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サイクリスト

ボランティア参加の大宅陽子さんがレポート難病と闘う子供たちへ 「乗鞍センチュリー・チャリティーライド」 でビーズに込める勇気とパワー

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 長野県の乗鞍岳を舞台とする「第9回乗鞍センチュリー・チャリティーライド」が9月3日に開催されました。小児がんなど重病の子どもとその家族を支援するNPO法人「シャイン・オン・キッズ!」が主催し、参加費の一部が寄付として活用されるのはもちろん、走ることで子どもたちを勇気づけられるイベントです。乗鞍岳を1周し、距離157㎞、獲得標高約4000mを走るチャレンジライドの様子を、出走したサイクリストでヨガインストラクターの大宅陽子さんのレポートでお届けします。

乗鞍岳山頂にて。腕には勇気のビーズ Photo: Yoko OYA

◇         ◇

「一人じゃない」その思いを力に

 「シャイン・オン!キッズ」は「ビーズ・オブ・カレッジ」という、小児がんや重い病気に苦しむ子ども達が自身の闘病生活での治療過程をビーズを繋ぐことで記録し、治療や自分自身を前向きに受け止めるためのプログラムを支援しています。乗鞍センチュリー・チャリティーライドは、その「シャイン・オン!キッズ」への寄付を目的としてスタートしました。

受付でピンときたビーズを選んでもらう Photo: Yoko OYA
ビーズに勇気を込めるためにも精一杯走る Photo: Yoko OYA

 このライドでは、プログラムの1つ「チーム・ビーズ・オブ・カレッジ」にライダー全員が参加します。2つのビーズを腕につけて走り、一つは乗鞍岳1周という雄大で過酷なコースに挑む勇気と、困難に打ち勝って完走した強い思いや力をビーズに込め、ライド後にシャイン・オン!キッズへ贈ります。そのビーズは、手術など勇気が必要な治療に臨む際に子ども達に手渡されます。

私からライダーの皆さんへのエールとしてサイクリストヨガレッスンを無料開催 Photo:Kazuhiro SUZUKI

 私がシャイン・オン!キッズボランティアとしてプレゼンターをさせていただくのは今回で3回目。チャレンジングなコースですが、参加される方々は全員前日の寝食を共にする、とてもアットホームなイベントでもあります。何回参加しても感動と達成感があり、毎年参加することをとても楽しみにしています。前日のディナーは、恒例の屋外バーベキュー。今年はメキシコ料理をテーマに美味しい食事が並びました。

前日の夜はミーティングとバーベキュー Photo: Kotona IWASA
メキシコ料理で明日へパワーチャージ Photo: Yoko OYA

乗鞍を越えて野麦峠へ

 イベント当日は朝5時45分にスタート。最初に乗鞍エコーラインを目指します。早朝の薄霧の中を進み、森林限界を超えたあたりから雲の上へ。標高2720mの乗鞍岳山頂で清々しい空気の中で深呼吸をし、岐阜県側の乗鞍スカイラインを下ります。晴天にも恵まれ、絶景についペダルを漕ぐ脚が止まります。

スタート前の記念撮影 Photo: Kazuhiro SUZUKI
乗鞍エコーライン。晴天に恵まれた絶景の中を走る Photo: Yoko OYA
マイカー規制区間のため、静かにライドを楽しめる Photo: Yoko OYA
景色を楽しむことができるのもロングライドならでは Photo: Masahiro MINOWA
ここからが本番。乗鞍を下り岐阜に向かう Photo: Masahiro MINOWA

 一息ついたら平湯峠を通り、高山方面へ。心地よい下り基調のコースは爽快です。休憩の後、美女峠へ。美女の名にふさわしい見晴らしのよい峠なのですが、随所に9%の看板が立っています。コーナーの先は下り…と思わせてまだ上る、なかなかに思わせぶりな峠です。ようやく美女高原を経て、腹ごしらえ。エネルギーをチャージし、ライド再開。「ああ野麦峠」など歴史的にも有名な野麦峠へ向かいます。

