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日向涼子のサイクリング紀行 in 美ら島OKINAWA<前編>シーズンオフのないスポーツ王国 どうしても行きたかった沖縄で充実のライドと観光、グルメを堪能

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 日本最大のリゾートアイランド・沖縄がいま、スポーツのメッカとしても急速に発展しています。サイクリング界では、毎年11月に日本最大級のロードレース「ツール・ド・おきなわ」が開かれることで有名ですが、実は1年を通してトレーニングやツーリングを楽しめる“サイクリングアイランド”でもあります。そんな沖縄の魅力を確かめようと、モデルでサイクリストの日向涼子さんに、2日間にわたっておすすめコースを走ってもらいました。日向さんによるレポートをお届けします。

「サイクリングアイランド沖縄を堪能してきました」「サイクリングアイランド沖縄を堪能してきました」

◇           ◇

『沖縄で自転車』 絶対、楽しいに決まってる!

サイクリストの日向涼子さん。本業はプロのモデルですサイクリストの日向涼子さん。本業はプロのモデルです

 私は新潟生まれ、新潟育ち。「寒さに強いのでしょう」と思われがちですが、防寒対策が出来ている雪国の建物と違い、室内は東京の方が寒いように思えます。秋が深まってくると、朝、布団から出るのもひと苦労。それに靴下を履かないと寒くて眠れません。

 本業が忙しいことを理由に、朝練の時間がめっきり減ってしまい、ついには「肌が白いですね」と、モデルにとっては褒め言葉でも、自転車乗りとしてはちょっと不名誉な言葉をいただくようになっていました。

 そんな時、「沖縄で自転車に乗りませんか?」と素敵なお話が舞い込んだのです。

日向涼子さんが、沖縄取材に向けての意気込み(妄想?)をまとめたアイデアスケッチの一部日向涼子さんが、沖縄取材に向けての意気込み(妄想?)をまとめたアイデアスケッチの一部

 聞けば、沖縄で“スポーツアイランド”を目指すためのシンポジウムがあり、その取り組みの一環として、地元のおすすめサイクリングコースを紹介してほしいということ。

 沖縄にはモデルの仕事でしか行ったことがなく、しかも自分の出番が来るまではビジネスホテルで待機していたため、空港・ホテル・ロケ現場の思い出しかありません。沖縄のことは何も知らない、と言っても過言ではないでしょう。

 でも、今回は『自転車に乗る → いろんなところへ立ち寄る』はず。景色を眺めながら走り、地元の食事を堪能―しかもサイクリングにちょうど良い気候じゃないかしら…

 これは絶対、楽しいに決まってる!

「今回はどうしても行きたいんです!」

 事務所に相談をしてスケジュールを空けてもらい、沖縄行きが決定しました。

いよいよ沖縄! まずは国際通りでグルメ探索

 11月12日午後3時過ぎ、那覇空港に到着。東京で着ていたダウンが暑苦しく感じました。この日はホテルでゆっくり休み、翌日からの取材とサイクリングに備えます。

 沖縄とはいえもう11月、朝晩は寒いのでしょうか…? 不安もあったので、翌日の普段着には夏物のトップスとデニムに加え、いつでも羽織れる前開きのパーカーを準備して就寝しました。もちろん、靴下なんて履きません(笑)

 翌朝、テレビをつけると、東京・お台場からお天気お姉さんが「今日は本当に寒いです! 冬物のコートだけではなく、マフラーと手袋、靴の中敷にはあたたかいものを入れるといいでしょう」と、凍えそうな様子で中継していました。

 ところが沖縄のホテルにいる私はというと、Tシャツに短パン! もちろん外ではもっと着込みますが、どうやら準備してきたウエアで間に合いそうです。

スポーツコミッション沖縄(仮称)設立に向けて、高橋尚子さん(中央)らを招いて開かれたシンポジウムスポーツコミッション沖縄(仮称)設立に向けて、高橋尚子さん(中央)らを招いて開かれたシンポジウム
真剣なまなざしでシンポジウムを取材する日向涼子さん真剣なまなざしでシンポジウムを取材する日向涼子さん

 午前中はシンポジウムへ。スポーツアイランドとしての沖縄のプロモーション映像は、大変魅力的でした。そしてQちゃんこと女子マラソンの高橋尚子さんによるトークセッションを聞くと、スポーツへのやる気と勇気が湧いてきました。感化されやすい私は「早く自転車に乗りたい!」とムズムズしたのですが、午後のライドまでは、まだ2時間もあります。

