さいたまクリテリウム by ツールドフランス役者揃いのクリテリウムはフルームが勝利 ロードレースの魅力と迫力を20万人が堪能

  • 一覧

 世界最高峰の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」の興奮と感動を日本で再現する「さいたまクリテリウム by ツールドフランス」が26日、さいたま新都心中心部の特設コースで行われた。メーンのクリテリウムレースでは、ツール総合勝者の証であるマイヨジョーヌを着用して臨んだクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)が優勝し、初代チャンピオンに輝いた。


表彰式で花束を掲げるフルーム(中央)、サガン(左)、コスタ (撮影・米山一輝)表彰式で花束を掲げるフルーム(中央)、サガン(左)、コスタ (撮影・米山一輝)

 台風27号の影響で中止も危ぶまれる中、大会本部はレースの開催を決定。コースでは午前に予定されていた一般体験走行や、選手によるオープニング走行を行わず、レースのみが実施された。

ポイントレースはともに日本人選手が優勝

 メーンレースに先だって、参加選手をゼッケン番号の偶数と奇数で2組に分け、短い8周回でのポイントレースが行なわれた。途中2・4・6周目のフィニッシュラインの通過順に1着から5点、5着の1点までのポイントが与えられ、最後8周目のゴールではさらに倍のポイントが与えられる。ゴール着順ではなくポイントの合計点を争う形のレースだ。

ポイントレース第2組で逃げを見せた2選手ポイントレース第2組で逃げを見せた2選手

 13時05分にスタートした1組目は、日本人選手が積極的に逃げる展開の中、別府史之(オリカ・グリーンエッジ)が1着でゴール。中盤でも逃げに乗りポイントを稼いだ別府だったが、同じく途中積極的にポイントを重ねた畑中勇介(シマノレーシング)が3着でゴールし、ポイントの合計で畑中が優勝となった。

 フルーム、サガンなど有力選手が多く臨んだ2組目は、スタート直後から中島康晴(愛三工業レーシングチーム)、内間康平(チームNIPPO・デローザ)が2人で抜け出す展開。終盤に2人が捕まった後、アルチュール・ヴィショ(フランス、FDJ.FR)やルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)、フルームらが抜け出し、フランスチャンピオンのヴィショが先頭でゴールしたものの、途中ポイントを重ねた中島が優勝した。

クリテリウム第1組を制した畑中勇介クリテリウム第1組を制した畑中勇介
クリテリウム第2組を制した中島康晴。応援のファンとクリテリウム第2組を制した中島康晴。応援のファンと

最終周に飛び出したマイヨジョーヌ フルームが劇的勝利

折り返し地点を通過するプロトン折り返し地点を通過するプロトン

 大会のフィナーレを飾るクリテリウムメインレースは、15時に競技開始。2.7kmの周回コースを20周する54kmで争われた。

 レースは1周のパレード走行を経て、本スタート。早くから日本人選手が先行し、ハイペースの序盤となったが、スタートから4kmでゲラント・トーマス(イギリス、スカイ プロサイクリング)、ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)、マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)、清水都貴(チームブリヂストンアンカー)、吉田隼人(シマノレーシング)、西薗良太(チャンピオンシステム プロサイクリング)、池部壮太(マトリックスパワータグ)、小室雅成(イナーメ信濃山形)の8人が逃げ集団を形成した。

 4周ごとに上位5人に与えられるスプリントポイントは、日本人選手が競り合う形。最初のポイントは池部がトップ通過し5ポイントを獲得した。メーン集団は逃げを容認する形となったが、残り40kmでメーン集団から飛び出したのは、この日が現役最後のレースとなる福島晋一(チームNIPPO・デローザ)。信条とする熱い走りを日本のファンに披露した。

最初のポイント周回を獲得した池部壮太(先頭)最初のポイント周回を獲得した池部壮太(先頭)
レース中盤、単独で先頭集団を追った福島晋一。これが引退レースとなったレース中盤、単独で先頭集団を追った福島晋一。これが引退レースとなった

 レース中盤、メーン集団のペースが上がり、残り34kmで早々と逃げを吸収。別府やコスタ、西薗、ヴィショらを含む7人の集団が、新たに先行を開始した。直後の2回目のスプリントポイントを別府がトップで通過。メーン集団からは福島が再びアタックし、単独で逃げ集団を目指す。

