スマートフォン版はこちら

サイクリスト

参加者と地元の絆、より深く5年目の「ツール・ド・東北」 台風18号の影響でコース短縮も3721人が快走

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
  • 一覧

 東日本大震災で被災した宮城県沿岸部を自転車で走る「ツール・ド・東北2017」が9月16、17日の2日間にわたって開催され、全国から集まった3721人のサイクリストが被災した宮城県沿岸部に設けられた各コースを自転車で駆け抜けた。台風18号の影響で、参加者の安全を考えた主催者は、5つのコースのうち、4つで距離を短縮して開催。安全な運営で問題なく大会が終了した。今年は16日に東松島市周辺70kmを走る「奥松島グループライド&ハイキング」も初開催。同日に開催された「牡鹿半島グループライド」と合わせて参加者は7つのコースを楽しんだ。

朝6時30分、石巻専修大をスタートする参加者 Photo: Kenta SAWANO

前日16日に短縮決定

 震災から6年、大会は節目の5回目を迎えた。例年通りスタート・ゴール会場の石巻専修大学には、早朝から参加者と大会スタッフが交流する歓声が響いた。スタート前には、東日本大震災の犠牲者に黙とうが捧げられ、復興への思いを新たにした。朝5時30分、気仙沼フォンド(北上フォンドに短縮)を皮切りに、参加者たちは笑顔で石巻を飛び出していった。午前8時までは時折日も差すさわやかな朝だった。

発走前に黙とうする参加者 Photo: Kenta SAWANO
出走前に「東北の皆さん、頑張ってください」とあいさつするムギちゃん(右)とグリーンダカラちゃん Photo: Kenta SAWANO

スタートとゴール重なる事態に対処

距離が短くなった南三陸フォンドのサイクリスト(右)は女川・雄勝フォンドの参加者がスタートを待つ横をゴール Photo: Kenta SAWANO

 台風18号の接近に伴い、17日午後から天候の悪化が見込まれ、大会主催者は前日の16日にコースの縮小を決定。気仙沼フォンド(210km)が北上フォンド(100km)に、南三陸フォンド(170km)と北上フォンド(100km)が女川・雄勝フォンド(65km)に組み込まれ、距離を縮小して開催することになった。気仙沼をスタートし石巻にゴールする気仙沼ワンウェイフォンドは一部区間を10kmカットして行われた。

 午前6時過ぎにスタートした南三陸フォンドの参加者は、距離が短くなったため、午前9時30分には石巻専修大にゴール。まだ女川・雄勝フォンドのスタートと重なったが、運営側がスタート・ゴール地点を分割することで、2つのコースの参加者はゴールとスタートを切ることができた。

仮設住宅の前でエールを送る地元の方たち Photo: Kenta SAWANO

 東松島市から参加した遠藤友和さんは「100km(北上フォンド)を走る予定で、神割崎ASの『シーフードカレー』を食べるために参加したので残念。でも台風はしょうがないので、来年は220km(気仙沼フォンド)を目指します」とリベンジを誓った。南三陸フォンドに出場した小畑英樹さんも「距離は短くなったが、ずっと晴れていて海沿いの景色は忘れられないほど、きれいでした」と話した。

復興途中の女川湾を見下ろしながら笑顔でヒルクライム Photo: Kenta SAWANO 

 地元の協力のもと各エイドステーションでは地元グルメがふるまわれ、女川ASではさんまのつみれを入れた「女川汁」が、雄勝ASではホタテ焼きが4000枚ほどふるまわれ、サイクリストたちの舌を満足させた。

女川ASではサンマのつみれが入った「女川汁」がふるまわれた Photo: Kenta SAWANO
雄勝ASでは約4000個のホタテが振る舞われた Photo: Kenta SAWANO
民泊を受け入れている齋藤伊平さん、洋子さん夫妻(中央)は、民泊に来た女性サイクリストと記念撮影。左端は畠山靖子さん。右から小笠原奈都美さん、江村遊さん Photo: Kenta SAWANO

 参加者を大会期間中、自宅でもてなす「民泊」を行った齋藤伊平さんは女川・雄勝フォンドに初出場。ゴール後に民泊で各地から自宅に訪れた参加者と記念撮影した。札幌市から来た畠山靖子さんは「ライドも楽しいんですが、齋藤さんのお宅に泊まって地元の魚介類をいただくのを楽しみに参加しています。きょうももう1泊しますが、“帰りたくない病”になっています」と地元のおもてなしのとりこになっている。

 心配された台風の影響はほとんどなく、参加者がほとんど完走した午後3時過ぎ、主催者Yahoo!の天気予報通り、雨が本降りになった。午後3時までに終了を目指した運営側の方針がピタリとはまった形だ。

「奥松島グループライド&ハイキング」で大高森までハイキングし語り部の話を聞く Photo: Kenta SAWANO
夫婦で初の「奥松島グループライド&ハイキング」を満喫した金澤綾乃さん(手前)と正吾さん(後方) Photo: Kenta SAWANO

 16日には、東松島市周辺70kmを走る「奥松島グループライド&ハイキング」が初開催。東京都の金澤正吾さん・綾乃さん夫妻は「大高森から見下ろす松島が絶景でした。前回は100kmコースを走りましたが、この地域も海岸線が更地になっていたので来年、再来年も参加して復興の様子を見ていきたいです」と話した。5年目を迎えた「ツール・ド・東北」は充実した7つのコースで、参加者と宮城の絆をより深くした。

※取材費用の一部をヤフー株式会社が負担しています。

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・東北

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載