スマートフォン版はこちら

ファウスト社長も同席、ピナレロへの愛着を語るフルームがサイクルモードでトークショー「ダウンヒルポジションは真似しないで」

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
  • 一覧

 千葉市・幕張メッセで開催された「サイクルモードインターナショナル2017」で11月5日、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)のサイン会とトークショーが行われた。トークショーには、フルームを支えるイタリアブランドのピナレロ社代表であるファウスト・ピナレロ氏も登壇。フルーム自身がどのようにしてピナレロバイクに関わっているかなど、舞台裏の話も披露された。

フォトセッションに応じるフルーム Photo:Yuu AKISANE

 最終日の16時スタートということもあり、今イベント最大の目玉ともいえるダブルツールを達成した現役最強王者のトークショーとあって、特設ステージ前のスペースには大勢のファンが詰めかけた。立見席まで用意されるほどの大盛況で、フルームが登場すると会場のボルテージは最高潮に達した。ロードレース実況で活躍し、通訳もかねたサッシャさんがMCとしてフルームに迫った。

ピナレロ以外乗りたくない、愛着がある

ーーイギリス人として初のダブルツールと、秋に移動したブエルタとのダブルツールは初。2つの歴史的な快挙を振り返ってどうだったか

フルーム:本当に素晴らしい年だった。ツール・ド・フランス4度目の総合優勝が一番の目的だったけど、更にブエルタも勝つことができて、記憶に残るシーズンとなった。(ダブルツール達成について)ツールを三週間走った後に、また三週間走るというのは本当に大変なことだが、初めてではない。過去の挑戦の経験から学んで、どうやってダブルツールを達成するか考え、レーススケジュールを変更して挑むことで成し遂げた。

ファンへの感謝、ピナレロバイクへの思いを語るフルーム Photo:Yuu AKISANE
フルームという男の強さについて、力説するピナレロ氏 Photo:Yuu AKISANE

ーーダブルツールについてピナレロ氏はどう思ったか

ピナレロ氏:シーズンの始まりのときに、チームスカイからダブルツールを成し遂げる、といわれたときは信じられなかった。実際にマドリードでブエルタ勝った後のパーティに参加して、彼は本当に凄い強い男だと思った。足だけでなくハート、集中力が高い上に、冷静でいられることが本当に凄い男だと感じた。

ーー舞台上に展示されている2つのグランツールを勝った2台の自転車への印象は

フルーム:これらのバイクを見るとその時のことが思い出される。ピナレロにはチームスカイ立ち上げの時からサポートしてもらっていて、一緒に自転車をつくっていった。他のバイクには乗りたくないというくらい愛着が湧いている。

ステージ上にはフルームが実際にツールとブエルタで使用したバイクが展示されていた Photo:Yuu AKISANE

「乗り心地とハンドリングが大事」

ーーバイクの熟成に向けて、どのようなことを選手としてフィードバックするのか?

フルーム:自分が乗ったフィードバックが反映されたバイクに乗ると、「わぁ凄い!」と感じる。またフィードバックして、新しい自転車が発表されるたびに、本当に凄いなと思う。

ーーピナレロ氏はどのように選手とやり取りしているのか

ピナレロ氏:チームスカイだけでも30人位の選手がいて、それぞれ好みがある。それ以外にも走り方の違いもある。フルームのような総合を狙う選手、ジャンニ・モスコンのようにワンデーやクラシックを狙う選手、エリア・ヴィヴィアーニのようにスプリントを狙う選手など。毎年フレーム作りから始まって、空力とか重さとか、例えばワンデーならサスペンションの違いとか出てくるが、最終的にそういうのをまとめてF10というフレームを作り上げる。一つのフレームから始まって色んな人が色んなタイプの自転車を使えるように築き上げていく。

ロードバイクの性能面で最も大事なポイントを語るフルーム Photo:Yuu AKISANE

ーーフルーム選手にとって、自転車のどの点が最も大事か

フルーム:一番大事なことは、乗り心地とハンドリングの良さ。ダウンヒルのとき、加速するとき、ダンシングるときの乗り心地だけでなく、パワーがどれだけ伝達するかも重要視している。

