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ツール・ド・モルッカ最終第5ステージ椿大志が小集団スプリントを制しステージ2連勝 キナンはポイント、山岳、チーム総合を獲得

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 ツール・ド・モルッカ最終第5ステージが9月22日に開かれ、第4ステージでUCIレース初優勝となる独走勝利を挙げた椿大志(キナンサイクリングチーム)が、今度は少人数でのスプリントを制しステージ2連勝を飾った。これによりキナンは第3ステージのリカルド・ガルシア(スペイン)から3連勝。個人総合ではジャイ・クロフォード(オーストラリア)が2位となったほか、山岳賞をガルシア、スプリント賞は土壇場での逆転で椿が獲得。チーム総合も制し、大会を通して高いチーム力を示す結果となった。

小集団スプリントを制した椿大志。前日の第4ステージに続く圧巻の2連勝 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 キナンにとって日本人選手によるUCIレース初勝利から一夜明け、大会の最終日もアグレッシブに攻めることを確認。第1ステージから個人総合2位に位置するクロフォードの逆転総合優勝を狙って選手たちがスタートラインについた。

 このステージは82.9kmと短いうえにおおむね平坦基調ながら、4級山岳に加え、レースが行われているアンボン島のシンボルである大型ケーブル橋「ジェンバタン・メラー・ プティ」のアップダウンが前半に控える。実際に、この2カ所で逃げグループが決まった。

アンボン島のシンボル「ジェンバタン・メラー・プティ」を渡るプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU
コース左右を観客が埋め尽くす Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 まず、4級山岳の上りで椿を含む数人が前方をうかがうと、ジェンバタン・メラー・プティでトマ・ルバ(フランス)が加わりペースアップ。今大会では再三にわたり登坂力の違いを見せつけてきたルバの走りが生き、8人がレースを先行。キナン勢ではクロフォード、ガルシア、阿曽圭佑がメイン集団に待機した。

 メイン集団では、個人総合首位のマーカス・クレイ(オーストラリア)擁するセントジョージコンチネンタルがコントロールを担うが、力のある選手がそろった逃げグループの勢いが勝る。距離を追うごとにその差は広がっていき、アンボン市街地に入る頃には3分以上のリードを築いた。

「ジェンバタン・メラー・プティ」の上りをこなす阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
8人の逃げグループにトマ・ルバが入る Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 約6kmを7周回するアンボン市街地の周回コース。直線が長く、時折テクニカルなコーナーもあるレイアウト。大観衆の中を5日間戦い抜いた選手たちが凱旋の時を迎える。快調な逃げグループの一方で、メイン集団はセントジョージコンチネンタルのアシスト陣が力尽き、スプリントに賭けたい地元インドネシアやマレーシアのチームが前方へ。ペースアップを図るが、前を行く8人には追いつきそうにない。終盤に入って逃げ切りが濃厚な情勢となった。

 ステージ優勝を目指す先頭の8人にあって、ルバの牽引力がひときわ光る。長い時間先頭を引き続け、ライバルたちの消耗を誘った。また、椿は周回コースに設けられた2度の中間スプリントをそれぞれ3位と2位で通過。フィニッシュでの着順次第では逆転でのポイント賞獲得も見えてきた。

トマ・ルバ、椿大志が入る逃げグループがアンボン市街地の周回コースへ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
個人総合で上位がかかるジャイ・クロフォードを守って進むキナン勢3選手。左からリ カルド・ガルシア、阿曽圭佑、ジャイ・クロフォード Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 そしてレースは最終周回へ。2人を逃げに送り数的優位を作り出したキナン勢。ルバが主に前へ出て、椿とともに仕掛けどころを探る。8人が見合ったまま、残り1kmを切る。

