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池田祐樹の「世界のトレイルから」 2013年末スペシャルまだ見ぬステージはモンゴルにあり 2014年にチャレンジしたい世界のMTBレース<後編>

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 MTB競技で国内外の耐久・長距離レースに挑み続ける池田祐樹選手が2回に渡って紹介する、2014年のおすすめレースやイベント。後編では、アメリカの「レッドヴィル・トレイル100」「ブレックエピック」、そして池田選手も憧れのレースというモンゴルの「モンゴリア・マウンテンバイク・チャレンジ」をどうぞ。

モンゴルの無限に広がる草原地帯を駆け抜ける ©Margus Rigaモンゴルの無限に広がる草原地帯を駆け抜ける ©Margus Riga

憧れのライダーを目指して7年連続出場

レッドヴィル・トレイル100(Leadville Trail 100)

 開催日: 2014年8月9日
開催国: アメリカ・コロラド州
公式ウェブサイト: http://www.leadvilleraceseries.com

感動のフィニッシュラインにはレッドカーペットが用意されている感動のフィニッシュラインにはレッドカーペットが用意されている

 2013年で20周年を迎えた北米最大、超人気の長距離マウンテンバイクレース。私はここ7年間、毎年このレースに挑戦している。2013年の大会では2000人を超える参加者とともに、熱気あふれる160km(100マイル)の戦いを自己最高記録で走破した。北米最高標高の町“レッドヴィル”(3094m)をスタート・ゴール地点とするオフロードレースは、想像を絶するほど過酷だ。

 私がこのレースにこだわり続けている理由、それはUSAマウンテンバイク殿堂入り選手であり、「トピーク・エルゴンレーシングチーム」のチームメート、私が一番憧れているデイヴ・ウィンズという偉大な選手の存在がある。

 2005年にレッドヴィル・トレイル100に初出場した時、彼は圧倒的なスピードで優勝。翌年以降も連覇を続け、6連覇という偉業を成し遂げた。あのフロイド・ランディスやランス・アームストロングをも負かしたとんでもない選手だ。デイヴの圧倒的な走りは脳裏に焼き付き、以来、私にとって彼は常にスーパーヒーローであり、目標である。

2013年私のフィニッシュを迎えてくれたデイブ・ウィンズ2013年私のフィニッシュを迎えてくれたデイブ・ウィンズ
大自然を駆け抜けるダイナミックなコース設定 ©Linda Guerrette大自然を駆け抜けるダイナミックなコース設定 ©Linda Guerrette

 「彼のような選手になりたい」と心の底から思った私は、デイヴの背中を必死に追い続けた。今では憧れの同じチームジャージに袖を通すまで成長はしたものの、まだまだ実力不足だ。私がデイヴに憧れ始めたように、ここレッドヴィルの地で私も周りから憧れられるような活躍をしたい。

 レッドヴィル100は私の原点であり、人一倍想いが詰まっているレースだ。2014年、必ず過去の自分を超え、頂点を目指していく。

 

ロッキー山脈の“ドリームバイクタウン”

ブレックエピック(Breck Epic)

 開催日: 2014年8月10~15日
開催国: アメリカ・コロラド州ブリッケンリッジ
公式ウェブサイト: http://breckepic.com/

毎日が“大冒険”となるブレックエピックのスタートシーン毎日が“大冒険”となるブレックエピックのスタートシーン

 ブレックエピックは、ロッキー山脈の険しいオフロードを舞台とする6日間のステージレース。総距離386km、獲得標高1万2200mを超える世界でもトップレベルのタフなコースで構成されている。そんな過酷なレースではあるが、手作り感あるイベント運営や、ブリッケンリッジ(通称ブレック)というロケーションがとにかく素晴らしく、自信をもって「一番好きなレース」として挙げることができる。

北米有数のスキーリゾートでもあるアウトドアスポーツの町、ブリッケンリッジ北米有数のスキーリゾートでもあるアウトドアスポーツの町、ブリッケンリッジ

 自分とMTBの力で森林限界を越え、雪渓を越え、大陸分水嶺まで登り詰めた先に待っている360度の絶景パノラマは、一生忘れないことだろう。そしてまた整備が行き届いた無数にある極上トレイル、おいしいグルメ、暖かい町の人たち…ビギナーからプロまで誰もが楽しめる、正に“ドリームバイクタウン”なのだ。

 これまで北米を中心にいろいろなところを見てきたが、ブレックは格別の場所。一度訪れてライドをしてもらえれば、必ず満足してもらえると確信している。デュオの部で6日間の完全優勝を果たした2013年のレースレポートが「Cyclist」に掲載されているので、ぜひご一読いただきたい。

北米有数のスキーリゾートでもあるアウトドアスポーツの町、ブリッケンリッジ北米有数のスキーリゾートでもあるアウトドアスポーツの町、ブリッケンリッジ
4000m近いウィーラ―峠 ©Karen Jarchow4000m近いウィーラ―峠 ©Karen Jarchow

 

未知の世界へのチャレンジはモンゴルで

モンゴリア・マウンテンバイク・チャレンジ(Mongolia Bike Challenge)

 開催日: 2014年8月30~9月8日
開催国: モンゴル
公式ウェブサイト: http://www.mongoliabikechallenge.com/en/

テントとバイクと大自然のシンプルライフ ©Carlo Borlenghiテントとバイクと大自然のシンプルライフ ©Carlo Borlenghi

 モンゴルでMTBレースって!? 一体どんなところなのだろうか――興味はまずそこから始まった。ウェブサイトでコースプロファイルを見ると、全7ステージの総距離は900km。初日からいきなり120km、獲得標高2900mとなっている。この数値を目にしただけで超級のタフレースだということがうかがえる。

 レース中は文明から離れ、パオと呼ばれるモンゴル式家屋やテントでの宿泊生活が続く。食卓にはモンゴル遊牧民の主食である羊がその場で解体されて供されるという。自分の想像が全く及ばない世界だ。

 レースだけならば日本にいてもできるかもしれない。しかし、異文化に触れ、見たことのない自然を体感し、言葉すら通じない人たちと出会い、高めあい、分かち合う。そんな素晴らしい経験をMTBを通じて得ることが、私のMTB世界観だ。

 この大会での優勝経験があり、私と似た世界観を持つカナダのMTBマラソンチャンピオン、Cory Wallaceは、「これほど過酷なレースはないが、そこで得る経験と達成感は最高だよ。僕はこのレースが今まで出場したレースの中で一番のお気に入りだ!」

圧巻のチンギス・ハーン像の下からMBCはスタートする ©Erik Peterson圧巻のチンギス・ハーン像の下からMBCはスタートする ©Erik Peterson
目前に広がるゴビ砂漠 ©Carlo Borlenghi目前に広がるゴビ砂漠 ©Carlo Borlenghi

 世界中を回り、いろいろなレースを知っているライダーをここまで魅了するモンゴリア・バイク・チャレンジ、ぜひ一度体感してみたい。

池田祐樹池田祐樹(いけだ・ゆうき)

トピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、かつ日本人初の米国自転車連盟認定コーチ。MTB競技で国内外の耐久や長距離レースに挑戦している。2013年は、MTBマラソン「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・大滝」を制し2年連続「キング・オブ・王滝」獲得、米「ブレック・エピック」(6DAYデュオ)優勝。東京都在住。ブログ「Yuki’s Mountainbike Life

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