チラシの効果薄く“力業”で防犯訴え無施錠の自転車を調査員がロック 滋賀県警が盗難被害を防ぐ取り組みスタート

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 多発する自転車の盗難被害を減らそうと、滋賀県警は2日、鍵のかかっていない自転車にロックをかけ、解錠の際に持ち主に注意を促すという取り組みを草津市の商業施設で始めた。無施錠の自転車利用者に防犯意識を高めてもらい、被害を減らすのがねらい。「強制的に施錠するのはいかがなものか」などの声も上がったが、県警は「『盗まれずに済んでよかった』と思い直し、施錠を習慣づけるきっかけにして」と呼びかけている。 (産経新聞大津支局 海住真之)

盗まれた自転車の約7割は無施錠

無施錠の自転車にU字ロックをかける自転車調査員 =草津市の「エイスクエア」無施錠の自転車にU字ロックをかける自転車調査員 =草津市の「エイスクエア」

 滋賀県警生活安全企画課によると、県内の自転車盗難被害は、平成13年の6038件をピークに減少の傾向だったが、3年前から再び増加に転じている。今年に入り先月末までに届け出があった自転車の盗難被害は、前年同期より99件多い3117件で、人口当たりの被害件数は全国ワースト8。盗まれた自転車の約7割は無施錠だったという。

 このため、県警は9月から、自転車の施錠を呼びかける「ロックでガード大作戦」を展開し、今回の取り組みはその一環。チラシ配りなどの啓発活動では被害の増加に歯止めがかからないことから、無施錠の自転車利用者に「力業(ちからわざ)」で訴えかけることにした。

 今回始めた取り組みは、以下の通り。

◇県警に委託された民間の警備員が「自転車調査員」として駐輪場を見回り、無施錠の自転車に「U字ロック」をかける
◇ロックされた自転車の所有者は、調査員に声をかけたり所定の連絡先に電話をかけたりして解錠を申し出る
◇調査員は所有者に対し、施錠しなかった理由やロックされたことへの感想などを尋ね、今後は施錠するよう呼びかける

 同課は、自転車盗難件数が県全体の4分の1を占める草津署管内でこの取り組みを試みることにし、千台分の駐輪場がある商業施設「エイスクエア」の協力を得た。自転車利用者らの反応をみるため、来年3月まで試行を続ける。

県警「無施錠の人を困らせるつもりはない」

 試行初日のこの日は、午前9時半から、調査員が無施錠の自転車に次々とU字ロックをかけていった。解錠を申し出る所有者の中には「次からは施錠します」と反省の言葉を口にする人もいたという。しかし、調査員は「知らない間にロックされて腹を立てる人がいないかなど、不安な面もある」と話していた。

 この新たな取り組みに対し、商業施設の利用者から賛否の声が上がった。自転車に施錠をしていた女性(43)は「インパクトのある試み。チラシより効果は大きいと思う」との印象。一方、時々自転車で訪れるという男性(63)は「鍵をかけるかどうかは自己責任の問題。勝手にロックされるのは気分がよくない。悪いのは盗む人なのに…」と不満を口にした。

 滋賀県警は、効果があるなどと判断できれば、他の店舗や公共施設など県内各地に実施場所を広げる方針。同課の村上隆管理官は「決して無施錠の人を困らせるつもりはない。施錠が習慣づけられれば、自転車の盗難被害は減少するはずだ」と理解を求めている。

産経新聞・滋賀版より)

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