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日向涼子のサイクリング紀行 in 美ら島OKINAWA<後編>コースを延長して古宇利島の絶景をライド! 「この時間が永遠に続けばいいのに…」

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 モデルの日向涼子さんによる沖縄サイクリングの2日目。今回は、恩納村から名護、そして古宇利島へと、沖縄本島中西部を北上して絶景とグルメを楽しみました。沖縄の自然や文化の魅力を体感した日向さんは、「サイクリングアイランドとしての発展に大きな可能性を感じることができた旅」とレポートしてくれました。

<前編>シーズンオフのないスポーツ王国 沖縄で充実のライドと観光、グルメを堪能

古宇利島へと一直線に伸びる古宇利大橋。青空と青い海の中を滑り抜ける最高の瞬間古宇利島へと一直線に伸びる古宇利大橋。青空と青い海の中を滑り抜ける最高の瞬間

◇           ◇

沖縄で思い出した「母の味」

 沖縄ライド2日目。朝は雨が降っていたものの、走り始める頃には晴れ間が見えてきました。

 この日のスタートは恩納村(おんなそん)の道の駅、その名も『おんなの駅』。いい名前です(笑) しかも、沖縄グルメをギュッと凝縮したようなお店が建ち並び、ここだけで楽しめそう! …ですが、目的はサイクリング・レポートなので、手軽に食べられるバナナ味のサーターアンダギーのみいただきました。

「おんなの駅」という素敵な?名前の道の駅には、女子心をくすぐるお店がいっぱい「おんなの駅」という素敵な?名前の道の駅には、女子心をくすぐるお店がいっぱい
サーターアンダギー、揚げてますサーターアンダギー、揚げてます

 揚げたてのそれを割ると、湯気とともに大好きなバナナの香りが顔じゅうを包み込みます。思わずかぶりつくと、どこか懐かしい味が。“この懐かしさはなんだろう”。しかし思い出す間もなく、滋味あふれる甘い香りが鼻腔に広がりました。

 サーターアンダギーは、小麦粉、卵、砂糖とベーキングパウダーを混ぜ合わせた生地を丸めて揚げたもの。沖縄ではそれぞれの家庭で作り方や味が少しずつ異なり、母から子へと代々受け継がれる「母の味」なのだとか―。

揚げたてサクサクを、いただきま~す揚げたてサクサクを、いただきま~す

 そうか! 口にしたとたんに、心まで“ほっこり”とした懐かしさを感じたのは、子供の頃を思い出したから。夕飯のフライ生地が余ると、私がそれを丸め、母が揚げて、砂糖をまぶして作った“お菓子”と少し似ていたのです。そのお菓子を食べたいがために、本来の目的であるフライの衣を出来るだけ薄くしたものです(笑)

 フライの衣作りは、まだ幼くて火や包丁を使わせてもらえなかった私でも、母を手伝うことができた数少ない料理のひとつ。その日にあった出来事を話しながら、母娘の共同作業を楽しんだものです。沖縄に到着して以来、様々な場面で風土の違いを感じていましたが、本当に大切なことは、どこへ行っても変わらないのかもしれませんね。

 …と思い出にひたっていると、帰りのフライトに間に合わなくなるので、気持ちを切り替えてスタート!

パンケーキを前に女子力を発揮!

ハワイアンパンケーキのお店「パニラニ」ハワイアンパンケーキのお店「パニラニ」

 観光、グルメ、トレーニング…この日はどんな走りをしようか迷っていたけれど、「コースの途中に有名なパンケーキ屋さんがありますよ」という情報を得て、グルメライドに決定! すでに時間が押していることもあり、かつて実業団でバリバリ活躍していたCyclist編集部のY氏にグングン引いてもらって、あっという間に「ハワイアンパンケーキハウス パニラニ」に到着です。

 沖縄を訪れる1カ月半ほど前にハワイへ行った時は、パンケーキがウリのお店はどこも大行列だったので、あきらめていたのですが、まさか沖縄で“ハワイアンパンケーキ”にめぐり合えるとは!