 そして決定的な瞬間はラスト200mでやってきた。スプリントを意識して牽制を繰り返すライバルを横目に、椿が渾身のアタック。ライバルたちが対応に躊躇したことも幸いし、あっという間に差が広がった。最終コーナーを抜けると残り100m。椿がトップを守ったままフィニッシュ前へとやってきた。後方ではようやくスプリントを開始、椿に迫る。

残り数十メートル。後方ではトマ・ルバが椿大志の勝利を確信しガッツポーズ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 それでも最後まで勢いが衰えなかった椿は、後続の追い上げをかわしてトップでフィニッシュラインを通過。前日は独走での逃げ切り勝利だったが、今回は小集団でのスプリント勝負をものにしてのステージ優勝。今回の逃げグループにはスプリント力のある選手が多くそろっていたが、それを勝負強さで上回ってみせた。

 これで椿はステージ2連勝。キナンにとっては今大会ステージ3連勝となった。また、椿の勝利をアシストしたルバは7位、他3選手が控えたメイン集団は椿から1分59秒差でフィニッシュした。

2日連続の勝利の雄たけび Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団でフィニッシュしたチームメートも椿大志の勝利を祝福。5人そろって記念撮 影 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 全5ステージを終えて、クロフォードが個人総合2位、ルバが同4位を確定させたほか、ガルシアが山岳賞、チーム総合1位も決めた。さらに、最終ステージを制した椿は1位フィニッシュによる大量のポイントを獲得。逆転でポイント賞を手にした。タイトルの獲得に加え、ステージ3連勝など、初開催のツール・ド・モルッカで強さを見せつけたキナン。引き続きUCIアジアツアーを転戦し、次戦は9月27~30日のツール・ド・バニュワンギ・イジェン(UCIアジアツアー2.2)。インドネシアでの連戦となる。

ステージ上位3選手の表彰 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
4賞ジャージがならぶ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
初開催のツール・ド・モルッカで確かなチーム力を示したキナン。次戦 は同じインドネシアでツール・ド・バニュワンギ・イジェンに臨む Photo: Syunsuke FUKUMITSU

椿大志コメント「これしかない、という勝ち方」

「仕掛けたのはラスト200m。フィニッシュが迫っていても牽制が続いている状況だった ので隙をついて思い切ってアタックした。スプリント力のある選手も逃げに入っていたので、真っ向勝負すると分が悪い。これしかない、という勝ち方ができた。第4、第5ステージともに、消耗戦の中で勝負するという得意の展開に持ち込むことができたのが勝因だと感じている。ジャイの総合を最優先に走っていたので、自分に勝ちがめぐってきたのは本当にラッキーだった。今大会には各選手それぞれにチャンスが与えられていて、その中で自分がこれだけ走れるというものをアピールできたのはよかった」

■ツール・ド・モルッカ第5ステージ結果(82.9km)
1 椿大志(キナンサイクリングチーム) 1時間52分33秒
2 モハド・マットアミン(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +0秒
3 パク・サンホン(韓国、LX サイクリングチーム) +0秒
4 イマム・ムー(インドネシア、KFC サイクリングチーム) +0秒
5 ムハマド・アズマン(マレーシア、チーム サプラサイクリング) +0秒
6 ルストム・リム(フィリピン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) +0秒
7 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +2秒
22 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +1分59秒
39 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +1分59秒
46 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +1分59秒

■個人総合時間賞
1 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 15 時間 18 分 31 秒
2 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +5 秒
3 ジェシー・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ)+9秒
4 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +4分22秒
5 パク・サンホン(韓国、LX サイクリングチーム) +6分20秒
6 エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) +6分41秒
12 椿大志(キナンサイクリングチーム) +7分44秒
16 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +8分22秒
39 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +12分55秒

■ポイント賞
1 椿大志(キナンサイクリングチーム) 40 pts
4 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 21 pts
12 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) 15 pts
18 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) 9 pts

■山岳賞
1 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) 10 pts
3 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 7 pts
7 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) 2 pts

■チーム総合
1 キナンサイクリングチーム 46時間6分5秒

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