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イエローがまぶしいバイクをマルコさんが試乗ブリヂストン「ヘルムズ SSSD SR1」 カーボンベルトドライブはスポーティー&おしゃれな領域へ

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「ヘルムズ SSSD SR1」に乗るマルコ・ファヴァロさん「ヘルムズ SSSD SR1」に乗るマルコ・ファヴァロさん

 ブリヂストンサイクルとサイクルアパレルブランド「narifuri(ナリフリ)」が共同で作り上げたシティライド向けバイク「HELMZ(ヘルムズ)」に、チェーンとは異なる駆動システム「カーボンベルトドライブ」を使用した「ヘルムズ SSSD SR1」がラインアップされた。

 「Cyclist」では今回、ロードバイクが大好きで、「ツール・ド・おきなわ」210kmにチャレンジし、通勤にも自転車を駆る東京在住のイタリア人、マルコ・ファヴァロさんと一緒に、ヘルムズ SSSD SR1で東京の街を走り回ってみた。マルコさんによるレポートをお届けします。

「ヘルムズ SSSD SR1」(ストロングネオンイエロー)「ヘルムズ SSSD SR1」(ストロングネオンイエロー)

「Helmz(ヘルムズ) SSSD SR1」
 カラー: ストロングネオンイエロー、ストロングブラックアメジスト
 サイズ: 510mm、530mm、550mm
 総重量: 9.8kg(530mm、ペダル付)
 完成車価格: 151,429円(税抜)
 ウェブサイト: http://www.helmz.jp/index.html

◇      ◇

ハッと目を引くデザイン&カラー

「ヘルムズ SR1」に乗るマルコ・ファヴァロさん

 ふだんはロードバイクとマウンテンバイクに乗っているので、シングルギアはもちろん、ベルトドライブ仕様の自転車は初めて。ベルトドライブといえばママチャリのイメージしかなかったこともあり、今回のテストライドはとても楽しみにしていた。

 遠くからヘルムズ SSSD SR1、ストロングネオンイエローが登場した瞬間、心が動いた。テストライドするモデルは「イエロー」とだけ聞いていたので、ツール・ド・フランスの総合リーダージャージ「マイヨ・ジョーヌ」のような鮮明な色だと勝手に想像していた。しかし、実際のモデルはレモンに近い明るいイエロー。派手なように見えつつ、どこかシックな感じが漂う不思議なカラーだった。

 そんな印象を受けたのは、塗装の表面処理の効果かもしれない。アルミ素材にザラザラとした質感を与える“ハードマット塗装”が施された車体は、総重量9.8kg(※)と街乗りバイクにしては十分軽量ながら、タフなイメージすら漂わせる。ヘルムズ SSSD SR1にはこのほか、ストロングブラックアメジストがラインアップされている。

※総重量は、530mmサイズにペダルを取り付けた状態で計測

 スタイルもいい。独特の3次元的なフレーム形状にドロップハンドルを採用した、ロードバイクのような“走れる”ルックスが特徴的だ。また、シングルギアの駆動系に、シクロクロス向けに作られた丈夫かつレーシィなホイールがおごられている。

 従来の街乗り用スポーツバイクやピストバイクにはない、まるでロードレーシング・マシーンのような仕上げは、ロードバイクを愛用する者として嬉しいポイントだ。ギアを見なければ、空力性能に長けた最新のタイムトライアルバイクにすら見間違えるだろう。さらに、ヘルムズ SSSD SR1のオリジナルデザインという迷彩柄のサドルとバーテープは、それ単体で見ても十分魅力的に感じるアイテムだ。

カーボンベルトドライブカーボンベルトドライブ
エアロダイナミクスを意識したデザインエアロダイナミクスを意識したデザイン
つや消し&つやありブラック、ダークグレー&メタリック・ダークグレーを織り交ぜたこだわりのカモフラサドルつや消し&つやありブラック、ダークグレー&メタリック・ダークグレーを織り交ぜたこだわりのカモフラサドル
オリジナル700×32Cセミブロックタイヤ(サイドリフレクター付)オリジナル700×32Cセミブロックタイヤ(サイドリフレクター付)
独特のリアエンド機構独特のリアエンド機構

風を切る“ガチ乗り”もかなう軽さと操作性

 ヘルムズ SSSD SR1の走行感でもっとも重要な点は、踏みだしの軽さだと言える。今回、テストで走ったのは、フラットストレート、カーブ、軽い上り坂と軽い下り坂が組み合わさったコース。ギア比が2.70となる73T×27T(チェーンの50T×18.5Tに相当)を使用した。まずフラットストレートの道をスタートすると、無理なくトップスピードまで加速できた。これは、信号などでのストップ&ゴーが多い街乗りには有利な特性だ。

スポーティーな走りも叶う「ヘルムズ SSSD SR1」スポーティーな走りも叶う「ヘルムズ SSSD SR1」

 踏み込んだエネルギーがそのまま地面に伝わる感覚で、ロスが少ない。まるでロードバイクに乗っている感覚だ。体が温まって脚の回転数が100回転/分を超えた頃、変速レバーがないことに気付き、初めてシングルスピードであることを意識した。それに、ベルトドライブは音も静かで快適。スポーツバイクに乗っていることを忘れそうになる。