 このムズムズを抑えるには…同行していたCyclist編集部のY氏を引っ張って、手近な沖縄観光へ繰り出すことにしました。

まずは沖縄観光の定番「国際通り」へまずは沖縄観光の定番「国際通り」へ

 まずは、国際通り。観光地らしい建物におみやげの品々が並び、見ているだけでワクワクします。沖縄へ何度か来たことがある編集部Y氏が、国際通りを入ってすぐの第一牧志公設市場を案内してくれました。

 島らっきょうや海ぶどうなど、東京でも食べる機会がある食材から、見たことはあっても食べる機会はなかなかない豚の顔や豚足、そして見ることすら初めての漬物、青くて美しい魚、大きくてグロテスクな貝…などなど。

賑わいに満ちた「第一牧志公設市場」賑わいに満ちた「第一牧志公設市場」
沖縄のブランド豚「アグー」は、顔や足がそのままの姿で売られていました沖縄のブランド豚「アグー」は、顔や足がそのままの姿で売られていました
南国の色鮮やかなお魚を、スマホでパシャリ!南国の色鮮やかなお魚を、スマホでパシャリ!

 私は普段から市場が大好きで、気になるお店を見つけては立ち寄って話を聞いたり、新顔の野菜を試したりしているのですが、沖縄のそれは目新しいものばかりで興味津々! 公設市場の2階では、下で買ったものを調理して食べさせてくれるところもあるそうですが、残念ながら今回は時間切れです。

サーターアンダギーを「いただきます!」サーターアンダギーを「いただきます!」

 せめて…と、あちこちで見かけたサーターアンダギー売り場の中で、一番おいしそうだったお店まで戻ってパクリ。

 「やはり私の目は間違っていなかった…」

 その美味しさに小腹と自尊心が満たされ、今にもスキップしたくなる気分のまま、サイクリングの集合場所へと向かいました。

雄大なニライカナイ橋を2度上りました

 さて、午後にはいよいよ沖縄サイクリングです! 景色が良いところまで車で送ってもらい、走り出しました。

途中で雨に降られたものの、レインウェアを着て濡れるのを防げば、寒さは感じません。ペースを上げないでのんびり走る楽しさを味わえました途中で雨に降られたものの、レインウェアを着て濡れるのを防げば、寒さは感じません。ペースを上げないでのんびり走る楽しさを味わえました

 久しぶりのライドだったせいか、最初は思うように体が動かず焦りも感じたけれど、その分、ペースを上げないでのんびり走る楽しさを味わえました。途中で雨に降られたものの、レインウェアを着て濡れるのを防げば、寒さは感じません。むしろ、火照ったカラダには心地いいくらい。

 次第に体がうまく使えるようになってきた頃、山側に大きな橋が見えてきました。あれが有名なニライカナイ橋か! 橋の銘板によると、どうやらニライ橋とカナイ橋が合わさって、その名になったそうです。

雄大なニライカナイ橋雄大なニライカナイ橋

 緩い上り坂になっている橋を走り続けると、頂上付近にトンネルがあり、そのトンネルの上が展望台。海を一望できる大パノラマに圧倒されました。でも地元の方がおっしゃるには、「本当はこんなものじゃないんだ、天気がいい時にもう一回見に来て!」

ニライカナイ橋の撮影で“リテイク”。2度目の上りです、ちゃんと撮ってね!ニライカナイ橋の撮影で“リテイク”。2度目の上りです、ちゃんと撮ってね!

 今回の取材では、様々なところで地元の方のお話を聞く機会があり、誰もが沖縄の魅力を誇らしげに語ってくれたことが印象的でした。それぞれお気に入りの観光スポットがあり、まるで沖縄のプレゼンテーションを聞いているかのよう。

 さて次は…と地図を広げていると、編集部Y氏から言いにくそうにたずねられました。「日向さんが走っている姿を、今度は上からとらえたいのですが…」

 こんなに素晴らしい景色をもう1回見られるなら…。リクエストにお応えして再び橋を下れば、海を越え、むこうの島までビューーーン!と飛んでいけちゃうんじゃないか思うくらいの爽快感!