ーーその点をもっと良くしてほしいというリクエストはするか

フルーム:もちろんだ。様々なフィードバックをする理由は、まず自転車の性能が良くないと、自信が持てないからだ。自転車は自分の手と足の延長みたいなもの。そういった意味で、そういった意味で自転車は自信を持って乗れるようにならなければいけない。

バイクに力の全てが伝わることが自信に

自転車への思いを強く語るファウスト・ピナレロ氏 Photo:Yuu AKISANE

ーーピナレロの自転車の哲学は何か

ピナレロ氏:これまでに色んな選手たちやチームと関わってきて、3人の素晴らしいスターに出会った。ミゲル・インドゥライン、アレハンドロ・バルベルデ、クリストファー・フルームだ。良い選手たちというのは自転車に対する思いは同じ。ジオメトリーがこうあって、決まったそれがあると変えないという強い思いがあるが、次の自転車はこうしたいという要望は明確に決まっている。それに向けて、自分は一番いいバイクを選手に届けるために、良いバイクをつくることが自分たちの哲学だ。

特設ステージ前の椅子も大部分が撤去され、立ち見席が用意されてもなお、柵外にファンがあふれるほどの盛況ぶり Photo:Yuu AKISANE

ーーピナレロのバイクを日頃乗る上で、他の自転車と違うことは

フルーム:私たちが自転車に乗るときは戦っているときなので、力を加えた時に力の全てが伝わっていると感じることが自信にも繋がっている。私たちもアマチュアの人たちが自転車に乗る時と同じように自転車に乗る楽しみを感じている。アマチュアの皆さんも乗る時に力がバイクに加わっているということを、感じて欲しい。勝つことや乗ることを楽しむという理由の違いはあれど、私たちと同じように喜びを感じることができるのではないかと思う。ただ一つファウスト(・ピナレロ)さんがいったことで思い出したのは、私たちはダウンヒルで特別なポジションを取るけど、私たちだけのスペシャルポジションなので真似しないでほしい。アマチュアの皆さんが、練習の時に試している人も見たことあるが、あまり上手な結果になっていないと思うので真似しないようにね。

フルームの愛機に描かれているサイのイラスト Photo:Yuu AKISANE

ーー自転車に描かれているサイの意味は?

フルーム:実は私自身はアフリカで生まれ育った。アフリカの野生動物はいま大変な状況に追い込まれていて、特にサイが絶滅の危機に瀕している。皆さんへ知ってほしいという思いと、野生動物たちを守る基金へのサポートもしてほしいなという思いを込めて、サイを描いている。

ーーツール5勝クラブ入りを、ファンは期待している。また来年のスケジュールは?

フルーム:もちろん限られた人しか、そこには入れていないので、間違いなく自分とって来シーズン最大の目標になる。来シーズンについて語るのはまだちょっと早い。これからゆっくり落ち着いて来シーズンのプランをチームと一緒に考えたい。しっかりと調整してトップパフォーマンスでツールを戦いたい。

現役のツール&ブエルタ王者であるクリストファー・フルームのトークショーが開催 Photo:Yuu AKISANE

トークショーの前にはサイン会も開催

フルームの直筆サイン入りの特大ポスター。ブエルタ第9ステージで勝利した際のガッツポーズシーンが描かれている Photo:Yuu AKISANE

 ピナレロのブースでは、午前と午後の2回にわたってフルームのサイン会が開かれた。
 午前のサイン会に参加した人たちは皆、サイクルモード開場前から並んでいたそうだ。開場1時間半前に到着した人は15番目くらいにサインをもらえたとのこと。午後の回の先頭で並んでいた方は、開場30分前から並んでおり、午後のサイン会開始となる14:30まで5時間近く待っていたそうだ。

 フルームは何百ものサインを書き続けていたが、常に笑顔を絶やさずにファンサービスを続けた。フルームから初めてサインをもらったという女性ファンは「額縁に入れて紫外線カットのシートを貼って、部屋に飾ります」と感無量の様子だった。

フルームを一目見ようとピナレロブースに詰めかけた大勢のファン Photo:Yuu AKISANE
サイン会に参加できなかったファンに、ピナレロ特製ステッカーを自らプレゼントするフルーム Photo:Yuu AKISANE
笑顔でサインを書いていくフルーム Photo:Yuu AKISANE

 

関連記事

この記事のタグ

サイクルモード2017

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載