ツール・ド・フランス2014英雄ベルナール・イノー氏が各ステージを解説 さいたま市でも2014年ツールのコース説明会開催

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全ステージのレイアウト全ステージのレイアウト

 「さいたまクリテリウム by ツールドフランス」の開催にあわせて25日夜、ツール・ド・フランスを主催するASO(アモリ・スポル・オルガニザシオン)によるツール2014年大会のコースプレゼンテーションがさいたま市内で行われた。来年のコースは23日にパリで発表されたばかりだが、今回、ツール・ド・フランス総合優勝5回の英雄ベルナール・イノー氏らが来訪したのに合わせ、日本でも改めて各ステージの詳細やコース設定の意図が説明された。


(左から)栗村修・宇都宮ブリッツェン監督、ジャン・フランソワ・ペシュ氏、ベルナール・イノー氏、フローレン・ダバディさん(左から)栗村修・宇都宮ブリッツェン監督、ジャン・フランソワ・ペシュ氏、ベルナール・イノー氏、フローレン・ダバディさん

 

英雄イノー氏が各ステージを解説

 フランス全土を巡るツール・ド・フランスだが、今年はフランス以外の国であるイギリス、ベルギー、スペインも走る。また超級、1級、2級をあわせて25の峠を越える。峠の数は2013年よりも3つ少ない。選手たちは21ステージで計3650kmを走り抜けることになる。

英雄ベルナール・イノー氏(中央)英雄ベルナール・イノー氏(中央)

 この日のプレゼンテーションに登場したイノー氏は現役時代、1978年から85年の間にツール・ド・フランス総合優勝を5回成し遂げたほか、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャ、世界選手権など主要レースで何度も優勝した伝説的なレーサー。現在はASOの渉外担当を務め、コースディレクターのジャン・フランソワ・ペシュ氏とともにコース設計にあたっているキーパーソンだ。以下、各ステージに対するイノー氏のコメントを紹介する。

■第1ステージ 7月5日 リーズ~ハロゲート 191km
「最初のステージはスプリンターに有利といえるでしょう」

■第2ステージ 7月6日 ヨーク~シェフィールド(中級山岳ステージ) 198km

「かなりアップダウンが激しいコース。リエージュ~バストーニュ~リエージュを思わせるコース」

■第3ステージ 7月7日 ケンブリッジ~ランデル 159km

「スプリンターに有利なステージ。数年前にロンドンで行われた時もそうでしたが、大観衆が迎えてくれるでしょう」

■第4ステージ 7月8日 ル・トゥケ・パリ・プラージュ~リール 164km

「平坦で、スプリンターにとって有利なステージですが、海が近いことから風に油断してはなりません」

■第5ステージ 7月9日 イープル(ベルギー)~アーレンベルグ・ポルト・ドゥ・エノー(石畳ステージ) 156km

「9つのパヴェ(石畳)のセクターからなり、パヴェを15kmを走ることになる。2つの最も長いパヴェが終盤に待ち構えている。強い男のためのステージです」

■第6ステージ 7月10日 アラス~ランス 194km

「南下する平坦な道のり。美しい沿岸地域を走ることになります。風もあるエリアです。選手が風に苦しむ中、私たちはゆっくりとシャンパンを飲みます」

■第7ステージ 7月11日 エペルネー~ナンシー 233km

「終盤10Kmに、かなりしっかりとしたアップダウンがあるので、パンチャーが実力を発揮できる部分ですね」

■第8ステージ 7月12日 トンブレンヌ~ジェラールメ・ラ・モスレーヌ(山岳頂上ゴール) 161km

「このジェラールメールを頂上ゴールとするレースに私も参加したことがある。とても厳しいコースで、クライマーが実力を発揮するステージです」

■第9ステージ 7月13日 ジェラールメ~ミュルーズ 166km

「かなり厳しいアップダウンが続く。熱気にあふれた、つわものたちが集うコースです」

■第10ステージ 7月14日 ミュルーズ~ラ・プランシェ・デ・ベル・フィル(山岳頂上ゴール) 161km

「かなり見事な、美しい峠が待ち構えています。私もこのステージは体験しているが、この最後の峠はかなりタフな上りです」

■第11ステージ 7月16日 ブザンソン~オヨナ 186km

「これはアタッカー向きですね。ここでは大きく他の選手と差をつけている選手が有利になっているコースです」

■第12ステージ 7月17日 ブール・ガン・ブレス~サンテティエンヌ 183km

「かなりフラットなので、スプリンターにはラッキーですね。ここで実力を生かしたいところです」

■第13ステージ 7月18日 サンテティエンヌ~シャムルース(山岳頂上ゴール) 200km

「必ずしもすべての峠や丘が厳しいわけではないが。最後の山頂は標高1730mに至ります。久しぶりのシャルムース。ここしばらくはご無沙汰していましたが、来年はシャルムースに戻ります」

