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ロードレース2013シーズン展望<1> チーム・選手編ビッグネームの移籍&UCIプロチームの入れ替わりで勢力の激変なるか!?

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 サイクリストの皆様、あけましておめでとうございます。みなさんにとって、2012年は“自転車充”の1年だったでしょうか? 2013年も良きサイクルイヤーとなりますよう、心から応援しております。もちろん、私もこれまで以上に“自転車充”な1年を送りたいと思っております!

 さっそく、自他ともに認める(?)レースマニアの私が、3回に分けてロードレース2013年シーズンの展望を書いてまいります。まずは「チーム・選手編」として、ストーブリーグの動きを整理します。

◇      ◇

UCIプロチームにアルゴス・シマノが昇格

2013年シーズン、UCIプロチームに昇格したアルゴス・シマノ選手ら2013年シーズン、UCIプロチームに昇格したアルゴス・シマノ選手ら

 いま一度、2013年シーズンのUCIプロチームをおさらい。

・アージェードゥーゼル ラモンディアル(フランス)
・アスタナ プロチーム(カザフスタン)
・ブランコ プロサイクリング(オランダ、旧ラボバンク)
・BMCレーシングチーム(アメリカ)
・キャノンデール(イタリア、旧リクイガス・キャノンデール)
・エフデジ(フランス)
・エウスカルテル・エウスカディ(スペイン)
・ガーミン・シャープ(アメリカ)
・ランプレ-メリダ(イタリア)
・ロット・ベリソル(ベルギー)
・モビスター チーム(スペイン)
・オメガファルマ・クイックステップ サイクリングチーム (ベルギー)
・オリカ・グリーンエッジ(オーストラリア)
・レイディオシャックニッサン(ルクセンブルク)
・スカイ プロサイクリング(イギリス)
・チーム アルゴス・シマノ(オランダ)
・チーム サクソ・ティンコフ(デンマーク)
・ヴァカンソレイユ・DCM プロサイクリングチーム(オランダ)    (全18チーム)

 なかでも注目は、アルゴス・シマノのプロチーム昇格。ここ数年、グランツールをはじめ、ビッグレースでたびたび結果を出してきた戦力はもとより、チーム理念や財政面での充実も、トップカテゴリーにふさわしいとの評価に結びついたようだ。

 一方で、2012年のUCIワールドツアーランキング1位のホアキン・ロドリゲス(スペイン)を擁し、チームランキング2位のカチューシャ(ロシア)がまさかの降格。ドーピング問題が要因ではないかと指摘する声が挙がっている。カチューシャ側はCAS(スポーツ仲裁裁判所)へ提訴。UCIプロチームの上限は18チームと定められており、この状況が覆るのは難しい。いずれにせよ、長期間の係争が予想される。

 その他有力チームでは、チーム ヨーロッパカー、コフィディス、ソジャサンといったグランツール常連のフランスチームはいずれもプロカテゴリーに次ぐプロコンチネンタル登録に。また、今年から活動を開始するスイス籍のIAMサイクリングもプロコンチネンタル登録。既にシーズン序盤のレースへの招待を獲得しており、新興勢力として押さえておきたいところだ。

各チームの移籍状況

 例年のことながら、この冬もビッグネームの移籍が相次いだ。これら選手の動き1つでプロトン全体の勢力が激変することも考えられるだけに、動向はしっかりと把握しておきたい。そこでUCIプロチームを中心に、各チームごとに注目の加入選手を紹介しよう。

アージェードゥーゼル ラモンディアル
 昨年のジロ・デ・イタリア総合8位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)が加入。ダヴィデ・アポローニオ(イタリア)、ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ)らスプリンターの補強も。

アスタナ プロチーム
 ヴィンチェンツォ・ニバリがヴァレリオ・アニョーリ、アレッサンドロ・ヴァノッティ(いずれもイタリア)といったアシストを引き連れて移籍。ヤコブ・フグルサング(デンマーク)も加わり、グランツールの総合成績を狙える体制に。