 お店がオープンする午前7時から行列が出来ることもあるそうですが、私たちが到着したのは平日の朝ごはんとも昼ごはんともつかない時間だったせいか、すんなりと入ることが出来ました。

雰囲気のよい店内。まずは水分補給雰囲気のよい店内。まずは水分補給

 ただ、「おんなの駅」で食べたサーターアンダギーどころか、ホテルで食べた朝食ビュッフェがまだ胃袋で存在感を出しており…。それとなく「朝ごはん、おかわりしちゃったから、入るかなあ?」とY氏にアピールしたものの、「そうですか」と素っ気無い返事が返ってきました。「食べ切れなかったら、僕が食べますよ」という答えを期待していましたが、世の中そんなに甘くはありません。

 ちぇっ。覚悟を決めて、お店の一番人気という、見るからに甘そうな“ナッツナッツパンケーキ”を注文しました。

 Y氏はというと、もうひとつのオススメである“ステーキベーコンパンケーキ”をオーダー。分厚く切られたベーコンはまさにステーキで、漢(おとこ)を感じさせる一品です。(注:女性にも大人気のメニューです)

お店の一番人気という“ナッツナッツパンケーキ”お店の一番人気という“ナッツナッツパンケーキ”
ボリューミーな“ステーキベーコンパンケーキ”ボリューミーな“ステーキベーコンパンケーキ”
いただきま~すいただきま~す

 運ばれてきたお皿には、顔よりも大きなパンケージが2枚重ねになっていて、想像以上にボリューミー。ですが、不思議なことに“パンケーキ”というものは、それだけで乙女心をくすぐる力があり、目の前にあったりしたら…気がつけば「ぺろり」と食べきっているのが、正しい女子のあり方なのです。

 もちろん私も例外ではありません。塩気を感じるもちもちパンケーキと、見た目ほど甘すぎないとろ~りナッツクリーム。それらをバナナのほのかな酸味がうまく結び付け、まさに三位一体! あっという間に胃袋へ。

 ただ、食べる前に写メを忘れてしまったのは、まだまだ女子力不足です(代わりにY氏がしっかり撮影していました)。“オンナ”の道を究めるため、ふりだしに戻って「おんなの駅」で“マンゴーかき氷”を食べてもよかったのですが…それでは取材になりませんよね。温厚なY氏を怒らせてしまう前に、パンケーキのお店から500mほど先にある「御菓子御殿」へと向かいました。

御菓子御殿!御菓子御殿!
入口には巨大な紅いもタルトが!入口には巨大な紅いもタルトが!
広い店内では様々なお菓子が売られています広い店内では様々なお菓子が売られています
試食、いただきま~す試食、いただきま~す
パーラーにも紅いもスイーツが一杯パーラーにも紅いもスイーツが一杯

 ここは“紅いもタルト”が有名ですが、他にも沖縄の素材にこだわったお菓子がいくつも製造されています。工場のラインはガラス張りになっていて、店内からも製造工程を見学することが出来ます。

2階のパーラーはオーシャンビュー2階のパーラーはオーシャンビュー

 「見ているだけでは物足りない」という方は、紅いもタルトの手作り体験をどうぞ(前日までに要予約)。「食べるのが専門」の方には、2階にあるパーラーで海を眺めながらスゥイーツタイム! 「紅いもアイスぜんざい」や「紅いもソフトクリーム」、それに作りたての紅いもタルトとコーヒーのセットがいただけちゃう、ここだけで半日は楽しめるスポットとなっています。

 広い店内には各種お土産品が並んでいましたが、買ってもジャージのポケットに入らないので、ここでは試食だけ。帰りの空港で買うものをいくつか決め、次なる目的地「ナゴパイナップルパーク」へ向かいました。

紅いもタルトの生産ラインを見ることができます紅いもタルトの生産ラインを見ることができます
タルト生地に紅いもが絞られる瞬間!タルト生地に紅いもが絞られる瞬間!
個別包装まで自動化されています個別包装まで自動化されています

