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つれづれイタリア~ノ<14>「愛してる、結婚しましょう…自転車で!」 イタリアで動き出した“自転車結婚”事情

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 人生の一大イベント、結婚。結婚を機にそれまでの生活スタイルが一変する人がほとんどです。また、子どもが生まれると家族を優先し、自転車中心の生活を休ませざるをえない人も少なくありません。

 最近イタリアでは、自転車を愛するあまり、自転車が結婚式でも大きな役割を果たすことがあります。特に2012年ごろからは、自転車を使って結婚式を行う動きが全国的に見られていますよ。

イタリアの結婚式スタイル

プロトンを中央分離帯で迎える新郎新婦(ジロ・デ・イタリア2008)プロトンを中央分離帯で迎える新郎新婦(ジロ・デ・イタリア2008)

 イタリアでは5月と6月は結婚のベストシーズンです。気候がよく、清々しい気持ちになります。イタリア人のほとんどは神父のいるカソリック教会で結婚式を挙げています。場所は一般的に、新婦新郎が住む地域の教会が選ばれます。

 新婦新郎にプライバシーがありません。命に係わることがない限り、結婚する8日前から教会の入り口と市役所に結婚の告知が公開されるからです。

 通常通りのミサの最中に結婚の儀式が行われます。指輪が交換され、キスが交わされ、結婚証明書にサインを記してから、終了。協会の出口では、お祝いのお米が新婦新郎に投げられ、最後に教会の前で記念撮影が行われます。

 ミサには地域の人も自由に入ることができ、誰でも参加が可能です。ただし、記念写真の参加はNGです。

チポッリーニも飛び入り参加の“自転車結婚”

 式場からパーティー会場までの移動、ここで自転車が登場します。

モーターバイクに見立てた自転車に乗る新婦を押して披露宴会場へ移動モーターバイクに見立てた自転車に乗る新婦を押して披露宴会場へ移動

 結婚の儀式の後は「結婚披露宴」が行われ、招待客は一斉に移動します。これまでの一般的な移動手段は車でした。お花と白いリボンで着飾った車たちが列をつくり、教会から会場までクラクションをずっと鳴らし、若い夫婦を祝います。大騒ぎを聞きつけた沿道の人々は、家を出て新婦新郎に暖かい祝福を送ります。

 ところが最近は、エコブーム、スポーツブームに加え1Lが2ユーロ(約266円!!)を超すガソリン高とあって、自然に優しい生活を重視する人が増加。新婦新郎の教会や宴会会場への移動にはクラシックカーが使われてきましたが、プロ選手ではなくても車の代わりに自転車で登場といった方法が選ばれています。

 昨年は、イタリア各地でそういった“自転車結婚”が話題になりました。ローマ、ベルガモ、ヴェローナ、サッサリ…各都市で次々と行われ、イタリアの報道機関も注目し始めました。

“両手に花”が似合うチポッリーニ(2003年)“両手に花”が似合うチポッリーニ(2003年)

 特に2012年9月にヴェローナ市で行われた結婚式へ、地元で行われたサイクリングイベントに参加していたマリオ・チポッリーニが自転車に乗って飛び入り参加した際には大きな話題になりました。若いカップルと招待客らは、ジュリエットの家まで自転車のベルを鳴らしながらパレードを行い、それに自転車愛好家で知られているフラヴィオ・トーズィ、ヴェローナ市長も自転車で参加をしました。この様子は全国のニュースで放映されました。

 自転車で移動した先のパーティー会場は、きれいなレストランか歴史ある屋敷になります。貸し切られ、午後から真夜中まで食べて踊って、また食べて踊って、盛大に祝います。大盛りの前菜、パスタ2~3品、肉料理2~3品、デザート、そしてワイン。死ぬほど食べます。

 なお、ケーキカットとスピーチはありますが、キャンドルサービスや花嫁のお色直しはありません。2次会も3次会もありません。大騒ぎは1日で終わります。

自転車結婚の注意点

 自転車で結婚会場に向かう場合は、様々なことに注意しなければなりません。花嫁の衣裳は特に重要です。チェーンに絡まないようにパンタロン系がおすすめ。ヴェールなどは畳んで、籠に入れるのが無難です。汗ふきシートも必需品ですね。

 宴会会場までの距離も重要です。なるべく徒歩で行ける場所を選んだほうがいいでしょう。雨が降ってしまった際にも衣装が濡れずに済みます。さらにお祝いの席ですから、お酒が入っていることも。招待客のために送迎バスを用意することも大切です。

 そしてもちろん、新郎新婦2人が同意の上で行う点がもっとも重要です。花嫁がそれに反対なら、男は負けです。

 雨の多い日本で、自転車結婚式は実現するでしょうか? 車輪違いですが、人力車を使っても楽しいかもしれませんね。

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)
イタリア語講師。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会で、自転車にまつわるイタリア語講座「In Bici」(インビーチ)を担当する。サイクルジャージブランド「カペルミュール」のモデルや、Jスポーツへ「ジロ・デ・イタリア」の情報提供なども行なう。東京都在住。ブログ「チクリスタ・イン・ジャッポーネ

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