 14周目に設けられた山岳賞、16周目に設けられたスプリントポイントでは、ともに別府と西薗が激しく争うが、スプリント力に勝る別府がいずれもトップ通過。また、単独追走していた福島が逃げ集団に追いつき、すぐさま自ら牽引するシーンが見られると、沿道の観客からは大きな歓声が上がった。

レース後半、単独逃げを敢行する別府レース後半、単独逃げを敢行する別府

 しかし、逃げ集団内で牽制が起こったことで、ペースを上げたメーン集団に吸収されてしまう。直後に再び10人強が先行し、別府は再び逃げに乗る走りを見せる。レースは残り約15kmを迎え、メーン集団はアルゴス・シマノがコントロールを開始した。

 残り14km、逃げ集団から単独飛び出したのは別府。1周近くを逃げ続けて吸収されたものの、4回目のスプリントポイントは死守し、ポイント賞を確定させた。

 残り10kmを切ると、逃げ切りを試みる選手たちが次々とアタックを繰り出す。残り5kmではコスタ、クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)、ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)の“ビッグ3”が飛び出しレースを大いに盛り上げる。

終盤で逃げた(前から)サガン、フルーム、コスタ終盤で逃げた(前から)サガン、フルーム、コスタ

 いよいよラスト1周となっても、3選手は協調して逃げ続ける。メーン集団はアルゴス・シマノが主に牽引するものの3選手との差は広がる一方。そして残り1kmで強烈なアタック見せたのはフルーム。牽制する2選手をよそに、自慢の独走力を発揮。最後は満面の笑みを見せて、ガッツポーズでゴールラインを通過した。

 長かったシーズンを締めくくるべく来日した選手たちは、数々のイベントをこなしながらこの日のレースに臨んだ。前日には「腰の怪我が癒え、ようやくトレーニングを再開したばかり」と語っていたフルームだったが、大歓声の中で元気な走りを披露。来シーズンに期待を持たせる快走を見せた。

フルームが独走で優勝フルームが独走で優勝
2位争いはサガンに軍配2位争いはサガンに軍配

 サガンとコスタによる2位争いは、サガンに軍配。レース後には、ジャパンカップ前からの長期の日本滞在を楽しんでようで、「ベリーハッピー」とのコメントを繰り返した。サガンはヤングライダー賞を、コスタは山岳賞を獲得。積極的な逃げを見せた別府はポイント賞と敢闘賞を獲得した。

日本人選手の上位3人日本人選手の上位3人

 日本勢では、窪木一茂(マトリックスパワータグ)の5位が最高。自信を持っているスプリントで、並み居る海外勢に挑んだ結果だ。トップ10に5人の日本勢が食い込み、ホストレーサーとしての意地を見せた。

 前日から降り続いた雨は、メーンレースのスタートを前に上がり、夕陽が差す中でのレースに。また、コース周辺を埋め尽くした観客は約20万人を動員し、日本国内での自転車人気やツールへの注目度の高まりを証明する形となった。

(文 福光俊介、米山一輝)

さいたまクリテリウム by ツールドフランス(54.00km)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 1時間17分10秒
2 ぺテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) +7秒
3 ルイ・コスタ(スペイン、モビスター チーム)
4 トム・フィーレルス(オランダ、アルゴス・シマノ) +12秒
5 窪木一茂(マトリックスパワータグ)
6 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
7 小室雅成(イナーメ信濃山形)
8 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
9 吉田隼人(シマノレーシング)
10 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)
11 橋本英也(鹿屋体育大)
12 アルベルト・ティマー(オランダ、アルゴス・シマノ)
13 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール プロサイクリング)
14 福島晋一(NIPPO・デローザ)
15 内間康平(NIPPO・デローザ)
16 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル)
17 西薗良太(チャンピオンシステム)
18 小坂光(那須ブラーゼン)
19 クリスチャン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
20 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
21 畑中勇介(シマノレーシング)
22 佐々木勇輔(早稲田大)
23 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング)
24 ユライ・サガン(スロバキアキャノンデール プロサイクリング)
25 シモン・ゲシュケ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
26 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
27 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム)
28 清水都貴(ブリヂストンアンカー)
29 嶌田義明(チームUKYO)
30 ジュシー・ヴェイッカネン(フィンランド、エフデジ ポワンエフエル)

フォトギャラリー

関連記事

この記事のタグ

さいたまクリテリウム by ツールドフランス

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載