もっと走りたい! コースを延長して古宇利島へ

 実は、ここから先は予定外のオリジナルコース。出発前にコースマップを渡されていたけれど、そのコースではあっという間に終わっちゃう。帰りの飛行機に乗り遅れないように、との配慮があって距離が短いのかも知れませんが、せっかく沖縄まで来たんだもん。もっと走りたい! そしてもっと食べたい!? だから、半ば強引にコースを延長して古宇利島(こうりじま)まで行くことにしたのです。

 まず『パイナップルパーク』では、かわいいカートに乗りながらヤシの木に囲まれたパイナップル畑を散策しました。

パイナップルパークパイナップルパーク
自動運転のカートに乗ってパイナップル畑などを回ります自動運転のカートに乗ってパイナップル畑などを回ります
パイナップルが生えてますパイナップルが生えてます
パイナップルジュースの試飲パイナップルジュースの試飲
パイナップルのシュークリームもパイナップルのシュークリームも

 ここではなんと、パイナップルが食べ放題! 生のパイナップルには消化を促がす力があるので、朝から胃を働かせっぱなしの私にピッタリでした。さらにビタミンB2やC、クエン酸などが含まれ、疲労回復にも効果があります。こうしてパイナップルの恩恵を受けて、一気に古宇利島へ!

 再び海が見える頃には交通量も減り、気がつけば青空。まさに自転車日和。遠くに古宇利島と古宇利大橋が見えてきました。

今帰仁村と屋我地島を結ぶワルミ大橋上、古宇利島と古宇利大橋が見えます今帰仁村と屋我地島を結ぶワルミ大橋上、古宇利島と古宇利大橋が見えます

 島へと結ぶ古宇利大橋は2km近くあり、通行料がかからない一般道の橋としては沖縄で1番、日本全国でも2番目の長さを誇る橋です(ちなみに1番は新北九州空港連絡橋だそうです)。

 前日に走ったニライカナイ橋は、空を飛ぶような感覚があったけれど、ここ古宇利大橋は、海の上を自転車で滑りながら渡る感じがしました。

素晴らしい景色に思わず笑みがもれる素晴らしい景色に思わず笑みがもれる

 見渡す限り青く輝く海に囲まれた古宇利島は、この世のものとは思えない存在感。そして、青い海に向かってまっすぐ延びる古宇利大橋は、まるで天界へと続く道。この時間が永遠に続けばいいのに…と本気で考えたほどです。

 帰ってから調べたところ、古宇利島は神々の宿る島といわれ、島の至るところに子宝・安産祈願の御嶽(うたき)があるそうです。神々しさに気付いた私の直感は、外れていなかったのだな、と納得しました。

 一説には、古宇利島にはアダムとイブに似た伝説が残されているそう。島の名前は「恋島」に由来。恋島→くい島→古宇利島となったとのことです。また「人類発祥の島」「縁結びの島」とも呼ばれ、なんと最近ではプロポーズにふさわしいロマンチックなスポットとして「恋人の聖地」に選ばれたそうです。

 確かに、視界に入るすべてが美しい島で、神秘的な体験を大切な人と一緒に味わうことが出来たなら、神様に祝福されたような、喜びも苦しみもともに分かち合おうという気持ちが生まれるかもしれません。

島の砂浜に出てパチリ!島の砂浜に出てパチリ!
沖縄の定番!ブルーシール沖縄の定番!ブルーシール
カップでいただきましたカップでいただきました

 もっとも、色気より食い気の私には、ブルーシールという沖縄で有名なアイス屋さんの前で、「アイスクリームにしようか、ソフトクリームがいいか」「カップかコーンか」「どの味にしようか」が重要でした。そして、食い気と同じくらい自転車が好きな私にとって、時間が許すならば、もっともっと走っていたかった―。