乗鞍スカイラインは海外の山岳レースで見るような景色が続く Photo: Yoko OYA
乗鞍スカイラインは、エコーラインと一味違う景色が楽しめる Photo: Masahiro MINOWA
エイドステーションにて。乗鞍1本ではまだまだ余裕の表情 Photo: Kazuhiro SUZUKI
野麦峠へ向かう途中。ここからは自分との戦い Photo: Kazuhiro SUZUKI

 手前にある寺坂峠を越え、野麦峠を超えるルートは上り始めからの距離が約20km、獲得標高約1000m。勾配も所々8%を超え、2000m近く上ってきた脚に追い打ちをかけます。徒歩で進むのはさぞ大変だったろう…と昔に思いを馳せながら、ひたすらにペダルを回します。

 このライドはレースではありません。しかし、自分のベストを尽くしてこそ子ども達に送るビーズと添えるメッセージに偽りのない応援する気持ちが込められると私は思っています。麦草峠も、腕につけたビーズに視線を送りつつ上り切ることができました。

困難に負けずベストを尽くす

無事ゴール! Photo: Yoko OYA

 ここから長野に戻り、最後の砦、白樺峠へ。距離は約10km、平均勾配6%の林道です。3000m以上を上り、もう何も残っていない脚。その脚を自分の気持ちだけで回していきます。もう少しでライドが終わってしまうことが残念なような、もう次のカーブで終わりにしてほしいような。ただひたすらに頑張ると、景色が開け、峠の頂上へたどり着きました。ゆっくりと景色を楽しみながら乗鞍高原に戻り、ゴール。北アルプスを存分に満喫したライドでした。

今年も無事完走できました Photo: Masahiro MINOWA
松本市在住の中島武典さん(左)は「辛いコースを走り切った力をビーズに込めて送りたい」と話した。小林卓史さん(中)は5回目、地元のミタニサイクルマインドの三谷寛志さん(右)は7回目の参加 Photo: Yoko OYA

 このライドはレースではなく、勇気を持って一歩を踏み出し、困難に負けずベストを尽したライダーが称賛されます。心と体の準備ができたら、来年は一緒にチャレンジしてみませんか。

初参加の井口泉さんは広島市在住。「終わらない坂はない。送るビーズが治療を乗り越えられる力になれば」 Photo: Yoko OYA
岐阜県加茂郡在住の今井裕之さん。フロントがインナーで41T、リアが21T。自ら難易度を上げ、見事完走。「メッセージには大変だけど頑張った気持ちを書き添えようかな」 Photo: Yoko OYA
主催のノーススター代表の山口謙さん。「自転車には早く、長く乗るだけではない魅力がある。このイベントを通して小児がんと闘う子ども達への理解を深め、参加される皆さん自身の生き方を考えるきっかけにしてほしい。また、このイベントは一人では走り切れない。ライダー同士の繋がりを作る場所にもしてもらえたら」 Photo: Yoko OYA
主催の株式会社ウォークライドの須田晋太郎さん。「このイベントは自転車を通じた社会貢献に繋がっている。これからも様々なイベントを通じて地域や社会に貢献していきたい」 Photo: Yoko OYA

 また、「チーム・ビーズ・オブ・カレッジ」はロードバイクのライドに限らず、何かにチャレンジする時に個人的に申し込み参加することができます。私も、ヒルクライムレースに参加する時は毎回参加しています。NHKの自転車情報番組『チャリダー★』の「坂バカ女子部」のメンバーとして参戦するレースでも必ず身に着けています。何かにチャレンジするときなど、参加してみてはいかがでしょうか。

大宅陽子大宅陽子(おおや・ようこ)

自転車情報番組NHK BS1『チャリダー☆』(毎週土曜18:00~18:25)に坂バカ女子部メンバーとして出演。坂を上ることをこよなく愛する。2013年まえばし赤城山ヒルクライム大会年代別1位。また、ヨガインストラクターとして、サイクリストへのヨガレッスン「サイクリストヨガ」を提供している。Facebookページ

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