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「嬬恋・万座ハイウェーヒルクライム」レポート<大会編>雨の中でも笑顔全開 村を挙げての“おもてなし”も満喫した2年目の「恋ヒル」

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 年に一度、有料自動車道を自転車に開放するサイクリングイベント「第2回 嬬恋・万座ハイウェーヒルクライム大会」が9月8日、群馬県嬬恋村で開催された。いつもは自転車の通行が認められない高原のハイウェーを占有して実施する豪快なイベントだ。村を挙げてのおもてなしで、参加者は嬬恋村の魅力を満喫。レース当日はあいにく雨に降られたが、選手や応援者には笑顔があふれ、特別なコースでのヒルクライムを楽しんだ。

(レポート 松島伸安) 

続々と笑顔で坂を駆け上がって行く選手達続々と笑顔で坂を駆け上がって行く選手達

年1回限定 初心者でも楽しめるコース

ゴール後の集合地点ゴール後の集合地点

 距離18km、平均勾配5%はヒルクライムのコースとしては敷居が低く、初心者にもオススメの走りやすいコースレイアウト。昨年大会の完走率は約98.2%で、ほとんどの選手がゴールの達成感を味わった。

 嬬恋村は、その昔「日本武尊(やまとたけるのみこと)」が碓日坂(今の鳥居峠)に立ち、亡き妻「弟橘姫(おとたちばなひめ)」を追慕のあまり「あづまはや(我が妻よ)」と嘆いたという故事にちなんで名づけられた。村名にちなんで「恋ヒル」という親しみやすい愛称も名づけられ、カップルや親子での参加も多く見受けられた。

嬬恋村を挙げてのおもてなし

マタギ特製 山賊ブラウンシチュー(鹿肉入り)マタギ特製 山賊ブラウンシチュー(鹿肉入り)

 レース前日の9月7日、嬬恋村小学校体育館で受付が行われ、参加選手たちは様々な形でおもてなしを受けた。外のテントでは地元の新鮮な嬬恋高原キャベツ、マタギの特製ブラウンシチュー(鹿肉)、トウモロコシなどが無料で振る舞われた。

 これは本当に美味しくて、みんな大喜び。特にマタギのブラウンシチューは大人気で、小雨が降る寒空にも負けず、身も心も温かくなった。

 体育館の中では、地元の小学生による伝統太鼓「上州田代轟太鼓」の披露、「VAX RACING with SAITAMA」の長沼隆行選手と黒岩信充選手(嬬恋村出身)によるコース攻略法解説、プロBMXライダー池田貴広さんのパフォーマンスショー、自転車好きの女性タレントグループ「ちゃりん娘」、「安田大サーカス」の団長安田さん、白戸太郎さんといったゲストによるトークショーなどが繰り広げられ、参加者を楽しませた。

「VAX RACING with SAITAMA」の長沼隆行選手、地元のエース黒岩信充選手による真剣なコース攻略法「VAX RACING with SAITAMA」の長沼隆行選手、地元のエース黒岩信充選手による真剣なコース攻略法
熱弁をふるう嬬恋村村長に突っ込みを入れる団長安田さんと、思わず笑ってしまった「ちゃりん娘」たち熱弁をふるう嬬恋村村長に突っ込みを入れる団長安田さんと、思わず笑ってしまった「ちゃりん娘」たち

 嬬恋村の熊川栄村長の話も面白く、団長安田さんとの掛け合いには参加者一同が大爆笑。ほのぼのとした雰囲気が参加者に好評だった。「嬬恋村のキャベツが旨い!」は、参加者の間でちょっとした流行語になっていた。

雨の中、笑顔のレース

攻略法でも話題に上がった、実は一番辛いというスタートまでの坂道攻略法でも話題に上がった、実は一番辛いというスタートまでの坂道

 レース当日は小雨が降ったり止んだりの微妙な天候に。選手たちは受付場所の嬬恋村商工会議所と小学校の間にある駐車場に集合。エントリーしたクラスごとにチーム分けをされ、注意事項や案内などの説明を受けて、パレード形式で約2km先のスタート地点を目指した。