自転車に理解のあるスポーツアイランド

 今回のレポートは、楽しいグルメポタリングが中心となりましたが、沖縄のあちこちを走ってみて感じたこと。それは、この島が自転車合宿にとても向いているだろうなということです。

 私は本格的に自転車に乗るようになって以降、サイクリングにとっていかに地元の理解が大切かということを強く感じてきました。

少し丘を上がって、走って来た道を振り返る少し丘を上がって、走って来た道を振り返る

 普段から輪行をしてあちこちへ出かけて走るのが好きですが、地域によっては“自転車は車両”という意識が薄く、幅寄せをされたり、自転車が走るようには考えられていない道に出くわしたりすることがあります。そのような場所には二度と行かないし、もちろん人に紹介することもありません。

 その点、沖縄は県をあげて生涯スポーツの定着とスポーツ・ツーリズムの推進に取り組んでいるだけあって、自転車でどこへ走って行っても地元の方々の理解と温かさを感じました。

 また、自然の食材を取り入れやすい食事環境であることも、重要なポイントです。沖縄入りした日の夜、畑人(ハルサー)の愛情を感じる新鮮な無農薬の島野菜をいただきました。何度もかみ締めるほどに、大地のエネルギーがゆっくりと全身をめぐる感覚を味わうことができました。

オーシャンビューで一息オーシャンビューで一息
海の道が見えた!海の道が見えた!
シーサー!シーサー!

 良いものを食べ、運動で発散して、再び良いものを取り入れる。それを繰り返すことで、身体だけでなく心のデトックスにもなることでしょう。私が沖縄の人に感じた弾けるようなエネルギーは、食事が無関係ではないはずです。

 2泊3日の短い滞在でしたが、サイクリストとして、沖縄に多くの可能性を感じることができた旅でした。『スポーツアイランド沖縄』が発展する機運は、いよいよ高まっていると確信。次にこの島を訪ねるときには、どこを走り、何をしようかな? 沖縄に思いを馳せては頬を緩ませている今日この頃です。

(レポート 日向涼子)

日向 涼子 日向 涼子(ひなた・りょうこ)

企業広告を中心に活動するモデル。食への関心が高く、アスリートフードマイスター・食生活アドバイザー・フードアナリストの資格を持つ。2010年よりロードバイクに親しみ、ヒルクライム大会やロードレース、サイクリングイベントへ多数出場。自転車雑誌「ファンライド」で『銀輪レディの素』を連載中。ブログ『自転車でシャンパンファイトへの道』( http://ameblo.jp/champagne-hinata/ )

 

■今回の走行ルート
「道の駅おんな」~(県道6号線)~(国道58号線)~「ハワイアンパンケーキハウス パニラニ」~「御菓子御殿 恩納店」~(国道58号線)~白銀橋(東)~(県道84号線)~「ナゴパイナップルパーク」~(県道84号線)~中山~(県道72号線)~仲宗根(西)~(国道505号線)~(県道248号線)~(県道110号線)~(県道247号線)~「古宇利大橋」~「古宇利島」

ルートを拡大して見る

■バイクはTHOMPSONを使用

THOMPSON SIRIUS 2.0THOMPSON SIRIUS 2.0

 今回のサイクリングで使用した「THOMPSON」(トンプソン)は、ベルギー発の自転車ブランド。小規模ながらベルギーではタウンユースからスポーツバイクまで取り扱い、近隣のオランダやアイルランドでも多くのユーザーに親しまれているという。
「SIRIUS 2.0」(シリウス2.0)は、レースやサイクリング、ヒルクライムなどさまざまなシーンに対応する、ホビーサイクリストに最適なロードバイクだ。価格はアルテグラ6800仕様で42万5千円(税別)。
THOMPSONロードバイク 公式サイト

 また、映像撮影には、ソニーのアクションカム「HDR-AS30V」を使用した。トンプソン FORCE のハンドル部に、純正マウントで固定して撮影を行なった。
HDR-AS30V メーカーサイト


<取材協力:沖縄県>

 

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