■第14ステージ 7月19日 グルノーブル~リゾル(山岳頂上ゴール) 177km

「見事な峠が連なっている。リゾワール峠はもっとも厳しい峠として知られている。キンタナが実力のある選手だと頭角を現した場所でもあります」

■第15ステージ 7月20日 タリアール~ニーム 222km

「長いステージになります。やはりスプリンター有利のコースです」

■第16ステージ 7月22日 カルカソンヌ~バニエール・ド・リュション(山岳ステージ) 237km

「もっとも困難な峠になるのが、ゴールまで15km地点に待ち構えている最後の難関です」

■第17ステージ 7月23日 サン・ゴーダンス~サン・ラリ・スラン・プラ・ダデ(山岳頂上ゴール) 125km

「ピレネー山脈の中でも最も標高の高い峠が連なっている。距離は短いが密度が濃い。上りが合計で40kmもの登坂が続く。真のクライマーが実力を発揮します」

■第18ステージ 7月24日 ポー~オータカム(山岳頂上ゴール) 145km

「2番目に標高が高いツールマレー峠。頂上まで上ると、下りがとても速い。あっという間にオタカム。そしてオタカムも勾配率の高い上りになっている」

■第19ステージ 7月25日 モブルゲ・ペイ・ドゥ・ヴァル・ダドゥール~ベルジュラック 208km
「無事にアルプス、ピレネー山脈を生き残った選手たち(スプリンター)は、ここで存分に力を発揮できるでしょう。本当に平坦なコースです」

■第20ステージ 7月26日 ベルジュラック~ペリグー(個人タイムトライアル) 54km

「54kmは大変長い。タイムトライアルスペシャリストのために設計されたコース。まだまだ総合優勝がこの日が終わるまでわからないというステージでもあります」

■第21ステージ 7月27日 エヴリー~パリ・シャンゼリゼ 136km

「ずっと昔から、ここはスプリンターのひのき舞台です」


Parcours 2014 en 3D / The 2014 route in 3D 投稿者 tourdefrance

「石畳は他の総合優勝候補に大差をつけるチャンス」

 今回、大会の出発点「グランデパール」をイギリスに設定したことについて、コースディレクターのペシュ氏は「以前にもイギリスでグランデパールを経験していますが、大歓迎を受けました。ここ数年間で、イギリスでの自転車競技に対する熱は大変高まっている。過去2年連続で総合優勝者はイギリスの選手。もともとトラック競技が強いが、いまはロードレースが大変な人気」と説明した。

コースディレクターのジャン・フランソワ・ペシュ氏(右)とベルナール・イノー氏コースディレクターのジャン・フランソワ・ペシュ氏(右)とベルナール・イノー氏

 ペシュ氏によると、ツールのコース設計にあたっては毎年、目新しさを入れるようにしているという。今大会では、第2ステージにリエージュ~バストーニュ~リエージュを髣髴させるような、延々とアップダウンが繰り返される厳しいルートを見つけたことが面白い設定なのだそうだ。

 ツールのコース設計全般について、ペシュ氏は以下のように解説してくれた。

 「2014年のコースは、2012年の段階でほぼ完成しています。ツールの決め手になるのはグランデパールなんです。後半にはアルプス、ピレネー山脈が続きますが、フランスの全地方を均等に巡って皆さんに観光していただけるように、3、4年での回遊を想定しています。21ステージ、合計3500kmとも決められています。これだけの条件をクリアしなければならない、まるでパズルを組み立てるようですね。たくさんの市町村や県が候補地として立候補し、毎年250の都市の中から選びます。最終的にレースのスタート・ゴール地点に選ばれるのは約30都市です」
 
また、コース設計の段階で、活躍する選手を想定しているかどうかという栗村監督の問いに対し、ペシュ氏は「このステージ、こういうコースだとフルームが有利、ここではサガンが有利…と脳裏をよぎることはありますが、どんな選手が台頭してくるかは私たちにも未知数」と回答。ツール全体では、スプリンター、スピードマン、クライマーと誰もが活躍できるコースとなっており、ペシュ氏は「この人のため、ではなく、全選手のために作られるのです」と説明した。

 さらに、栗村監督はイノー氏に対し、「もしチャンピオンとして2014年のツールに出たとすれば、どこでアシスト陣を使って総攻撃を仕掛けますか?」と質問。

 イノー氏は「もう石畳(第5ステージ)から攻撃します。アタックします。すでに石畳の経験があって、きちんと自転車をコントロールできれば、他の優勝候補に大差をつけるチャンスなんです」と即答した。

 続けて「最後のTTも大変重要ですね。山岳地帯では絶対に遅れをとってはならないこともポイントです。山岳ステージでアタックをかけられれば、さらにいいですね」と戦略を披露した。

 

新城「来年、ツールで1勝したい」

 最後に、会場に姿を見せた有力選手が1人ずつ、2014年のツールに向けて抱負を語った。

 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 「ディフェンディングチャンピオンとして来年のツールを母国からスタートできることを大変光栄に思っている。プロの自転車競技者にとって、ツールは最大の目標であるべきだと思っている。自分自身、(2014年は)ツールをハイライトとして、マイヨジョーヌを目指して頑張っていきたい」

 ぺテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 「ツール・ド・フランスは何が起こってもおかしくない。新しいコースが有利に働くことも、そうでないこともある。緊張をもって臨みたい。2014年も私はマイヨヴェール(ポイント賞)を狙っていきたい」

 ルイ・コスタ(スペイン、モビスター チーム) 「(移籍するランプレ・メリダで)たぶん私が総合リーダーの責を負う。リーダーとしてがんばりたい。1週目はとてもエキサイティング。石畳はとてもタフなレースとなるが、そのために私たちプロ選手は頑張っている。最後のタイムトライアルは大きな意味を持つ」

 マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ) 「第1ステージがスプリンターにとっていいレースになる。私は2年連続で第1ステージのマイヨジョーヌを狙いたい。日本のファンにも、ツールを走る選手たちを応援してほしい」

 別府史之(オリカ・グリーンエッジ) 「春先のレースから、どうやって戦ってツールを目指していくかも見てほしい」

 新城幸也(チーム ヨーロッパカー) 「来年、もしくは近いうちにツールで1勝したい。それに向けて頑張っていきたい」

 

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