自転車界を支える強豪大学のパワーが集結鹿屋体育大学自転車競技部のOB・OG会が初開催 活躍中の卒業生らが学会形式で報告

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 鹿屋体育大学自転車競技部のOB・OG会、通称「鹿輪党(かりんとう)」の第1回総会が11月30日、東京・千駄ヶ谷の「ミウラ・ドルフィンズ」で開かれ、現在も自転車競技会で活躍するOB・OGらが学会形式で活動報告を行った。

総勢34人の鹿屋体育大自転車競技部OB・OGが集まった総勢34人の鹿屋体育大自転車競技部OB・OGが集まった

黒川監督のこだわりは、宴会に終わらないこと

 鹿屋体育大の自転車競技部は1995年創設。今年の全日本インカレで史上初の男女総合優勝を決め、学生界の頂点に立ったばかりだ。また、同部はOB・OGを含む多くの支援者を味方に付け、ハイレベルな運営・活動を展開していることでも知られる。

黒川監督から、創部にいたる経緯が説明される黒川監督から、創部にいたる経緯が説明される

 初めてのOB・OG会総会で黒川剛監督がこだわったのは、宴会のみで終わらず、活躍中のOB・OGが現状報告をする事。これは「日本の自転車競技をメジャーにするために、社会貢献できる本物の人材を育成する」という創部理念にのっとり、卒業した選手にもさまざまな形で人材育成に取り組んでいるためだ。会合では黒川監督が自ら部の歴史を振り返ったほか、3人のOB・OGが活動報告に臨んだ。

 黒川監督のスピーチは開口一番、「最高に嬉しいので万歳三唱から始めます!」と全員を立たせて万歳三唱、爆笑の中でスタートを切った。

 監督によると、同部は1992年に3人のサイクルスポーツ研究会として発足。3年後の1995年に正式な体育系サークルとして自転車競技部が誕生した。早い段階から地域密着活動、スポンサー広告入りウエアといった民間支援、科学的トレーニングなどを取り入れ、2000年には清水都貴(現ブリヂストンアンカー)が国立大学初の個人TTおよびインカレ優勝を飾った。現役学生を含め、これまで本格的に競技に取り組んだ選手は約70人、そのうち42人が全国チャンピオンに輝き、日本一になることは特別難しい課題では無くなってきたという。

 女子選手の育成・強化にも力を注ぎ、2002年にはインカレ女子総合初優勝を達成、今年は10年連続11回目の総合優勝、そして今年ついに念願の男女総合優勝を成し遂げた。

 今後は2016年リオデジャネイロオリンピックと、2020年の東京オリンピック向けた選手強化に取り組み、日本自転車界の競技力向上に貢献する考えという。

鹿屋体育大の直近10年の成績は右肩上がり鹿屋体育大の直近10年の成績は右肩上がり
鹿屋体育大は、大学の自転車チームウェアに広告を入れたパイオニアだ。スポンサーは地元企業が中心鹿屋体育大は、大学の自転車チームウェアに広告を入れたパイオニアだ。スポンサーは地元企業が中心

 続いて、北京五輪やロンドン五輪にスタッフとして帯同した経験を持つ瀬尾幸也氏(現トライアスロン・チームケンズコーチ)が、五輪でのサポート経験や各国のオリンピックに向けた取り組みを紹介。また日本の取組体制についての問題提起や、タレント発掘と選手強化の一貫システムの提案などが行われた。

 自転車選手のパーソナル指導を行う「Smart Coaching」代表の安藤隼人氏は、「ティーチングとコーチングの使い分け」について説明。コーチング実践例を基にしたビデオ分析方法や、フィードバック方法等が紹介された。さらに、日本の自転車競技界における指導者連携体制についても問題提起がなされた。

 鹿屋体育大講師の長島未央子氏は、スポーツ選手の食育を考慮し、食事を低価格で提供できるアスリート食堂事業について紹介。この事業は、カフェなどを展開する大阪の企業が主体となり、鹿屋市の店舗を手始めに東京、大阪で展開が計画されている。利益の一部を選手の育成支援奨学金とする取り組みも含まれるという。

瀬尾氏より東京オリンピックに向けての提案が行われた瀬尾氏より東京オリンピックに向けての提案が行われた
黒川監督には、創部した1995年物のワインが贈呈された黒川監督には、創部した1995年物のワインが贈呈された

懇談会にはトップ選手らが登場

全員での記念撮影。第一線で活躍するプロ選手や、指導者なども集まった全員での記念撮影。第一線で活躍するプロ選手や、指導者なども集まった

 第2部の懇談会には、ロンドン五輪代表の萩原麻由子(ウイグルホンダ)や、清水都貴(ブリヂストンアンカー)、中島康晴、伊藤雅和(愛三工業レーシング)、内間康平(チームNIPPO・デローザ)、吉田隼人(シマノレーシング)らプロロード界で活躍する豪華メンバーが姿をみせた。

 他にも競輪選手、高校自転車競技指導者、スポーツ関連企業や自転車関連企業の社員ら総勢35人が参加。黒川監督は「日本の自転車を変える人材が確実に育っていることを実感できて幸せ。この会はファミリーとして楽しむだけで無く、各人がクルーとして各分野で与えられた任務を全うして自転車界に貢献して欲しい」とエールを送った。

    レポート OB・OG会会長・狩野和也(㈱アシックス、2020東京オリンピック・パラリンピック室)

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