アメリカチャンピオン、現ワールドカップリーダーのケイティ・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロスコレクティブ)
女子エリートのレースを独走で制したコンプトン女子エリートのレースを独走で制したコンプトン
レース前にコンプトンのバイクが調整されるレース前にコンプトンのバイクが調整される

カンチェッラーラの最終兵器「IsoSpeed テクノロジー」を導入

 バイクの特徴は、「IsoSpeed(アイソスピード)テクノロジー」が初めてシクロクロスバイクに採用されたことが大きい。このテクノロジーは、ロードレース界の第一人者、ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレックファクトリーチーム)が過酷なクラシックレースを制覇するために開発された独創的なブレーム構造だ。振動や衝撃が激しい石畳をスムーズに走れるよう、シートチューブがトップチューブから独立して動くことで振動を和らげる仕組みになっており、ロードバイク「Domane」(ドマーネ)に搭載され、これまでに数多くの勝利を飾っている。ブーンに採用されたアイソスピードテクノロジーは、肩に担ぎやすいようにクリアランスが広げられた。

シートチューブがトップチューブから独立した構造のIsoSpeedテクノロジー。「Domane」よりも前三角のクリアランスが広くなっているシートチューブがトップチューブから独立した構造のIsoSpeedテクノロジー。「Domane」よりも前三角のクリアランスが広くなっている

 フレームにはトレックが誇る最高品質のOCLVカーボンが使用されており、超軽量に仕上がっているものの、フレーム内部に埋め込まれた「Carbon Armor」によって、落車などのリスクを伴うシクロクロスのレースでも、抜群の防御力でフレームを守る。

 また内蔵バッテリーと3Sチェーンキーパーが、泥にまみれるような激しいレースでもチェーンの脱落やシフティングのトラブルを防ぐ仕様になっており、タフなレースになるほど実力を発揮するという。

 ブーンにはディスクブレーキ仕様とカンチブレーキ仕様が用意されている。1月1日のBポストバンクトロフィーでは、ネイスはディスクブレーキを、ケイティはカンチブレーキを使用していた。

「Boone」の印象を「完璧なバイクだ」と話すネイス「Boone」の印象を「完璧なバイクだ」と話すネイス
アメリカチャンピオンカラーに塗られたコンプトンの「Boone」。カンチブレーキ仕様アメリカチャンピオンカラーに塗られたコンプトンの「Boone」。カンチブレーキ仕様


Boone市販モデルラインナップ
■Boone 9 Disc    682,500円
■Boone 5 Disc    367,500円
■Boone Disc F/S   320,250円
■Boone (Canti) F/S 320,250円

※サイズは、各50、52、54、56、58、61cm
※F/Sはフレームセットの略
※価格は全て5%税込

 

協力:トレック・ジャパン


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