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クロフォードと山本元喜が果敢な逃げキナンのトマ・ルバが総合トップ10堅守 ツアー・オブ・イラン第5ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 大会後半戦を迎えたツアー・オブ・イラン。10月12日は第5ステージが行われ、トマ・ルバと中西健児がメイン集団でフィニッシュ。トマは個人総合順位を1つ下げて 10位となったが、トップ10圏内は堅守。また、序盤にはジャイ・クロフォードが、終盤には山本元喜がそれぞれアタックし先行するなど、ステージ優勝には届かなかったが積極性が 光ったレースとなった。

メイン集団でフィニッシュするトマ・ルバ。個人総合を10位とした Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 前日は今大会唯一の山岳頂上フィニッシュだったが、続くこの日は第4ステージのコー スをほぼ逆向きに走るルート。序盤から登坂距離約 18km の1級山岳が現れ、後半は2級山岳を経て、フィニッシュに向かって 30km 以上に及ぶダウンヒル。最終日は市街地周回 のショートステージとなっていることもあり、個人総合争いの形勢は実質第5ステージで 決まるものとみられる。

無線の調整中に笑顔を見せる中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
スタート準備を進める選手たち Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 キナンサイクリングチームは、第4ステージでトマ・ルバが2位。強豪チームが作る速いペースに加え、強い横風と標高1500mを超える高地であることも相まって、連日激しいレースとなる中での好リザルトだった。残る2ステージに関しては、個人総合9位につけるトマの順位アップを目指すと同時に、逃げや隙をついてのアタックからステージ優勝へとつなげていくことを選手間で確認し合った。

 そして迎えたレースは、アクチュアル(正式)スタート直後にジャイが集団からアタック。次々と選手が加わり、最大で11人の逃げグループが形成された。その中には総合上位の選手も含まれていたこともあり、メイン集団が追随。やがて総合上位の選手のみが集団へと戻り、クロフォードを含む総合に関係しない5人がリード。この日最初のカテゴリー山岳である 32km 地点の 1 級山岳は、ジャイが5位で通過している。

メイン集団内を走行するトマ・ルバ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 しかし、この逃げは長くは続かず、スタートから約110km進んだところでメイン集団 に吸収。その後は横風が強く吹き付けるタイミングこそあったものの、キナン勢は全員が集団内で進行。そのまま155.5km地点に頂上が設けられる 2 級山岳の上りに突入。キナン勢はトレインを組み、トマを守りながら集団前方で上り始めた。

 この上りの途中からイラン勢を中心にアタックが発生。これを山本がチェックし、集団 へと引き戻す働きを見せる。頂上を過ぎて下りに入ると、数人の飛び出しに再び山本が反応。約10人の逃げグループとなるが、そこから2人がアタック。さらに2人が追走を開始するが、山本はトマらが含まれるメイン集団を待ち、アシストする態勢に切り替える。

メイン集団でレースを進める中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
レース前半の逃げグループ。ジャイ・クロフォードの姿も見られる Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団でフィニッシュするトマ・ルバ。個人総合を 10 位とした Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 フィニッシュまで残り5kmとなるタイミングでメイン集団が山本らに追いつき、最終局面はトマを守りながらの走り。結果的に下りで飛び出した4人がステージ上位を確保し、トップから41秒差でトマと中西がメイン集団内でフィニッシュ。それぞれ順位は28位と49位。終盤に見せ場を作った山本と序盤に逃げたクロフォード、メイン集団でアシストに務めた阿曽も無事にレースを終えている。

終盤に見せ場を作った山本元喜のフィニッシュ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 ステージ上位の選手が個人総合でも順位をアップさせたため、トマの順位は 10 位となったが、トップ10圏内はきっちりと確保して最終ステージへとつなげた。最後を飾る第6ステージは、大会の拠点であるタブリーズ市街地に設けられた周回コースを10周する 114km。大きなアップダウンではないものの、上りと下りを繰り返すレイアウトとなっている。距離が短いこともあり、ハイペースで進行することが予想される。キナンサイクリングチームとしては、トマの総合順位を確実にし、UCIポイント獲得へと導きたい。

●山本元喜のコメント

「第1ステージで動きすぎてしまった影響がここしばらく出ていたが、今日は調子が上が ってきていて上りの感覚もよかった。終盤もしっかりと動くことができた点が収穫。一方 で、逃げ切りを許してしまったことでトマの総合順位を落としてしまったり、アタックに 反応していればステージトップ 5 でフィニッシュできていた可能性もあったので、そのあたりの判断に反省点がある。ラスト1日も気を抜かず、今後のスケジュールにもつながる よう走りたい」

●トマ・ルバのコメント

「ジャイが序盤に逃げたことは戦術的によかった。一時は総合上位の選手も逃げに入ったりと、彼らを捕まえるのに少し苦労はしたが、その点も大きな問題ではなかった。総合順位を 1 つ下げてしまったことは受け入れるしかない。とにかくあと 1 日しっかり走り切るだけだ」

ツアー・オブ・イラン第5ステージ(191.7km)結果
1 ダヴィデ・レベリン(イタリア、クウェート・カルトゥーチョ.es)4時間24分21秒
2 ニコラ・トッファーリ(イタリア、0711 サイクリング) +1秒
3 モハマド・ガンカンロウ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +30秒
4 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +30秒
5 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース)+40秒
6 テオドール・イェーツ(オーストラリア、ドラパック・パッツベグホリスティック) +41秒
28 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +41秒
49 中西健児(キナンサイクリングチーム) +41秒
52 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +1分31秒
64 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +7分33秒
72 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +10分46秒

個人総合時間賞
1 ロブ・ルイヒ(ベルギー、タルテレット・アイソレックス) 20時間31分0秒
2 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) +1秒
3 ニコラ・トッファーリ(イタリア、0711 サイクリング) +4秒
4 ジェシー・フィートンビー(オーストラリア、ドラパック・ペッツベグホリスティック)+11秒
5 マシュー・ロス(オーストラリア、ドラパック・ペッツベグホリスティック)+36秒
6 エフゲニー・ネポムニャンフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +37秒
10 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +1分19 秒
37 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +36分40秒
64 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +53分8秒
66 中西健児(キナンサイクリングチーム) +54分45秒
72 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +1時間10分51秒

スプリント賞
1 マルコ・ドーツ(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム) 22pts

山岳賞
1 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) 48pts
14 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) 10 pts
17 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) 7pts
23 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 2pts

ヤングライダー賞
1 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズシャハルダリチーム)20時間31 分1秒
36 中西健児(キナンサイクリングチーム) +54分44秒
41 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +1時間10分50 秒

チーム総合
1 タブリーズ シャハルダリチーム 61時間35分33 秒
12 キナンサイクリングチーム +1時間22分35秒

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