ブランコ プロサイクリング
 若きクラシックスペシャリストのセプ・ファンマルケ(ベルギー)が加入。昨年のGPモンレアルを制したラース・ペーター・ノルドハウグ(ノルウェー)にも注目。 

BMCレーシングチーム
 ダニエル・オス(イタリア)が加わり、スプリントやクラシックでの主力を担う格好に。

キャノンデール
 国際色豊かなチーム構成に。増田成幸の加入が大きなトピック。

2013年シーズンから増田成幸が加入するキャノンデール2013年シーズンから増田成幸が加入するキャノンデール

エフデジ
 将来性豊かなオールラウンダー、アレクサンドル・ジェニエ(フランス)を獲得。ブルターニュ・シュレルから移籍のローラン・ピション(フランス)は無名ながら、昨年のパリ~トゥール5位。大化けする可能性のある選手。

エウスカルテル・エウスカディ
 例外を除き、初めてバスク外選手を迎え入れる。初のトップチーム入りとなる選手が多く、実力が未知数なのがどう出るか。

ガーミン・シャープ
 2011年のロンド・ファン・フラーンデレン覇者のニック・ナイエンス(ベルギー)、ロンドンオリンピックのトラック・チームパシュート銀メダリストのローハン・デニス(オーストラリア)、2011年ジャパンカップクリテリウムを制し一躍人気選手となったスティール・ヴォンホフ(オーストラリア)と、実力者が加わる。

ランプレ-メリダ
 フィリッポ・ポッツァート(イタリア)が加入。同じくファルネーゼ・ヴィーニから移籍するエリア・ファヴィッリは昨年のアムステル・ゴールドレース13位。また、日本のレースでも大活躍したマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)がチーム・ニッポから移籍。

ロット・ベリソル
 12月中旬時点で獲得を発表しているのは、ディルク・ベレマケルス(オランダ)のみ。

新ジャージでチームキャンプを行なったロット・ベリソル新ジャージでチームキャンプを行なったロット・ベリソル

モビスター チーム
 山岳アシストとして活躍するエロス・カペッキ(イタリア)、シルヴェスタ・シュミッド(ポーランド)をリクイガスから獲得。タイムトライアルのイギリスチャンピオン、アレックス・ダウセットはスペインチームで適応できるか。

オメガファルマ・クイックステップ サイクリングチーム
 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の獲得に大成功。2012年に勝利を量産したチームにあって、さらに勝利をもたらすことができるか。

オリカ・グリーンエッジ
 12月中旬時点で移籍加入が判明しているのは1名のみ。オーストラリア期待の星、マイケル・マシューズがスプリント王国の層を厚くする。

レイディオシャックニッサン
 ロンド・ファン・フラーンデレン元王者のステイン・デヴォルデル(ベルギー)が再起をかける。スプリンターのダニーロ・ホンド(ドイツ)、クライマーのロベルト・キセロフスキ(クロアチア)と、バランスの良い補強。

スカイ プロサイクリング
 総合系ライダーを多く獲得。ダリオ・カタルド(イタリア)、ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ)らはグランツールで重要なアシスト役となりそう。移籍市場における目玉の1人とされたジョナサン・ティーナンロック(イギリス)は自国チームを選択。主力ライダーとなるのは必至。

2012年のツアー・オブ・ジャパンで活躍が目立ったウィリアム・クラーク(オーストラリア)はアルゴス・シマノへ2012年のツアー・オブ・ジャパンで活躍が目立ったウィリアム・クラーク(オーストラリア)はアルゴス・シマノへ

チーム アルゴス・シマノ
 昨年のツアー・ダウンアンダー第2ステージやツアー・オブ・ジャパン堺ステージで勝利を収めたウィリアム・クラーク(オーストラリア)が加入。昨年のGPケベックでプロチーム勢に混じり10位に入ったフランシス・パリジャン(カナダ)にも期待。

