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マトリックスがレース支配吉田隼人がスプリント制し今季3勝目 Jプロツアー「まえばしクリテリウム」

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアー第17戦「第2回JBCFまえばしクリテリウム」が9月23日、群馬県前橋市の群馬県庁、前橋市役所周辺特設周回コースで開催され、吉田隼人(マトリックスパワータグ)が集団スプリントを制し今季3勝目を飾った。

吉田隼人(マトリックスパワータグ)が集団スプリント争いを制してJプロツアー第17戦の「まえばしクリテリウム」で優勝 Photo: JBCF 全日本実業団自転車競技連盟

県都を疾走 一般レースも開催

コースは群馬県庁が背後に控える地点がスタート・フィニッシュ地点に設定される好立地 Photo: Nobumichi KOMORI

 昨年に続き2回目の開催となったまえばしクリテリウム。群馬県の中心地とも言える県庁と前橋市役所の周辺に設定された1周3.5kmの公道特設周回コースは、基本的にフラットなレイアウトながらも、利根川にかかる県道10号線の橋の180度コーナー、テクニカルなS字コーナーなどが織り込まれており、踏み直すパワーとテクニックの両方が求められるコースと言える。

 午後の実業団レースを前に、午前中には併催レースとして一般の部のまえばしクリテリウム2017が行われ、3歳以上の未就学児によるキッズレースから一般チャンピオンレースまで6カテゴリーのレースを実施。会場のボルテージが十分に高まった中で実業団レースが行われることになった。

実業団レースの前には一般の部レースが併催され、キッズレースなどが行われた Photo: Nobumichi KOMORI
個人ランキング上位選手を前列に選手たちが整列する Photo: Nobumichi KOMORI

序盤からアタック合戦に

 最高カテゴリーのP1クラスタは、ニュートラル走行を終えてアクチュアルスタートが切られた直後から、逃げを作りたい選手たちが積極的にアタックを仕掛け合う展開に。その中から高木三千成(東京ヴェントス)と横山航太(シマノレーシングチーム)の2人が飛び出し、集団からリードを奪う形でファーストラップを終えるも、ほどなくして集団に吸収される。

グリーンドーム前橋を背に集団がハイスピードで進んでいく Photo: Nobumichi KOMORI

 その後も激しいアタック合戦が続くも決定的な逃げが決まらない状態が続くが、3周目になると昨年同レース優勝の入部正太朗(シマノレーシングチーム)と、岸崇仁(那須ブラーゼン)、北野普識(イナーメ信濃山形)の3人が、4周目には馬渡伸弥(宇都宮ブリッツェン)と小山貴大(シマノレーシングチーム)が集団から飛び出してリードを奪う状況を作る。

 しかし、この頃には吉田での集団ゴールスプリントを狙うマトリックスパワータグが集団前方を陣取り、レースをコントロールする構えを見せており、それぞれの飛び出しは集団に吸収されてしまう。

昨年優勝の入部らが逃げを形成

ハイスピードのまま進むレースに集団が伸びる Photo: Nobumichi KOMORI

 マトリックスパワータグがコントロールするひとつの集団のまま進むかと思われたレースが動いたのは5周目。桐野一道(VC Fukuoka・サイクルフリーダム)のアタックに集団からは入部、吉岡直哉(那須ブラーゼン)、飯野智行(宇都宮ブリッツェン)が反応し、これらの動きにチェックに入った安原大貴(マトリックスパワータグ)を含む5人の逃げ集団が形成される。

 さらに集団から水野恭兵(インタープロ サイクリング アカデミー)が単独でブリッジをかけて逃げ集団は一時6人となったが、その後、桐野がドロップして集団に戻ったことで、逃げ集団が再び5人となる。

 このレースに出場するUCIコンチネンタルチーム5チームの選手が1人ずつ入った5人の逃げ集団は、協調しながらメイン集団とのタイム差を10秒程度に維持して逃げ続ける一方、メイン集団はツアーリーダーチームのマトリックスパワータグがコントロール。レースはしばらく、5人の逃げ集団とメイン集団という形のまま周回を重ねていくこととなった。

安原大貴が集団に戻り、入部正太朗、水野恭兵、飯野智行、吉岡直哉の4人が逃げ続ける Photo: Nobumichi KOMORI

逃げを追い詰めるマトリックスパワータグ

 レースが再び動きを見せたのは、残り5周回となる10周目。メイン集団をコントロールするマトリックスパワータグのアシスト陣に疲れの色が見え始めとことを受けて、逃げ集団の安原がメイン集団に復帰。レースは4人の逃げ集団と、マトリックスパワータグがコントロールするメイン集団となる。

