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はらぺこサイクルキッチン<5>日本でできるグルテンフリー食のススメ 継続3カ月後の成果はいかに?

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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 こんにちは、アスリートフード研究家のSayakoです。「グルテンフリーダイエット」に興味はあったものの、小麦製品の便利さとおいしさの誘惑に打ち勝てず、なかなか実行できないでいたプロライダーの夫、池田祐樹(トピーク・エルゴンレーシングチームUSA)と私。前回に続いて、夫婦で始めた食生活「グルテンフリーダイエット」についてお伝えしていきます。

◇            ◇

チャンピオンが取り入れるグルテンフリー食

池田祐樹とコーリー・ウォレス選手はアメリカやカナダのレースで寝食をともにした池田祐樹とコーリー・ウォレス選手はアメリカやカナダのレースで寝食をともにした

 カナダのマウンテンバイクマラソン・ナショナルチャンピオン、コーリー・ウォレス(Cory Wallace)選手のわが家へのプチホームステイにより、いよいよ実行の時がやってきたグルテンフリーダイエット。グルテンアレルギーを持っているウォレス選手ですが、10代後半までアレルギーがあるとは気が付かず、日頃から消化不良や頭痛などに悩まされていたそうです。

 「少量では問題ないけれど、主食が小麦になると体内の消化不良で体調を崩してしまい、レースでもパフォーマンスが出せなかった」と話したウォレス選手。「グルテンフリーの食生活を初めてからどんな変化があったの?」と質問したところ、「何もかもよい方向に変化した」との返事が帰ってきました。ライダーとしての結果もぐんぐん伸びていき、2012年にはついにカナダのマウンテンバイクマラソンのトップに輝きました。

 「体の動きがシャープになって成績も上がったし、減量にもなった。不思議なことに、視界がよくなったり思考までクリアになったり…選手としてだけでなく、普段の生活にもいいこと尽くめだよ」

米粉などからできている“GFパスタ”でおもてなし米粉などからできている“GFパスタ”でおもてなし
ウォレス・池田両選手で出場した「トレイルジャム in FUJITEN」(2013年」)ウォレス・池田両選手で出場した「トレイルジャム in FUJITEN」(2013年」)
カーボローディングな日は味付けご飯だとより食が進む。油をほとんど使わないヘルシー豚キムチチャーハンは、ご飯3杯分の量!カーボローディングな日は味付けご飯だとより食が進む。油をほとんど使わないヘルシー豚キムチチャーハンは、ご飯3杯分の量!

 さらに続けて、日本にいる私たち夫婦がうらやましいとも。それは、日本はグルテンフリーの生活をするのに“最適の場所”だからだそうです。ウォレス選手は、テーブルに並んだ和食を指して「日本ではお米中心の食事をすればOK。カナダでは手に入りにくいし高いから、持ち歩いたり自炊したりしなきゃいけない」と話してくれました。

 なるほど。「グルテンフリーマーク(GF)」がついた商品が少ないから難しいと思い込んでいたけれど、要は和食にすればいいという環境は恵まれている。人によって違いはあれど、思考までクリアになるなんて…何かしらの変化が期待できそう!?

 折角の機会だからと、ウォレス選手の滞在期間中は私たちも同じ物を食べてグルテンフリーダイエットを実行してみることにしました。2013年9月のことでした。

グルテンフリー生活でパンが食べたくなったら、コレ!

小麦を使わない醤油もあります!小麦を使わない醤油もあります!

 グルテンフリーダイエットのスタートに向けて、何に小麦が使われているのか、店先で原材料をよく見たりネットで調べたりすることから始まりました。この時、十割そばでない場合にはそば粉以上に小麦が多く含まれいることや、いつも使っていた醤油には小麦が原料として入っていることを初めて知りました。たまり醤油や、小麦アレルギー対応の醤油には含まれていないので、代用品を見つけることは可能です。

 グルテンフリーのパスタやパンなどはまだまだ需要の問題もあって多少値が張るため、はじめは、グルテンフリーに切り替えると高くつくと考えていました。ところが、トータルではむしろ逆でした。ケーキやスナック、うどん、ラーメン、揚げ物(衣が小麦)など、買わない物が増えたためです。すると、加工食品ではなく原料を買うことになっていくので、油や食品添加物などを摂取する機会も減りました。買い物時も加工食品をスルーするので、悩む時間も削減です。