チーム サクソ・ティンコフ
 最も補強に成功したチームと言えそう。ダニエレ・ベンナーティ(イタリア)、マッティ・ブレシェル(デンマーク)、ローマン・クロイツィゲル(チェコ)、ニコラス・ロッシュ(アイルランド)、マイケル・ロジャース(オーストラリア)ら。誰がエースを務めても不思議ではない強力な戦力を有する。

ヴァカンソレイユ・DCM プロサイクリングチーム
 フアン・アントニオ・フレチャがスペイン選手初のパリ~ルーベ制覇へ、夢の実現を目指す。ジロ・デ・イタリアで活躍したホセ・ルハノ(ベネズエラ)もステージレースでエースを担うだろう。      

プロコンチネンタルチーム
 プロコン勢では、カハ・ルーラルに2010年ジロ・デ・イタリア総合2位のダヴィド・アロヨ(スペイン)が加入。コフィディスにはジェローム・コッペル、クリストフ・ルメヴェル(フランス)、ダニエル・ナバーロ(スペイン)が移籍。ヴィーニ・ファンティーニには佐野淳哉が移籍し、ジロ・デ・イタリア出場に期待がかかる。

 アジアを代表するチームとなったチャンピオンシステム プロサイクリングには、西薗良太が日本選手初のチーム入り。前述のIAMサイクリングは、ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア)、トーマス・ロヴクイスト、グスタフ・ラーション(ともにスウェーデン)らがチームを引っ張る。

筆者“推しメン”続々 大型新人は彼らだ!

アルゴス・シマノへ新加入するレイナルド・ヤンセ・ファン・レンスブルグ(南アフリカ)アルゴス・シマノへ新加入するレイナルド・ヤンセ・ファン・レンスブルグ(南アフリカ)

 最後に、筆者注目の大型新人をピックアップ。

 以前、“推しメン”として紹介したレイナルド・ヤンセ・ファン・レンスブルグ(南アフリカ)はアルゴス・シマノへ。昨年のU23世界チャンピオンのアレクセイ・ルチェンコ(カザフスタン)は“既定路線”のアスタナ入り。同じくタイムトライアルのU23世界チャンピオン、アントン・ヴォロブイェフ(ロシア)はカチューシャ。

 レディオシャックニッサン入りするボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク)は、昨年のパリ~ルーベ・エスポワールの覇者。アメリカ期待の若手オールラウンダー、イアン・ボスウェルとジョセフ・ドンブロウスキはともにスカイ プロサイクリング入りを果たした。

 そして、今回イチオシしたいのがユーロップカー入りするブライアン・コクァール(フランス)。ロンドンオリンピックではトラック・オムニアムで銀メダルを獲得し、世界選手権U23ロードでも銀メダル。ロードでスプリンターの脚質を持つコクァールは、2月のツール・ド・ランカウイでのデビューが予定されており、早速お手並み拝見といきたいところ。

世界選手権U23ロード・チャンピオンの中央アレクセイ・ルチェンコ(カザフスタン)と左ブライアン・コクァール(フランス)はそれぞれアスタナ、ユーロップカーへ世界選手権U23ロード・チャンピオンの中央アレクセイ・ルチェンコ(カザフスタン)と左ブライアン・コクァール(フランス)はそれぞれアスタナ、ユーロップカーへ

 次回はクラシックレースをメインに、シーズン前半戦を占います。

文 福光俊介

【シーズン前半編】春のクラシック“本命”はシーズン序盤で分かる!

福光俊介福光俊介(ふくみつ・しゅんすけ)
自転車ロードレース界の“トップスター”を追い続けて数十年、気がつけばテレビやインターネットを介して観戦できるロード、トラック、シクロクロス、MTBをすべてチェックするレースマニアに。2011年、ツール・ド・フランス観戦へ実際に赴いた際の興奮が忘れられず、自身もロードバイク乗りになる。自転車情報のFacebookページ「suke’s cycling world」も充実。本業は「ワイヤーママ徳島版」編集長。

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