 「ヒルクライムの後、下りなんてなきゃいいのに」が口癖の私ですらそう感じるのだから、よっぽど気持ちのよい場所なのです。

 ハアハア言いながら再びニライカナイ橋を上り、Y氏と合流。撮影はバッチリうまくいったようです。

「ぜんざい」なのに…まさかの“かき氷”

 その先はしばらく、海と森と昔ながらの建物を眺めつつ、ゆるやかに走り続ける区間。国際通りのような繁華街とは違った、どこか懐かしい空気を楽しんでいると、“八風畑”(やふうばたけ)の看板が見えてきました。

カフェへの入口には、なぜか自転車のオブジェがカフェへの入口には、なぜか自転車のオブジェが

 今回の取材のお話をいただいてから、沖縄に詳しい人におすすめスポットをリサーチすると、必ずと言っていいほど出てきたカフェの名前です。どんなに素晴らしいお店なのだろう、と胸を高鳴らせて敷地へ入ると、サトウキビ畑と…えっ、コンテナ!?

 建物のワイルドな外観に少々度肝を抜かれながら進むと、その先には黒糖工房。残念ながら製造見学の日ではなかったけれど、職人さんが温かく迎えてくださいました。

八風畑と書いて「やふうばたけ」八風畑と書いて「やふうばたけ」
自転車置き場もあります自転車置き場もあります
黒糖工房黒糖工房

 黒糖工房を過ぎると、ようやくカフェのエリアです。「オーダーを取りに来るのが大変だろうな」と心配になっちゃうくらい広々とした敷地に、小屋とテラス席。雨が降っていたので少し悩んだけれど、太平洋を一望できるテラス席を見た瞬間、「ココしかないね!」とY氏の意見も聞かず、席につきました。

「ココしかないね!」と陣取ったオーシャンビューのテラス席「ココしかないね!」と陣取ったオーシャンビューのテラス席
緑豊かな八風畑の敷地緑豊かな八風畑の敷地
豊かな自然の中にテーブル席が点在しています豊かな自然の中にテーブル席が点在しています
雨とはいえ見晴らしはよく、気分爽快雨とはいえ見晴らしはよく、気分爽快!

 注文したのは、これまた誰からも「沖縄のぜんざいを味わってきて」と勧められた、黒糖ぜんざい。

 ぜんざいといえば、小豆を砂糖で甘く煮て、その中に餅や白玉団子、栗の甘露煮などを入れたものが思い浮かびますが…運ばれてきたのは、どこをどう見ても“かき氷”。あっけにとられていると、沖縄のぜんざいは氷菓なのだと教えられました。

 「いくら11月でも寒くないからって、かき氷はちょっと…」と困惑しつつ、とりあえずチャレンジするのが私のいいところ(?)です。

「黒糖ぜんざい」の見た目は“かき氷”そのもの!「黒糖ぜんざい」の見た目は“かき氷”そのもの!
氷の中から現れたのは、金時豆を用いて作られた温かい汁粉でした氷の中から現れたのは、金時豆を用いて作られた温かい汁粉でした

 むむむっ!

 かき氷の下には、大きめの豆(金時豆を使用しているそうです)で作られた温かい汁粉が。口から鼻にかけて黒糖の味と香りが一気に広がるのですが、もちもちとした押し麦と氷によって甘みが中和され、豊かな大人の味になっています。

 景色のよい“ロケカフェ”というだけにとどまらない本格的な味に、「誰もがオススメするわけだ」と納得しました。

冷たい黒糖ぜんざいを食べたあとは、温かい月桃茶をいただきました冷たい黒糖ぜんざいを食べたあとは、温かい月桃茶をいただきました

 そして、温かい月桃(げっとう)茶が私の心を和ませてくれます。走っていると、時々どこからか香ってきたのは、これかぁ…。後日、東京に戻ってからネット通販で購入したほどのお気に入りです。

 その購入時に知ったのですが、月桃茶には赤ワインの約34倍ものポリフェノールが含まれていて、アンチエイジング、アレルギーの改善、ガンや生活習慣病の改善などに効果が期待できるそうです。しかも、ノンカフェインなので妊婦さんにも安心です。

 黒糖ぜんざいだって、天然のサトウキビから作られる黒糖はカルシウム・鉄・カリウムなどのミネラル、スタミナアップに必要なビタミンB群も含まれているので、補給にちょうどいいかもしれません。(たまたまだけど)ナイス、私!

ライドもグルメも日没まで満喫!

