チーム250kmクラスに編集部が出場グラファイトデザイン「GDRザニア」で走ったフジ55 戦うホビーレーサーを支える安定感

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 「Cyclist」のサイトがオープンした直後の7月1日、編集部員一同で「フジ55」に出場した。編集部チームは55周=250kmのクラスにエントリーした。出るならやっぱり一番長いやつ!ということだったが、実は制限時間の8時間以内に走りきるには、250÷8=31.25km/h以上の平均速度で走らなければならないことが判明。ド平坦のコースならともかく、富士スピードウェイのコースは結構上り下りがきつい。これは何か飛び道具を用意せねばということで、一応エースライダーということになっている筆者のために、今回お借りしてきたのがこちら。

グラファイトデザイン GDR ZANIAH(ザニア)グラファイトデザイン GDR ZANIAH(ザニア)
やや長めのヘッドチューブが、アップライトなポジションを実現するやや長めのヘッドチューブが、アップライトなポジションを実現する

 現地でマシンを受け取り、最初に見たときの印象は「渋い!」だった。極太カーボンが全盛の現在において、割と細身のシルエットはなかなか新鮮。トップチューブのスローピングを抑えてホリゾンタルに近いフレーム形状になっているのも、どこか懐かしい安心感を抱かせる。そしてカラーリングは、カーボン地そのままのブラックに、ごく最低限のグラフィックが施されたもので、とても控えめ。メーカーロゴも小さく、とにかく過度な主張をしないデザインになっている。

 スタート前に作戦会議を行う。出場選手は編集部3人+カメラマンのハヤサカさん+本サイトでコラム連載中のMOCOさんの合計5人。当日は天気が微妙なこともあり、小まめな交代は行わずに、まずそれぞれ1時間前後を走り、残りを筆者とMOCOさんで2回目を走って埋める、というもの。スターターはZANIAHに乗る筆者だ。

久々のレースは…

ZANIAHを駆って疾走(?)する筆者ZANIAHを駆って疾走(?)する筆者

 朝9時にローリングでのスタート。1800人以上がコース上にいるので、まずは集団全体をばらして安全を確保しようという意図か、先頭はなかなかペースが速い。ぶっちゃけキツい。実は元レーサーの筆者……と言っても現場を離れて丸2年。その間まるでトレーニングはしていない。楽に走れるとは露とも思ってはいなかったが、こんなに辛いとは想定の範囲外だ。

 それでも必死で食らいついて、何とか耐える……3周目までは。上りが速い。キツい。も、もーたまらん。これぞ現実。どんなに素晴らしいマシンに乗ったところで、自転車のエンジンは人間だという、散々言いつくされている名言を思い出しながら、上りで遠ざかる先頭グループを見送ったのだった。

リアルレーサーモデルのMETEORと同じリアステーを使用するが、シートステー接合部の形状を工夫することで軽快なフィーリングを実現しているリアルレーサーモデルのMETEORと同じリアステーを使用するが、シートステー接合部の形状を工夫することで軽快なフィーリングを実現している

 しばらく息を整えた後、後ろから来た若干おとなしめの集団に混ざる。こうやって自分の脚力に合ったグループをすぐに見つけられるのが、サーキットエンデューロの良いところだ。やっと落ち着いてきたので、マシンに目が向けられるようになった。

 全体としては、変な癖がなく扱いやすいというのが、まず抱いた印象だった。踏むとバネ感が結構ある。ガツンと踏んでドカンと加速するような感じはないが、じんわり大きなパワーを持続して一定に近いペースで走っていくと強力そうで、ヒルクライムレースやロングライドに向いている。後で資料を見たら「時々本気で戦うホビーライダー向けフレーム」なのだそうで、なるほどそんな味付け。

 結局、予定の1時間で9周回。ちょうど後ろから1周多く回った先頭グループがやってきたところで、ピットインしてMOCOさんに交代した。

雨の中、2度目の出番

 しばらく休憩をして、サイト更新その他の雑用をこなしながら、作戦を立てる。スタート直後から降り始めた雨は、いよいよ本格的なものとなってきていた。各ライダーは予想以上に順調なラップを刻み、どうやら完走はできそうな雰囲気だ。メンバーが一通り走ったところで、周回数は40弱。あとは筆者とMOCOさんが1時間ずつ走れば何とかなりそうだ。

ヘッド部は下ワンが大きいテーパーヘッドを採用。剛性を確保して下りやブレーキングの反応を良くしているヘッド部は下ワンが大きいテーパーヘッドを採用。剛性を確保して下りやブレーキングの反応を良くしている
ハンガー下がりは70ミリと、昨今のロードーレーサーとしては低め。安定した走りを実現するセッティングだハンガー下がりは70ミリと、昨今のロードーレーサーとしては低め。安定した走りを実現するセッティングだ

 再びZANIAHにまたがり、コースに出る。すでにスタートから5時間以上を経過し、100kmクラスはほぼゴールしている頃。コース上の選手数は1回目に走った時の半分以下といった印象。集団もまばらで、黙々と一人でペースを刻む走りが中心となる。こうなると、ZANIAHは本領を発揮し、小気味良い走りを見せてくれた。雨の中でも不安を感じない。

 途中、先頭集団に2周ほど付いて走った。上りはさすがに脚にきていて辛いが、下りはむしろ余裕を持って走ることができ、難しい第1コーナーでも先頭のペースに対して全く遜色なく走ることができた。結局、上りの頂上近くで遅れてしまったが、大幅にタイムを稼ぐことに成功。それにしても、ここまでくると練習不足、いや単なる運動不足の身で気軽に走る距離ではない。上りは少々くじけそうになるが、そこさえこなせば、平地と下りは自転車任せで前に進める。何とか持ちこたえて1時間、8周を走りきってMOCOさんにバトンタッチ。

2度目の出走も無事完走。雨でびしょ濡れ2度目の出走も無事完走。雨でびしょ濡れ

 残りはMOCOさんがきっちり走ってくれて、7時間半を切るタイムで無事ゴール。リレー250kmの部で出走127チーム中29位という、なかなかの好成績を収めることができた。走る前は不安もあったが、何とか「サイクリスト」の編集部であるという面目は保てたのではないだろうか。

 そしてZANIAHは、サイトオープン前の準備でボロボロだった体を、無事ゴールまで導いてくれた。久々のまともなレースライドに翌日は死にそうになっているかと思いきや、意外と体に残るダメージも少なくて、カーボン素材の身体への優しさを改めて感じることができた。日曜にレースイベントでプッシュしても、月曜に元気に仕事に出かけられるというところは、まさに「本気で戦うホビーライダー向け」といえよう。速さと優しさと安定感を兼ね備えたZANIAHは、幅広い層のライダーにとって、良きパートナーとなり得る1台だ。

(米山一輝)

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