 グルテンフリーダイエットで体に明白な変化はないものの、なんとなく気持ちが良かったので、ウォレス選手の帰国後も、継続することにしました。

 どうしても、「パンが食べたい!」という時もあるのですが、その欲求を解消してくれるお助けアイテムがあります。それは、米粉とそば粉(十割)です。この2つにどれだけ助けられたことか。

 そのメニューのひとつが、ウォレス選手が滞在中に「お礼に」と作ってくれた「そば粉のパンケーキ」。これが、椅子から落っこちるんじゃないかと思うくらい衝撃的においしく、感動したのを覚えています。制限がある中でも、おいしいというのは重要なポイントですよね。

ウォレス選手が作ってくれたそば粉と米粉のココアパンケーキ。日本では珍しいヘンプシード「麻の種」と無脂肪ヨーグルトとを添えてウォレス選手が作ってくれたそば粉と米粉のココアパンケーキ。日本では珍しいヘンプシード「麻の種」と無脂肪ヨーグルトとを添えて
焼きバナナのバルサミコ酢風味。グルテンフリーのミックス粉で作ったパンケーキ(バナナ、ナッツ、バニラアイス、シナモン)焼きバナナのバルサミコ酢風味。グルテンフリーのミックス粉で作ったパンケーキ(バナナ、ナッツ、バニラアイス、シナモン)

 それからというもの、「そば粉パンケーキ」「米粉パンケーキ」を“お楽しみ朝食”として週に1回作っています。夫も朝から目を輝かせて待っているほど、パンを食べたいという欲求を完璧に満たしてくれます。

“ポッキー”日焼けジャージ跡もきれいに

朝6時半、地元の市場に買い出しへ。「試食しなさいな」「おいしいよ」と、掛け合いも楽しい朝6時半、地元の市場に買い出しへ。「試食しなさいな」「おいしいよ」と、掛け合いも楽しい

 1週間が経ち、2週間が経ち、やがて習慣となり…すでに3カ月以上継続しています。私たちにアレルギーはないので、外出先のお醤油、お付き合いでの食事、旅行先の食事などでは時にグルテンを解禁することも自分たちに許していますが、この間に食べたラーメンは2回、パスタは3回です。以前は週5でパスタを食べていた私にとって、これは革命と言ってよいでしょう。

 一番の変化は何と言っても、こってりとした料理や大好きだったラーメン、揚げ物を食べなくても平気になっていること、欲しいと思わなくなったことです。脂っこいものは味付けが濃いことが多いですので、薄味にも同時に馴れてきました。

 また夫の池田祐樹の良い変化は、オフ期を迎えても体重の増幅がほとんどなく、頭で考える食べたい物と体が欲しているものとが一致してきたこと。「ヘルシーで体にいいものを食べたい」と体は感じていても、頭では「カロリーたっぷりな方が満足感が得られるんじゃないか」と思って、結局揚げ物をオーダーしてしまうことってありますよね。

 それともうひとつは、肌質が変化してきたこと。祐樹さんは周りから「肌がキレイになった」と言われる機会が増えたそうです。冬なので乾燥するはずが、以前より毛穴が小さくなってツルンとしていますし、日焼け跡も薄くなりました。毎夏、足や腕がポッキーのようにジャージの縁に沿ってラインがついていて、露出しているところとの色の差がかなりありましたが、その差がなくなってきました。去年の今頃はもう少しハッキリしていたので、きちんと栄養吸収がされ細胞が入れ替わっているということでしょうか。和食中心になり、バランスのよい食事を心がけているからかもしれませんね。

グルテンフリーの生活を始めたところ、食卓には自ずと和食が並ぶことが多くなりましたグルテンフリーの生活を始めたところ、食卓には自ずと和食が並ぶことが多くなりました

 肝心のマウンテンバイクでの変化はどうでしょう。祐樹さんいわ曰く、「まだ分からない。でも“強くなりたい”という目的意識があったから続けられた」ということです。もし実行を考えている方は、明確な目標があると続けやすいことでしょう。

 グローバル化した社会で、グルテンフリーへの対応は急速に求められています。また2020年、東京オリンピックでは世界中から選手や観光客が大勢訪れることでしょう。アレルギーを持っている、いないにかかわらず、食事にはより多くの選択肢があるといいなと思います。私たち夫婦のグルテンフリーダイエットは、「可能な範囲で、これからも一生続けていく」つもりなので、その後の変化など、またレポートさせてもらいますね!

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「ジュニア・アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。

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