 自分で自分を褒めてあげたところで、次に向かったのは奥武島(おうじま)です。

短い橋を渡れば、そこは奥武島です短い橋を渡れば、そこは奥武島です

 奥武島という名前の島は沖縄にいくつかあるそうですが、沖縄本島南端付近の玉城にある奥武島は、那覇からも近く、本島と100mほどの橋で結ばれているのが特徴です。周囲1.6kmという小さな島で、自転車だけでなく徒歩でもまわれることもあって、観光客に人気のスポットになっています。

 私たちが訪れた時は、雨のせいか人出は少なかったのですが、天気が良い日は、橋を渡ってすぐの鮮魚店に行列が出来るそうです。ところが、この日は臨時休業。この店で売られているもずくの天ぷらは、“沖縄で食べるべきグルメのひとつ”と教えてもらっていただけに、ガッカリ。

 大体、もずくを天ぷらにするなんて想像がつかない。どんなものか知りたかったなぁ…。

 明らかにテンションが下がった状態で島をサイクリングしていると、こんどは“天ぷら”ののぼり旗が目に飛び込んできました。

ガッカリしていたところで…「てんぷら店」見つけました!ガッカリしていたところで…「てんぷら店」見つけました!

 自転車を停めて近づくと、海の家のような白い建物に「大城てんぷら店」と書いてあります。メニューはもずく以外にも、さかな・いか・やさい・いも・カニカマチーズなど。さらに“うむにー”や“アーサ”など、謎めいた名前のものまで。値段は全て60円。安い!

 しかも、出てきた天ぷらは顔より大きなサイズ! でも、熱々の揚げたては油っこくなく、あっという間に完食しました。

 気がつけば猫に囲まれていたけれど、私が食べ終えたのを確認したら、そそくさとどこかへ行ってしまいました。現金だな~(笑)

初挑戦「もずく」のてんぷら初挑戦「もずく」のてんぷら
沖縄のネコと戯れました沖縄のネコと戯れました

 その後も、ギリギリまで沖縄サイクリングを楽しみ、日没になったところでお迎えに来てもらいました。

 今回立ち寄ったところ以外にも、“ひなたアンテナ”が反応しつつ、時間がなくて行けなかったところはいくつもありました。それは、いつかの楽しみにとっておくとして…。

 さて、明日はどこへ行こう? スタート地点と大まかなルートは決まっていますが、少し応用をきかせてもいいらしい。観光、グルメ、本格トレーニング…調べ始めるとキリがない! どうやら沖縄は、いろんな楽しみ方が出来るようです。

(レポート 日向涼子) 

<後編>コースを延長して古宇利島の絶景をライド!

 

日向 涼子 日向 涼子(ひなた・りょうこ)

企業広告を中心に活動するモデル。食への関心が高く、アスリートフードマイスター・食生活アドバイザー・フードアナリストの資格を持つ。2010年よりロードバイクに親しみ、ヒルクライム大会やロードレース、サイクリングイベントへ多数出場。自転車雑誌「ファンライド」で『銀輪レディの素』を連載中。ブログ『自転車でシャンパンファイトへの道』( http://ameblo.jp/champagne-hinata/ )

 

■今回の走行ルート
南風原町~(国道329号線)~与那原~(国道331号線)~『知念岬』~吉冨~(県道86号線)~『ニライカナイ橋』~『八風畑』~垣花~(県道137号線)~(国道331号線)~奥武入口~『奥武島』~奥武入口~(国道331号線)~『平和祈念公園』~米須~(県道7号線)~賀数(北)~(県道82号線)~南風原町

ルートを拡大して見る

■スポーツアイランド沖縄を目指して シンポジウム開催

那覇市で11月13日(水)に開かれたシンポジウム「アジア・世界に開かれたスポーツアイランド沖縄の実現を目指して~スポーツコミッション沖縄(仮称)設立に向けて~」

 沖縄県は、シンポジウム「アジア・世界に開かれたスポーツアイランド沖縄の実現を目指して~スポーツコミッション沖縄(仮称)設立に向けて~」を11月13日(水)に那覇市で開催した。
沖縄県は “スポーツアイランド沖縄”の実現を掲げ、スポーツツーリズムを一元的に推進するため、平成27年4月をめどに「スポーツコミッション沖縄(仮称)」の設立を目指している。シンポジウムでは、沖縄観光コンベンションビューロー内に「設立準備事務局」を設置すると発表した。
また、シドニー五輪の女子マラソン金メダリスト、高橋尚子さんが、沖縄でのスポーツ環境をテーマにトークセッションを行い、「冬でも暖かいので、一年を通じてスポーツを楽しめます。また美しい自然や、国際通りなどの楽しい街があり、気分転換に最適。気持ちのオンオフはスポーツ選手にとってとても大切なことなので、沖縄はスポーツにもってこいの場所ですね」などとアピールした。

<取材協力:沖縄県>

 

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