工具はともだち<34>恐ろしくて使えない? ラチェットハンドルに漆加工を施した“鑑賞用美術工具”誕生

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 すっかり肌寒くなってきましたね。サイクルモードウィークを迎えたサイクリストの皆さんにとっては、2014年モデルが非常に気になることでしょう。

 さて、自動車のニューモデルや次世代モデルが発表される「東京モーターショー」(11月23日~12月1日)を間近に控え、メンテナンスという切り口から自動車業界をお手伝いしている工具メーカーもスタッフ一同、新製品発表に向けて日々駆け回っています。

 そこで、トルク管理の新商品をご紹介すると予告していましたが、今回は予定を変更して「展示」つながりのホットな情報をご紹介させていただこうと思います。

ネプロス 漆ラチェットハンドルネプロス 漆ラチェットハンドル

 サイクルモードなどの展示会で発表・展示されるモデルは、実際に販売されるものもあれば、観賞用として出品されるだけのものもあります。自転車で例えるなら、レースで○○選手が使用したバイクや、一品モノのフレーム・コンポーネントで作られたオリジナル仕様のバイクなど。そういったものは、ユーザーが日常利用することはできません。

 ですが、観ているだけでもわくわくし、満足できるモノは、世の中にはたくさん存在していますよね。男性からすると、奥様や彼女に叱られるかも知れませんが、雑誌に出てくるプロのモデルさんとか…。

 それを工具にも、ということで、これまでは観て楽しめる製品として鏡面仕上げの工具類を挙げてきました。しかしながら、それだけでは、ものづくりの企業として不満が残るところです。

 そこで、皆さんにお披露目できる絶好のタイミングを逃してはいけないと、満を持して(?)作ってしまいました。それは、“鑑賞用美術工具”! 前回ご紹介しました、「グッドデザイン賞」受賞商品である「ネプロスラチェットハンドル NBR390」をベースに、グリップ部(握り部分)に漆加工を施したものです。

左から柳、流紋唐草、市松、老亀、瑞雲、源氏車、瀧左から柳、流紋唐草、市松、老亀、瑞雲、源氏車、瀧

 プリント加工やシールを貼っただけではない、ホンモノのものづくりを実現すべく、京都の漆工芸「佐藤喜代松商店」と共同開発しました。柳(やなぎ)、流紋唐草(りゅうもんからくさ)、市松(いちまつ)、老亀(ろうき)、瑞雲(ずいうん)、源氏車(げんじぐるま)、瀧(たき)という全7種類をラインナップ。「金蒔絵」「高蒔絵」「蒔絵と螺鈿」など、漆工芸のさまざまな伝統的技法を織り交ぜています。

 長年、工具を使ってきた私ですが、この商品は正直申し上げて、恐ろしくて使えない、まさに「鑑賞用」です。とはいえ、工具(ラチェットレンチ)としての機能は従来品同様に備えていますので、ボルト・ナットを確実に締め付けていただけます。

 事前の市場調査結果では、特に海外の方々から非常に高い評価を得ており、「東京モーターショー」で展示させていただく予定です。ひそかに、来年にはツール・ド・フランスなどの海外レースで、メカニックの方に持っていただけることを期待しているのですが、果たして実現するのか。楽しみにしてくださいね。

 次回こそ、トルク管理のニューアイテム「デジラチェ ドライバータイプ」のお話をさせていただきます!

小池覚(こいけ・さとる)
KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。


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