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ブリヂストンアンカーの鈴木龍がステージ5位阿曽圭佑が逃げで好走 キナンら出場のツアー・オブ・イラン第3ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 6日間で行われているツアー・オブ・イラン(Tour of Iran)は大会中盤に突入し、10月10日に行われた第3ステージでは、キナンサイクリングチームの阿曽圭佑が序盤からの逃げに加わり好走を演じた。また、メイン集団でフィニッシュしたジャイ・クロフォードとトマ・ルバは、それぞれ総合8位と15位と上位をキープしている。

スタートラインエリアのステージに上がったキナンサイクリングチームの5選手。左からトマ・ルバ、山本、阿曽、ジャイ・クロフォード、中西 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 前日は200km超えのロングステージだったが、第3ステージは155.1kmに設定。スタート直後から上り基調が続き、いったん下って中盤の1級山岳へと入っていく。フィニッシュ手前10kmに頂上が控える3級山岳は、このステージの勝負どころ。キナン勢としては、重要な局面を前に個人総合で9位につけるクロフォードと、17位につけるルバを好位置へと送り込むことが求められた。

 これまで同様に、このステージもスタートからハイペースで進行。有力チームが次々と逃げを狙ってアタックを繰り出す状況となる。しばらく出入りが続いたが、12km地点を過ぎたあたりで均衡が破られる。

総合9位につけるジャイ・クロフォード Photo: Syunsuke FUKUMITSU
スタートまでの間は思い思いに時間を過ごす Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 1人の飛び出しをきっかけに、阿曽が追走。労せず追いつくと、そのままハイスピードで押し切り、メイン集団の容認を得る。さらに2選手が追いつき、4人の逃げグループが形成された。いずれも個人総合争いに関係しない選手だったこともあり、阿曽らの先行によりレースは完全に落ち着きを見せた。

 逃げる4人は、メイン集団に対し最大で5分近くタイム差を広げる。リーダーチームのヴィノ・アスタナモータースがコントロールする集団は、無理に前を追う姿勢を見せなかったこともあり、速いペースを維持する阿曽らのリードが大きくなっていった。その間、73.8km地点の1級山岳では、阿曽が3位で通過している。

各チームに1台与えられるチームバス。スタッフや荷物の移動に大活躍 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 タイム差に大きな変動がなく、前を行く選手たちは逃げ切りの可能性が膨らむ。先頭の4人は協調体制を保ちながら、集団との差を見ながらペースをコントロールし続けた。しかし、残り40kmを切ったあたりから、イラン勢を中心に集団が猛然とスピードアップ。みるみるうちにその差が縮まっていった。

 懸命に逃げ続けた阿曽だったが、残り30kmを切った直後の小さな上りでギアを思うように切り替えられず、数秒のペースダウン。チェーンを戻して前への復帰を図ったが届かず、追ってきたメイン集団へと下がった。その後しばらくして他の逃げメンバーも集団に吸収された。

 終盤に入ると、集団に待機していた山本元喜と中西健児、そして阿曽も加わりクロフォードとルバを前方へと引き上げる。この日最後の上りとなった3級山岳で集団の人数が減り、さらに1人が飛び出す形となったが、クロフォードとルバは危なげなくポジションをキープ。そのまま、タブリーズ市内に設けられたフィニッシュにたどり着いた。

逃げで見せ場を作った阿曽圭佑。逃げ切りもありえた好走だった Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 それぞれ19位、20位でフィニッシュしたルバとクロフォードは、個人総合でも好位置を依然キープ。クロフォードが順位を1つ上げて総合8位、ルバは2つアップの同15位としている。1日を通して見せ場を作った阿曽、集団内でクロフォードとルバのケアに努めた山本と中西も無事にフィニッシュし、次のステージへと駒を進めている。

 標高約1500mの高地でのレースであると同時に、険しい山岳や断続的に吹き付ける横風など、レースを動かす要素に満ちた中で行われているこの大会。翌11日は第4ステージとして、タブリーズからサレインまでの196.2km。前半に2級山岳が控えるほか、後半は3級山岳からの長い下りを経て、最後は4級山岳の頂上へとフィニッシュする。これまでのステージ以上に消耗戦となることが予想される。キナン勢にとっても、クロフォードとルバの個人総合を狙ううえで勝負の1日となる。

●選手コメント

ジャイ・クロフォード
 「スタートからハイペースで進んだ中、阿曽さんが逃げに入ったことで、リーダーチームにコントロールを任せられる状況を作り出すことができた。ラスト20kmは一気にスピードアップして、上りもかなりのペースで進んだけど、トラブルなくトマとともに前方でレースができた。
 調子は徐々に上がってきている。9月のインドネシア遠征で少し体調を崩してしまったのだけれど、その影響は日を追うごとになくなってきている。毎朝起きて自分の体調を確かめるけど、今のところは問題は感じていない」

山本元喜
 「時折横風が強くなるタイミングこそあったが、集団が割れるような状況にはならなかった。集団のペースは終始早かったが、阿曽たちの逃げグループもかなりのスピードで進んでいたのだと思う。自分自身は残り20kmを切ってからジャイとトマを前へと送り出して、仕事を終えた。
 第1ステージで動きすぎてしまった反動が大きく、好調とは言いにくいが、辛抱しながらジャイとトマの総合のために貢献したいと思う」

阿曽圭佑
 「逃げを決めたのはスタートから12kmほど行ったあたり。イラン人選手のアタックを見て、このタイミングで行くしかないと思って追いかけた。逃げている間もペースが速く、苦しい場面はあったが他の3人と協調しながら走り続けた。
 タイム差がしばらく変化しなかったので、逃げ切れる手ごたえはあった。逃げメンバー同士でそのままフィニッシュを目指すことを確認し合ってもいた。残り30kmを切ってからの上りでギアチェンジに失敗してチェーンを落としてしまい、ペースダウンしたことが悔やまれる。何とか前に追いつきたかったが、それはかなわなかった」

ツアー・オブ・イラン第3ステージ(155.1km)結果
1 サイード・サファルザデフ(イラン、タブリーズ シャハルダリチーム) 4時間2分30秒
2 テオドール・イェーツ(オーストラリア、ドラパック・ペッツベグホリスティック) +28秒
3 モハマド・ガンカンロウ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +28秒
4 マルコ・ドーツ(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム) +28秒
5 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +28秒
6 ニコラ・トッファーリ(イタリア、0711 サイクリング) +28秒
19 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +28秒
20 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +28秒
64 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +5分37秒
71 中西健児(キナンサイクリングチーム) +7分14秒
76 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +10分56秒

個人総合時間賞
1 アレクセイ・ヴォロシン(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) 11時間40分18秒
2 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) +4秒
3 ロブ・ルイヒ(ベルギー、タルテレット・アイソレックス) +4秒
4 ジェシー・フィートンビ―(オーストラリア、ドラパック・ペッツベグホリスティック) +11秒
5 ニキータ・ソコロフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +35秒
6 エフゲニー・ネポムニャンフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +37秒
8 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +39秒
15 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +1分25秒
59 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +23分59秒
63 中西健児(キナンサイクリングチーム) +25分36秒
74 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +31分40秒

スプリント賞
1 リック・オッテマ(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム) 12 pts

山岳賞
1 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) 30 pts
7 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)10pts
19 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)1pts

ヤングライダー賞
1 アレクセイ・ヴォロシン(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) 11時間40分18秒
34 中西健児(キナンサイクリングチーム) +25分36秒
43 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +31分40秒

チーム総合
1 ヴィノ・アスタナモータース 35 時間1分41秒
9 キナンサイクリングチーム+25分16秒

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