2013 ジャパンカップ・サイクルロードレース「日本でレースができて嬉しい」 ヴォンホフが2011年に続き2勝目 クリテリウム詳報

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 宇都宮の市街地を世界のトップ選手が駆け抜ける「ジャパンカップ・クリテリウム」が19日に開催され、大集団でのゴールスプリントをスティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が制して優勝した。日本期待の別府史之(オリカ・グリーンエッジ)は、日本人最高の5位に入った。

大集団でのスプリントを制したのは、2011年の覇者、ヴォンホフだった大集団でのスプリントを制したのは、2011年の覇者、ヴォンホフだった
『弱虫ペダル』作者の渡辺航さんもパレード走行『弱虫ペダル』作者の渡辺航さんもパレード走行

 JR宇都宮駅から伸びる「大通り」は、ホテルやデパートなどが並ぶ、宇都宮市の目抜き通り。これを上下800m完全封鎖した、1周1.55kmの特設クリテリウムコースを走るスペシャルレースが、ジャパンカップ・クリテリウムだ。市街地でのクリテリウムは今年で4回目で、沿道には幾重もの観衆が隙間なく並び、ハイスピードでの攻防に熱狂する。地元に地域密着型プロ自転車チーム「宇都宮ブリッツェン」を持つなど、自転車レースに力を入れる宇都宮市を象徴するレースだ。

 レース前、まずは3周のパレード走行が行われ、各チームの選手やチームカー、また佐藤栄一宇都宮市長や、漫画『弱虫ペダル』作者の渡辺航さん、ゲストの市民ライダーのグループらが、色とりどりのサイクルウェアーに身を包んでコースを周回。集まった観客からは温かい声援が送られた。

レース前、パレード走行するランプレ・メリダの選手たちレース前、パレード走行するランプレ・メリダの選手たち
地元で絶大な人気を誇る、宇都宮ブリッツェンに観客から声援地元で絶大な人気を誇る、宇都宮ブリッツェンに観客から声援
スタートラインに並んだ選手たち。クネゴ、バッソらが最前列に立つスタートラインに並んだ選手たち。クネゴ、バッソらが最前列に立つ
1周目にアタックを見せた競輪選手の深谷知広1周目にアタックを見せた競輪選手の深谷知広

 パレード終了後、20周・31kmのレースがスタートした。1周目に飛び出したのは、クリテリウム・スペシャルチームで参加する、競輪選手の深谷知広だ。2009年のデビュー後、史上最短記録となる56日でS級に昇格。今年も獲得賞金がすでに1億円を超えているという、競輪界の若きホープだ。前日のチームプレゼンテーションでも「周回トップ通過を狙う」と話しており、有言実行のアタックを見せた。

 持ち前のスピードを生かして飛び出した深谷だが、1周終了まで残り300mで、後方からの追走に捕えられ、周回トップ通過はならず。深谷をかわした3人の追走グループが、そのまま逃げグループになった。中根英登(チームNIPPO・デローザ)、ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、レイディオシャック・レオパード)、チャド・バイヤー(アメリカ、チャンピオンシステム プロサイクリングチーム)の3人は、続く2周目でメーン集団に約15秒の差を付け、まずはレース前半の流れが形作られた。

逃げの3人逃げの3人
メーン集団はヨーロッパプロ勢がコントロールメーン集団はヨーロッパプロ勢がコントロール
本町の折り返しを通過するメーン集団本町の折り返しを通過するメーン集団

 メーン集団は逃げに選手を送り込めていないガーミン・シャープ、スカイ プロサイクリング、オメガファルマ・クイックステップ、サクソ・ティンコフらのプロチームがペースを作るが、積極的に逃げとの差を縮める動きではなく、メーン集団を安定させる動きだ。タイム差は15秒から20秒程度にコントロールされた状態が続いた。

