2013モデルホイール試乗会MAVICの“合宿”試乗会で「乗って軽い」ホイールを体感

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MAVICスタッフにより「CXR80」に履き替え中MAVICスタッフにより「CXR80」に履き替え中

 7月24日、長野県大町市の鹿島槍スポーツヴィレッジで、MAVICの2013モデルのホイールを体感できるプレス向け試乗会が開催された。ロードレース経験のない女性記者には敷居の高いイベントだが、編集長に「楽しんで来い!」と背中を押され、前日から泊りがけで鹿島槍へ。北アルプスの景観を楽しみつつ、体力が尽きるまで…6本のホイールを乗り尽くした。(文・写真 柄沢亜希)

「CXR80」の徹底した空力研究

 午前中の説明会で、2013モデルの目玉として重点的にレクチャーがあったのは、空気抵抗を最小限に抑える「Cosmic(コスミック) CXR80T」=通称CXR80。6月の展示会で初めて出会った時、リムとタイヤの間に生まれる隙間を別の部品で埋めて最大の空力性能を得る、という発想に何より驚いた。ホイール名にわざわざ空気抵抗指数を表す「CX」を使ったほど、気合いの入った製品だ。

 ホイールが空気抵抗を受ける主な部分は2カ所。進行方向の最前面でタイヤが風を切る部分と、進行方向の後部でリムが風を受ける部分だという。その部分で空気の流れをスムーズにするため、研究し尽くされた翼断面形状が採用された。また、フランジ(ハブ側でスポークを支える部分)の形状も新しくなった。これらの研究は、トラック専用ホイール「io(イオ)」にも反映されているということで、8月2日から始まるオリンピックのトラック競技にも注目したい。

いざ、試乗!

最初の周回はMAVICバイクが先導した最初の周回はMAVICバイクが先導した

 午後は場所を移して試乗タイム。大町温泉郷に設けられた、起伏のある約5kmの周回コースまで大型バスで移動する。この日の試乗に集まった10人ほどのライダーは、みんな速そうに見える。ベテランに囲まれて緊張を覚えながら、5時間ほどでどんなホイールを試そうか(試せるか)と思いを馳せる。

 編集長からは、「自分のレベルに合った『Ksyrium(キシリウム)』シリーズを中心に試乗するように」と指示を受けていた。ところが、最初の時点で「Ksyrium」に空きがなく、“残念ながら”「Cosmic Carbone SL」となった。初めからカーボン・エアロホイールとは、ハードルが高いぞ…。
 
■Cosmic Carbone SL

「Cosmic Carbone SL」「Cosmic Carbone SL」

 「Cosmic Carbone SL」を履いた愛車は、違うバイクにすら見える。かっこいい。「初めてのエアロホイール、どんな感じ?」とバイクに尋ねてみたい。私自身、初めてのエアロホイールにテンションが上がる。

 「踏み出しが重く感じるかも」とスタッフに言われた通りに感じる。ふだん使っている手組みホイールの、やや“もったり”した出足に似ているかもしれない。ただ、ペダルから路面まで力がまっすぐ伝わるようなダイレクト感が好印象。それに加え、リム高のあるエアロ形状はスピードに乗るときの加速感がすごい。もっとスピードの出るレースでは、気持ちよく走れるのだろう。想像していたよりも風切音はしなかった。希望小売価格157,500円(タイヤ別売り)。
 
■Ksyrium Equipe(エキップ) S

「Ksyrium Equipe S」「Ksyrium Equipe S」

 「Ksyrium Equipe S」は、シリーズのエントリーモデルであるが、上りでも下りでもその性能の高さが感じられた。まずは上りで、フロントギアをずっとアウターにしたままでいられる使い心地。高ケイデンスの乗り方にしっくりくる。下りでは顕著な安定・安心感があった。希望小売価格57,750円(ホワイトは希望小売価格63,000円)。
 
■Ksyrium Elite(エリート) S

「Ksyrium Elite S」「Ksyrium Elite S」

 2013年モデルから、「Ksyrium」シリーズの全モデルでホイールとタイヤのセット販売が始まった。「Ksyrium Elite S」のセットは、ミドルグレードの性能と品質で10万円を切る。ヨーロッパのプロ選手らが練習用に着用し、ホビーレーサーの決戦用ホイールとしても対応する、コストパフォーマンスの高いホイールだ。従来のホイール単体販売で、1番売れていたのも「Ksyrium Elite S」なのだとか。

 疲れ始めた脚にも、そのメリットが確実に実感できた。かなり呼吸を乱しながら走ったにも関わらず、最初のひとこぎから軽さを感じる。さらに、「Ksyrium Elite S」のおかげで、タイムが1分縮んでいた。希望小売価格94,500円。
 
■Ksyrium SL S

「Ksyrium SL S」「Ksyrium SL S」

 4本目は、さらに上位モデルの「Ksyrium SL S」。さすがに脚が“売り切れ”の感があり、このホイールを周回コースでのラストと決めて、残る力をふりしぼって走り始めた。驚いたことに、上りで「ふわり」という感覚を味わい、上りの最中にギアを1段重くする勇気が出た。下りでスピードを上げても、変わらぬ安定感に笑いがこみあげてくる。

 走り切ること14分、最初の周回からタイムがほとんど変わっていない。疲労度が増していくのと並行して、ホイールのグレードを上げていったことが奏功しているとしか思えない。手に持つだけでは分からない、「乗って軽いホイール」とは何なのか、身をもって理解した。「Ksyrium SL S」チューブラー仕様は希望小売価格139,600円、クリンチャー仕様は希望小売価格131,250円。

「CXR80」で風になる

 周回コースに出ずに、短かい距離で試乗したのは、「R-Sys(アールシス) SLR」と、前出の「CXR80」。このうち「R-Sys SLR」は、エアロ形状ではないロードレース用ホイールのMAVIC最高級品で、カーボンスポークを持つ。鉄よりも硬いカーボンの剛性が横ブレを軽減し、走行時にペダルのパワーをダイレクトに生かすことができる。確かに“力強い”感覚が足に伝わる。また、派手なロゴがない真っ黒な外観は落ち着いた印象で、女性にも人気のホイールだという。

「CXR80」で疾走中の記者(撮影 小見哲彦)「CXR80」で疾走中の記者(撮影 小見哲彦)

 「CXR80」は、時速30km程度のスピードであっても、本当に空力に優れたホイールなのだということが感じられた。見た目の威圧感とは異なり、ストレートでの走行感覚は極めてスムーズですばらしい。反面、カーブでのハンドル動作が重たくも感じた。

 前出の記事では「空気を切って進む」と表現したが、まるで風になったような、そんな感覚で走っていた。MAVICのスタッフからも「楽しそうに走っていましたね」と言われるほど、軽く、スピードに乗れるホイールが「CXR80」である。

 「R-Sys SLR」チューブラー仕様は希望小売価格234,150円、クリンチャー仕様は希望小売価格225,750円。「CXR80」はチューブラーのみで希望小売価格336,000円。

◇      ◇

 バリエーション豊かなMAVICホイールは、試乗して選ぶことができれば最高だと感じた。近くで試す機会がなければ、鹿島槍スポーツヴィレッジにあるMAVICテストライドステーションに出かけてみることをお勧めしたい。

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