「ヘルムズ SR1」に乗るマルコ・ファヴァロさん

 シクロクロス用のホイールにセットされた32Cと太めのオリジナルタイヤは、グリップがよく、自転車をオーバーに傾けても安定している。フレームの剛性が高いので、思い描いた方向にスッと曲がる。下りも安定し、きれいに弧を描くコーナリングを実現できた。

 運河に架かる橋のように軽い傾斜(3~4%まで)は、問題なく走行できる。ダンシングもスムーズで、実に気持ちいい。ただし、それを超える上り坂はつらいところだ。斜度が5%以上になると一気にギアの重さが増すように感じられ、立ちこぎも厳しい。それでもベルトドライブは空回りせず、しっかりとプーリーをつかんでいた。

 ふと思った―「レースでなければ、無理してペダルを踏まなくてもいい。厳しい上りなら、降りて押しましょう」。

手が汚れないベルトドライブシステム

「charifuri」でギアプーリーの交換作業「charifuri」でギアプーリーの交換作業

 ヘルムズ SSSD SR1には、テスト走行を行なったギア比2.70となるギアプーリー「mid」のほかに、73T×25T(ギア比2.92)の「high」、73T×29T(ギア比2.52)の「low」(それぞれチェーンの50T×17T、50T×20Tに相当)を選ぶことができる。3種のギアは、シングルギアで街を走り抜けるメッセンジャーに聞いて、使いやすい比率のものを用意したのだという。一般に、比率が大きいほど速度を出しやすい。テスト後、ギアプーリー交換をしてもらうため、narifuriが営む自転車ショップ「charifuri(チャリフリ)」へと向かった。

ベルトドライブのギアプーリー交換作業は手が汚れないベルトドライブのギアプーリー交換作業は手が汚れない
「ヘルムズ SSSD SR1」に用意された3種のギア「ヘルムズ SSSD SR1」に用意された3種のギア
「charifuri」の店内=東京・渋谷区「charifuri」の店内=東京・渋谷区

 ギアプーリーはメッキ処理が施されたスチール製で、ロードバイク用ホイールのフリーボディ(シマノ規格)と互換性がある。取り外されたプーリーやベルトに触れてみたが、油による汚れがなく、新鮮な感覚だった。パンク修理などでホイールを外す時でも、手が汚れる心配がないのは嬉しい発見だ。バイクを自分の部屋に置くライダーにもいいかもしれない。

 シティライドにおいて弱点らしいものはほとんど見当たらないヘルムズ SSSD SR1だが、しいて言うならば、パンク時に緊急でホイールを外す際にはコツや慣れが必要だろう。ベルトドライブをどのくらいに張るのか(テンション出し)は、なかなか難しい作業であり、ブリヂストンサイクルでは、全国の「アンカー」取扱店で調整するよう求めているという。

 ブリヂストンサイクルの担当者が「ピストの次の街乗り車」と自信を持つヘルムズ SSSD SR1は、雨の中を走った後も駆動系に注油する必要がなく、扱いやすい。ベルトの寿命は、チェーンと比べて3~4倍だそうで、今後はパーツとして販売予定もあるという。

ギアプーリーを手に取って見比べるギアプーリーを手に取って見比べる
「charifuri」の店舗前で=東京・渋谷区「charifuri」の店舗前で=東京・渋谷区

 さまざまなバイクやパーツが並ぶチャリフリの店内では、ついついヘルムズ SSSD SR1をカスタマイズするインスピレーションを受けた。ハンドルバーテープやサドル、ワイヤー類をドレスアップすれば、自分らしさを演出できそう。それだけではない。フレームは、ダウンチューブのロゴ以外はシンプルなデザインのため、ステッカーを貼ったり色を塗ったりする余地がある。

 フレームそのものをどのように自分好みに変身させられるか―そんなことを考えさせられたバイクは初めてだ。自転車を完成させるのはユーザー自身。そんな気持ちで付き合える1台だ。

ポタリングで視線を集めて優越感

昼時のオフィス街をポタリング昼時のオフィス街をポタリング

 ギアプーリー交換後、感触を試そうと、恵比寿から渋谷へとゆるく走ってみた。ちょうどお昼時、サラリーマンが昼食を求めて街路にあふれる時間帯だ。やはり、みんなの熱い視線を感じた。なめらかなスピード感、かっこいいカラー、自由に動くマシン…ある種の嫉妬心を芽生えさせてしまったか? ライダーとして優越感を味わった。

 レース用の高性能マシンではないが、都会での操作性の良さや踏み込みの軽さで、シティライフを存分に楽しむことができるヘルムズ SSSD SR1。目立ちたい人にも、おしゃれバイクを作り上げたい人にも、油汚れを気にする女性にも、幅広く勧められる1台だ。いや、レース志向が強い方も、シングルギアでスポーティーなヘルムズ SSSD SR1をペダリングの練習にどうぞ!

文 マルコ・ファヴァロ、写真 大星直輝

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

イタリア語講師。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会で、自転車にまつわるイタリア語講座「In Bici」(インビーチ)を担当する。サイクルジャージブランド「カペルミュール」のモデルや、Jスポーツへ「ジロ・デ・イタリア」の情報提供なども行なう。東京都在住。Cyclist連載「つれづれイタリア~ノ」、ブログ「チクリスタ・イン・ジャッポーネ

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