ルビーレッドジャージのホセビセンテ・トリビオもコントロールに加わったメイン集団が逃げ集団とのタイム差を縮めていく Photo: Nobumichi KOMORI
逃げ集団の4人の中でも思惑がズレ始める Photo: Nobumichi KOMORI

 この頃になると、4人の逃げ集団の中でも逃げ切り勝利を狙いたい入部と吉岡、メイン集団内にいるエースでのゴールスプリント勝負にしたい飯野と水野で意識にズレが生じ始め、入部と吉岡の2人が先頭を引く時間が長くなっていく。逆に、メイン集団ではツアー首位の証・ルビーレッドジャージを着るホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)もコントロールに加わったことで次第にペースアップ。逃げ集団とのタイム差が少しずつ縮まっていった。

佐野が先頭で強烈なけん引を見せるメイン集団が逃げ集団に迫る Photo: Nobumichi KOMORI

 その後も懸命に逃げ続ける4人の逃げ集団に対し、独走力に優れる佐野淳哉(マトリックスパワータグ)がコントロールに加わったメイン集団は一気にタイム差を短縮。残り2周となる13周目についに逃げ集団を吸収し、レースは振り出しに戻って最終周回を迎えることになった。

吉田が万全のスプリントで完勝

 最終周回に入ると、集団をコントロールし続けるマトリックスパワータグに対して、宇都宮ブリッツェンやシマノレーシング、那須ブラーゼンも隊列を組んでゴールスプリントに向けた位置取り争いを開始。各チームが競り合う形で県道10号線にかかる橋の180度コーナーへ。ここで阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)を引き連れて集団先頭に出る状況を作るが、この動きを土井雪広(マトリックスパワータグ)がしっかりと潰し、レースは残り1km。結局、土井、アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)にリードアウトされて最終コーナーを先頭で立ち上がった吉田が、万全の状態でスプリントを開始して、今季3勝目となる優勝を飾った。

チームメートのアシストを受け万全の状態でスプリントを開始した吉田隼人 Photo: Nobumichi KOMORI
余裕のスプリントで今季3勝目を挙げた吉田隼人。ジャージにキスをして優勝の喜びを爆発させる Photo: Nobumichi KOMORI

 優勝した吉田は「チームとしてはしっかりと選別した逃げを行かせて、集団をきっちりまとめて最後は自分のスプリントという作戦だった。逃げのメンバーの中にはチェックしていた危ない選手もいて選別という部分では難しくなってしまい、佐野さんと田窪(賢次)に加えて明日のレースでエースとなるホセ選手にもコントロールに加わってもらうことになってしまった。ただ、その苦しくなった時も逃げに乗っていた大貴(安原)を戻すなど、選手間でしっかりコミュニケーションをとりながら修正もできたのが良かった。明日のレース次第ではホセ選手の個人ランキング1位がさらに確実になると思いますし、チームランキングも調子が良い時にしっかりと引き離しておきたいと思います」と、チームの現状に手応えを感じているようだった。

上位3選手。左から2位の中村龍太郎、優勝の吉田隼人、3位の秋田拓磨 Photo: Nobumichi KOMORI
スプリント賞の表彰を受ける3選手。左から3周完了時の小山貴大、12周完了時の吉岡直哉、6周、9周完了時の安原大貴 Photo: Nobumichi KOMORI
ルビーレッドジャージはホセビセンテ・トリビオが、ピュアホワイトジャージは大前翔が堅守した Photo: Nobumichi KOMORI

 なお、ツアーリーダーの証のルビーレッドジャージはトリビオが、23歳未満のランキングトップの選手が着用するピュアホワイトジャージは大前翔(東京ヴェントス)がともに堅守している。

 次戦は翌24日、「JBCFまえばし赤城山ヒルクライム」が群馬県前橋市で開催され、21.5kmの上りで争われる。

Jプロツアー第17戦「まえばしクリテリウム」結果
1 吉田隼人(マトリックスパワータグ) 1時間4分10秒
2 中村龍太郎(イナーメ信濃山形) +0秒
3 秋田拓磨(シマノレーシングチーム)
4 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
5 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
6 下島将輝(那須ブラーゼン)

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