 この時点で、前日に黒岩選手がコース攻略法で言っていた「実はスタート地点までの上りがキツイ」という道のりを、全員が体験する事になった。

 スタート時は曇り空。さすが大会ナンバーワンを決めるエキスパート男子は、緊張の面持ちでスタート地点に集合したが、ほとんどの選手は笑顔でスタートを待ち望んだ。

嬬恋村村長とスタート地点嬬恋村村長とスタート地点
スタート前に笑顔の女子選手たちスタート前に笑顔の女子選手たち

 スタートしてからは、いきなり雨が降り出したが、参加選手たちはさらに笑顔で坂を駆け上がって行った。

 普段、自転車では走れないコースを走る喜びなのか、コースがきれいに舗装されて走りやすいことへの嬉しさなのか、それとも思ったより緩やかな坂道でスピードが乗るのが楽しいのか――カメラの前で手を振ったり、Vサインをしたりする選手が多かった。親の心配顔を尻目に、笑顔で走る子供たちの姿も印象的だった。

 ゲストライダーとして出場した白戸太郎さん、安田大サーカスの団長安田さん、ちゃりん娘の面々も笑顔を絶やさずに走っていた。

女子エキスパートは笑顔のスタート女子エキスパートは笑顔のスタート
子供たちはみんな元気にスタート子供たちはみんな元気にスタート
最後尾からスタートした「ちゃりん娘」、白戸太郎さん、団長安田さん最後尾からスタートした「ちゃりん娘」、白戸太郎さん、団長安田さん
笑顔で坂を上って行く「ちゃりん娘」たち笑顔で坂を上って行く「ちゃりん娘」たち

優勝は18歳の新星

 途中では土砂降りの雨に見舞われたが、選手たちはひたすら走り続け、1時間から2時間ほどのタイムで次々にゴール。ここでも、たくさんの選手が笑顔やガッツポーズを見せてくれた。親子で仲良くゴールする姿も微笑ましかった。

ちゃりん娘、笑顔のゴール!ちゃりん娘、笑顔のゴール!
親子で笑顔のゴール!親の方が嬉しそう親子で笑顔のゴール!親の方が嬉しそう

 ゴール地点で応援していた家族や恋人の元に無事たどり着き、表彰式会場まで仲良く寄り添って歩いてくる選手も多く見受けられた。この光景が最も「恋ヒル」らしい、象徴的なシーンのように思われた。

ゴール後は応援の家族や恋人とともに集合場所へゴール後は応援の家族や恋人とともに集合場所へ
ゴール後の仲良しカップル発見!ゴール後の仲良しカップル発見!
ゴール後のラブラブカップル発見!ゴール後のラブラブカップル発見!
男子エキスパート表彰式男子エキスパート表彰式

 男子エキスパートで優勝した18歳の中井雄策選手(群馬、TRCパナマレッズ)は、大学1年生の新星。ゲスト参加で参考タイムの黒岩選手を上回る好タイムでゴールした。

 この日は早朝から2020年東京オリンピック開催決定の嬉しいニュースが舞い込んだが、嬬恋村のゴール会場では、中井選手の活躍に「東京オリンピック代表の候補として期待が持てるのではないか」と早くも話題にのぼっていた。表彰台の真ん中で優勝商品の「嬬恋高原キャベツ」を豪快にかじる頼もしい姿は、将来の大成を予感させた。

 小学生の男女優勝者も大人顔負けの好タイムでゴールし、将来が楽しみだ。

女子エキスパート表彰式女子エキスパート表彰式
小学校低学年表彰式小学校低学年表彰式
小学校高学年表彰式小学校高学年表彰式
男女ともに優秀な成績を讃え合う、地元群馬のチーム「TRCパナマレッズ」の面々男女ともに優秀な成績を讃え合う、地元群馬のチーム「TRCパナマレッズ」の面々

 朝から雨が降る悪天候だったにも関わらず、出走者950名、完走者943名(主催者発表)が年に一度の限定コースを楽しんだ。「恋ヒル」のように、多くの人が参加しやすく楽しみの多い大会を行うことでスポーツサイクルの門戸が広がり、さらに子供の頃から自転車に親しんでいれば、交通マナーの向上にも役立つのではないか。自転車の魅力と、家族の絆を感じさせる素晴らしい自転車イベントだった。

 ゴール後、主催者から心遣いとして参加者全員に万座温泉の協賛施設の入浴料500円(通常1000円)というアナウンスがあり、寒い雨の中頑張った選手達から喜びの声が上がった。万座温泉は日本一の高濃度硫黄泉と言われ、白濁の湯と雲上の露天風呂は温泉マニア憧れの地でもある。硫黄泉の効能(適応症)として血管拡張作用や解毒作用があり、極上の温泉で疲れた心身を回復させる効果が期待出来る。「恋ヒル」は、最後まで嬬恋村のもてなしに楽しまされ、癒されたサイクリングイベントであった。


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