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便利なアクセスと温かい雰囲気入門者から世界選代表まで 関東のシクロクロス登竜門「GPミストラル」シリーズの魅力に迫る

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 埼玉県吉見町で1月13日、関東のシクロクロスファンに人気のGPミストラル(GP-mistral)第5戦が開催された。昨今のシクロクロス人気も相まって、400人近いライダーが参加した。

盛況のシリーズ。スタート争いは大混戦だ盛況のシリーズ。スタート争いは大混戦だ

 GPミストラルは年間6戦のシリーズ戦で行われており、全レースが同じ吉見総合運動公園で開催される。コースは毎回変更され、コースディレクターがルート取りとセクションを細かく工夫することで、シリーズ内での変化を付けている。

 会場へのアクセスはJR鴻巣駅から自走で約20分、東京都心からも1時間半程度と良好。首都圏でシクロクロスのレースイベントに参加してみたいというライダーには、非常に魅力的なシリーズだ。

C1は世界選手権代表の小坂光が優勝

C1のスタート前。緊張が張り詰めるC1のスタート前。緊張が張り詰める

 レース当日は降雨・降雪も予報されていたが、気持ちの良い冬晴れに恵まれた。路面は完全なドライコンディション。今回は泥セクションのないコース設定のため、かなりの高速レースが予想された。

 最上級となるカテゴリー1には、今年の世界選手権代表である小坂光(宇都宮ブリッツェン)、前田公平(Speedvagen Cyclocross Team)、山田誉史輝(HAPPY RIDE)や、小坂光の父親で日本シクロクロス界のレジェンド、小坂正則(スワコレーシング)といった強豪選手が数多く参戦。彼らに対してGPミストラルを主戦場とするライダーがどう戦うかが注目された。

 混戦のスタートから最初に抜け出したのは、小坂光、前田、合田正之(3UP)のパック。合田が先頭から遅れると、これに後ろから小坂正が追いつき、小坂光と前田、小坂正と合田の2パックがそれぞれデッドヒートを展開した。

前半戦、小坂光と前田公平の先頭争い前半戦、小坂光と前田公平の先頭争い
激しい3位争いを繰り広げる小坂正則と合田正之激しい3位争いを繰り広げる小坂正則と合田正之

 しかし中盤、合田にフロントタイヤが剥がれてしまうというトラブルが発生。また先頭からは前田が遅れ、終始安定した走りを見せた小坂光がそのまま独走優勝。2位には終盤前田をパスした小坂正が入って親子1-2フィニッシュを決めた。バイクチェンジ後に激しく追い上げた合田は3位の前田に後一歩及ばず、悔しい4位となった。

小坂光(宇都宮ブリッツェン)が独走で優勝小坂光(宇都宮ブリッツェン)が独走で優勝
1-2フィニッシュを飾った小坂親子。「父が後ろに居たので必死に逃げた」と優勝の光選手1-2フィニッシュを飾った小坂親子。「父が後ろに居たので必死に逃げた」と優勝の光選手

 今回のレースでは、ファンからの申し出により、世界選メンバーへのカンパが呼びかけられ、表彰式の後に代表メンバーへ手渡された。このGPミストラルではライダーや主催者、観客が「レースを育てる」という意識が強く、会場の撤収を観客やライダーが手伝う光景が自然に見られた。

C1の表彰台。2位の小坂正則、優勝の小坂光、3位の前田公平左より2位の小坂正則、優勝の小坂光、3位の前田公平
シクロクロス世界選手権参加選手のためのカンパが行われたシクロクロス世界選手権参加選手のためのカンパが行われた
この日、世界選代表メンバーにカンパが手渡されたこの日、世界選代表メンバーにカンパが手渡された

気楽に参加可能なエンジョイライド、キッズクラスも充実

キッズの表彰台。インタビューも慣れたもの?キッズの表彰台。インタビューも慣れたもの?

 大会には通常の全国共通カテゴリーのレース以外に、「エンジョイライド」と呼ばれるクラスがある。

 ここには「シクロクロスを体験してみたい」「通勤用にシクロクロス車を買ったので、イベントに出てみたい」というライダーが数多く参加。「競い合うのは好きだけれど、ガチガチのレースは…」と考える層に、シクロクロスを楽しむ機会を提供している。仮装を楽しむ参加者も多く、張り詰めたレースとは一味違い、和やかな空気に包まれている。

ファミリー、それも小さな子供を連れた参加者が目立つ大会だったファミリー、それも小さな子供を連れた参加者が目立つ大会だった

 キッズクラスも年齢別に充実し、カデット(5歳~7歳)、U(アンダー)10(10歳未満)、U12(12歳未満)、U14(14歳未満)と細かく分かれている。U14クラスともなると、大人顔負けの走りを披露するライダーもいるほど。この中から将来の日本代表選手が誕生する日も、そう遠くはないはずだ。

 参加者はコースサイドに仲間とキャンプテーブルを出したり、家族連れで交替で子守をしながらレース参戦したりと、それぞれのスタイルでレースの一日を楽しむ。荒川サイクリングロードからも近いため、仲間のレースを観戦するためにロードバイクで訪れるライダーも少なくない。

 また会場近くには、地元で有名な「四方吉うどん」の本店があり、レース後には多くのライダーが詰め掛けるという。

「この素晴らしいスポーツを多くの人に」 オルガナイザーの大山さん

オルガナイザーの大山智さんオルガナイザーの大山智さん

 GPミストラルのオルガナイザー(主催者)である大山智さんは、かつて世界選手権代表スタッフを務めるなど、長年シクロクロス競技に携わってきた。北海道出身の大山さんだが、6年前に拠点を関東に移したことが、現在のシリーズ運営を始めるきっかけになったそうだ。

 「過去には明大クロスなどのレースはあったが、関東圏ではレース数が少なく、選手は長野などのレースに出かけていた。その現状を変えたかった」

 関東での活動を始めて5シーズン目。地元の自転車愛好家やショップ、クラブなどの協力により、大会は年々盛り上がってきている。

 全国共通カテゴリーなど、あくまで“競技会”として成り立つことを念頭に置く一方で、「この素晴らしいスポーツを多くの人に楽しんでほしい」と、幅広く門戸を開いた、登竜門的レースを目指す。

日本のシクロクロスシーンを引っ張ってきた大山さん、小坂選手が表彰式で笑いあう日本のシクロクロスシーンを引っ張ってきた大山さん、小坂選手が表彰式で笑いあう

 その取り組みをさらに深めようと、今後はエンジョイライドの部で仮装コンテストなどの企画も考えているという。「夏にはフェスティバル的なイベントも仕掛けてみたい」と、シクロクロスの盛り上げと競技人口拡大にますます積極的だ。

 大山さんがこだわっているのは、シリーズ戦としての開催。大会では個人としての表彰だけでなく、参加選手のチームにもポイントを付与して、シリーズ表彰を行っている。

 「チームにポイントを付けることで、入賞して表彰されるライダーだけでなく、たくさんのライダーに1つでも順位を上げるように競い合って、ポイントを稼ぐ楽しみを感じてもらいたい」

次戦は2月開催

 GPミストラル、今シーズン最終戦となる第6戦は2月17日(日)に開催される。申し込み締め切りはレース10日前。エントリーは公式Webサイトから行える。

 また3月17日には、シリーズ戦とは別に、チーム戦を主体としたレースの開催も企画しているという。詳細は近日中に告知する予定だ。

GPミストラル 公式Webサイト

写真・文 鈴木良則

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