ポート、バッソ、マーティンら豪華メンバーが集団先頭を固めるポート、バッソ、マーティンら豪華メンバーが集団先頭を固める
歩道には観客が幾重にも連なる歩道には観客が幾重にも連なる

 5周ごとに計3回設定されたスプリント賞、まず1回目の5周目を先頭で獲ったのは中根だ。日本人選手の活躍に歓声が上がる。続く2回目と3回目のスプリント賞は、オリヴェイラが獲得。タイムトライアルのスペシャリストであるオリヴェイラが、積極的に逃げのペースを作っている。

逃げから脱落した中根に代わってメーン集団からアタックした福島晋一(チームNIPPO・デローザ)逃げから脱落した中根に代わってメーン集団からアタックした福島晋一(チームNIPPO・デローザ)
レース後半に入り、優勝を狙う別府史之も集団前方に上がるレース後半に入り、優勝を狙う別府史之も集団前方に上がる

 レース半分を過ぎた11周目に、逃げグループからは中根が脱落。一方徐々にアタックが掛かり始めたメーン集団は活性化し、本格的な追撃態勢に入る。残り5周前後を境にタイム差が一気に縮まり、18周目に入ったところで逃げは吸収された。

メーン集団先頭に立った清水都貴(チームブリヂストンアンカー)メーン集団先頭に立った清水都貴(チームブリヂストンアンカー)
スピードの上がった集団が、いよいよ逃げを吸収するスピードの上がった集団が、いよいよ逃げを吸収する

 終盤は国内外の有力チームが、それぞれエースのために位置取りとペースアップを開始。集団先頭は激しく入れ替わり、レースの行方は予想がつかない状態となった。残り1周のコントロールラインは、昨年この大会を制したヤロフワフ・マリチ(ポーランド、クリテリウム・スペシャルチーム)が、同2位の別府を引き連れて先頭で通過。会場のボルテージは最高潮に達した。

 いよいよ大集団でのゴールスプリント。残り100mからの緩い上り坂で、集団中央から勢い良く飛び出したのは、ガーミン・シャープの青いウェアだった。先頭に立ったヴォンホフが、2位のベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイ プロサイクリング)に約半車身の差を付けて、ゴールラインを駆け抜けた。ヴォンホフは2011年にも同クリテリウムで優勝しており、2年ぶりの2勝目となった。

表彰式での上位3人。(左から)2位のアイゼル、優勝のヴォンホフ、3位のトレンティン表彰式での上位3人。(左から)2位のアイゼル、優勝のヴォンホフ、3位のトレンティン
スプリント賞を獲得した(左から)中根とオリヴェイラスプリント賞を獲得した(左から)中根とオリヴェイラ
表彰台3人による喜びのシャンパンファイト表彰台3人による喜びのシャンパンファイト

 午後7時半から市内のオリオンスクエアで開かれたクリテリウムの表彰式では、入賞した3人がジャージ姿で登場し、会場を埋め尽くした観衆から大きな拍手が送られた。

 優勝したヴォンホフは、コースの雰囲気や観客の声援に感動したようで、表彰式では「お客さんが素晴らしい。日本でレースができて嬉しい」と笑顔をみせた。2位のアイゼルも「素晴らしいお客さんだった。また戻ってきたい」と語り、詰め掛けたロードレースファンから喝采を浴びていた。

ジャパンカップ・クリテリウム(31.00km)
1 スティール・ヴォンホフ(ガーミン・シャープ) 42分48秒
2 ベルンハルト・アイゼル(スカイ プロサイクリング) +0秒
3 マッテーオ・トレンティン(オメガファルマ・クイックステップ)
4 ブラッド・チャールズ・ハフ(ジェリーベリー・プレゼンテッドバイケンダ)
5 別府史之(オリカ・グリーンエッジ)
6 マット・ブラマイアー(チャンピオンシステム プロサイクリング)

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(写真 早坂洋祐・文 米山一輝)

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