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はらぺこサイクルキッチン<4>「グルテンフリーダイエット」って何? レースの成績アップや美容効果で注目される食事療法

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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 こんにちは、アスリートフード研究家のSayakoです。連載4回目は、プロライダーの夫、池田祐樹(トピーク・エルゴンレーシングチームUSA)のマウンテンバイクマラソンで「もっと強くなる」という想いを胸に、夫婦で始めた食生活「グルテンフリーダイエット」についてお伝えしていきます。

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パンのモチモチ感がやみつきになる秘密

グルテンフリーメニューの「根菜とチキンのオーブン焼き」を取り分けるSayakoさんグルテンフリーメニューの「根菜とチキンのオーブン焼き」を取り分けるSayakoさん

 最近耳にすることが増えたグルテンフリーダイエット。グルテンを含む小麦製品などを摂らない食生活のことをいいます。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、“ダイエット”といっても減量目的ではなく、本来の意味のひとつである“食事療法”に近い感覚です。

 グルテンフリーダイエットは元々、グルテンアレルギー患者が増えたため、グルテンを摂らない食事療法を試したところ体調が改善されたことから始まりました。欧米やカナダでは既に大流行していて、テニスの世界王者ノヴァク・ジョコヴィッチ選手をはじめスポーツ各界の選手がグルテンフリーダイエットによって成績が良くなったり、減量に成功したセレブが「美しくなってオーラが増した」とPRしたりと、健康だけでなくと美容面でも注目が高まっています。

いただきもののイタリアのGFパン。食べる直前に軽く焼くとサクサクとしておいしいいただきもののイタリアのGFパン。食べる直前に軽く焼くとサクサクとしておいしい

 そもそもグルテンとは、小麦やライ麦、大麦に含まれているたんぱく質の成分です。パンで言うなら、モチモチ感を出す役割があります。そのモッチモチの食感が人気だからでしょうか、ここ数十年間の品種改良により、小麦に含まれる含有量が多くなりました。

 少し専門的な話になりますが、グルテンの中の「グリアジン」という成分は、脳内で麻薬のような働きをするために中毒性があると言われています。つまり、食べれば食べるほど、やめられなくなるのです。更に「アミロペ口ン」というでんぷん質は、普通のでんぷんよりも血糖値を上昇させる働きが強いので、インスリンの分泌を急激に増やします。この働きで“糖化”が促進され、太りやすくなったり、乾燥肌・ニキビ肌など肌荒れの原因になります。

 数年前、機会があって日本でグルテンを抜いたうどんを作ったことがありました。その時は実験的な状況でしたので、目に見えるグルテンの存在を不思議に眺めつつも、正直よく理解するまでには至りませんでした。

安心してグルテンフリー製品を選べるアメリカの食環境

 グルテンフリーについてよく知る機会が訪れたのは、2012年夏。渡米した際、一緒に宿泊していた選手の1人がグルテンアレルギーだったことがきっかけでした。買い出し時には、私がこれまで見たことのない「GF(=グルテンフリー)」マークのついたパンやショートパスタを選んでいましたし、レストランやカフェなど外食先でも、メニューによって「グルテンが入っていませんよ」という表示があることに気が付きました。

渡米時にファーマーズマーケットで買い物する様子渡米時にファーマーズマーケットで買い物する様子
インターネットで購入したGFのミックス粉インターネットで購入したGFのミックス粉

 行動を共にしていた時には同じ物を食べていましたが、予想以上においしく、種類も豊富。大抵のスーパーマーケットでもたくさんの種類のGFパンがあり、値段も手頃ということもあって“特別難しい食事“という印象は薄らぎました。むしろ、「こんなに美味しい代用品があるのなら、できるかもしれない。実行したら体にどんな変化が訪れるのだろう」とワクワクした気持ちが芽生え、いつか実行したいと興味が高まったのを覚えています。

日本では発展途上のグルテンフリー

 日本でも近年、アレルギー疾患を持つ人が増えていることから、表示が義務づけられている「特定原材料」に小麦が含まれています。グルテンアレルギーをもっている人は内蔵の炎症、消化不良や様々な身体の不調につながりかねません。アレルギー体質ではなくとも、疲れやすくてやる気が起きない、口内炎が出来やすい、便秘がちであるなどの症状がある人はグルテンが原因である可能性もあるといいます。

レースを終えて、ゆったりとした夕食タイム。お米もよく食べましたレースを終えて、ゆったりとした夕食タイム。お米もよく食べました

 帰国後、日本で改めてGF製品を探してもなかなか見つけることができませんでした。例えば、「米粉パン」と名乗っていても原料の大半が小麦であったり、スーパーマーケットで聞いても店員さんは「?」な反応であったり…。まだまだ普及していないのだと実感させられました。

 また、実行に移せない理由はほかにもありました。“お米の国・ニッポン”に生まれ育っていても、うどん、ラーメン、パスタ、パンと想像以上に小麦製品があふれ、それをこよなく愛する私たちにとって小麦製品が全く食べられないない生活なんて考えられませんでした。ストレスに耐えられる自信がないし、そもそも食べられる物がなくなってしまうのでは?

「Hi Saya!」カナダからやってきたCory Wallace選手。彼が私たちの食生活を大きく変えることになるとはつゆ知らず「Hi Saya!」カナダからやってきたCory Wallace選手。彼が私たちの食生活を大きく変えることになるとはつゆ知らず

 そんな中、チャンスは突然訪れました。マウンテンバイクマラソンのカナダ・チャンピオン、コーリー・ウォレス(Cory Wallace)選手が日本にやってきた時のこと。彼はグルテンアレルギーを持っていたのですが、わが家に数日間のプチホームステイをすることになったのです!

 さぁどうなる!? グルテンフリーダイエット、次回に続きます。

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「ジュニア・アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。

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