スマートフォン版はこちら

title banner

栗村修の“輪”生相談<113>30代男性「ロードバイクに乗る準備が面倒で、友達が乗らなくなってしまいました」

  • 一覧

 
 栗村さん、こんばんは。栗村さんの読みやすく、わかりやすい回答をいつも楽しみにしています。そんな栗村さんに、是非とも回答してほしい、切実な質問があり投稿しました。

 質問内容は、

 「自転車に乗るための整備や準備ってもっと楽になりませんか?」
 「もしくは準備のコツやプロが行っている技とかってありませんか?」

 というものです。

 突然何を言い出すかと思われるかもしれませんが、大真面目かつ切実な質問です。

 というのも、ロードバイクを買った友達が、乗る前の準備や整備の手間が面倒になって、自転車に乗らなくなってしまいました。せっかく友達とのツーリングを楽しみにしていたのに…と残念に思うと同時に、準備は面倒だよなぁという気持ちもわかるので、頑張って乗ろうよーとは言い出せないところです。

 たぶん、ロードバイクに乗るのは好きなんだけど、準備が面倒だったり億劫で乗っていない方って、結構いるのではないかと思っています。

 僕自身も、準備が面倒で乗らない時が続く時があります。ボトルの準備にヘルメット、サイクルジャージに着替えて、タイヤの空気圧をチェックし、ブレーキの効きやチェーンの油を確認して…。タイヤの空気を入れるのも、慣れないと重労働だったりするんですよね。

 書き出すとロードバイクに乗る前って、準備することが多いな~って改めて思ってしまいます。何とか、楽に準備する方法やコツがあれば教えていただけませんか?

(30代男性)

 わかります、わかります。「ロードバイクあるある」ですよね、準備の問題は。僕もあまり朝の準備が好きなタイプではないので、昔から苦労してきました。僕がどのくらい「朝モノグサ」かというと、毎朝の、起きて、シャワーを浴びて髭を剃り、髪を整えて着替える、という一連の動作が、一日で一番辛いくらいです。本気で髭の脱毛を考えたくらいです。
 
 モノグサといっても、一度目がしっかりと覚めてしまえば、その後遅くまで仕事が続いてもそれほど苦にはなりません。が、朝の準備が辛いんですよね。特に冬の朝なんかは布団からでるのはもはや拷問に近い…。自転車は、いちどスピードに乗せれば後は惰性で楽に進むわけですが、加速が大変じゃないですか。それと同じです。僕が、スプリントが得意じゃなかったことと関係があるのかな?

 思うに、朝の準備が苦手な人は夜型人間が多い気がしますね。僕もそうなんですが、朝はギリギリまで寝ていたいから、おのずと朝のスケジュールがタイトになってしまい、辛くなるんじゃないでしょうか。

 ならば、夜型であることを逆手にとって、前夜のうちに準備を済ませちゃえばいいんです。起きてからやることが多いせいで嫌になるわけですから。

ロードバイクライドの最大の難関は、峠ではなくまず家から外に出ることである? Photo: Yuzuru SUNADA

 監督時代の僕は、できるだけ前夜に準備をしていました。で、朝は余裕を持ってゆっくり起きる。他チームの監督やメカニックが早朝からガンガン動き回っている時間帯にベッドから起きだすわけです。この方法を応用してはいかがでしょう。

 個人的にお勧めなのは、練習から戻ってきたあとすぐに「そのタイミングでできること」を済ませておくパターンです。

 家に戻ったらすぐにバイクをキレイなウエスでサッと拭いてタイヤに空気を入れ(一晩で空気が抜けてしまうチューブの場合は朝に入れないといけませんが…)、チェーンに薄くオイルを差してチェーン用のウエスで余分なオイルと汚れを拭き取ります。ヘルメットやシューズも汚れていれば軽く拭き上げ、サングラスはシャワーを浴びながらキレイにします。

 翌日着るウェア類と補給食も揃えて出しておき、頭がまわらない寝起きに機械的かつ効率的に動けるように予め段取っておくわけです(レッグウォーマー⇒アンダーウェア⇒バイクパンツ⇒ソックス⇒ウェアの順に着られるよう並べておくと更に効率的に…)。髭剃りとか歯磨きとか、当日の朝じゃないとできないこともありますが、できるだけ前日のうちに準備を終えてしまうんです。

 あと、冬場の寒さ対策としては、練習で着るアンダーウェアを着用して寝てしまうという荒業もあります。いっそのことバイクパンツやタイツなどをはいて寝られるのであれば朝の苦痛を更に減らすことができますね。ただし、寝ている間に苦しいヒルクライムの夢を見てうなされるかもしれませんが…。

 やることは減らせませんし、体質も変わらない。ならば、その制約の中で工夫するしかありません。人にはそれぞれ得意な時間帯やタイミングというものがあると思うので、面倒だと感じることをいかに効率的に短時間で機械的に片付けてしまえるかを考えると、準備の苦痛を減らせるのではないでしょうか。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

関連記事

この記事のタグ

栗村修の“輪”生相談

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載