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ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第2ステージ横風区間で強襲のクイックステップ 独走に持ち込んだランパールトが初勝利

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージは、ニームからグリュイッサン.グラン・ナルボンヌの203.4kmで争われ、終盤の横風区間で仕掛けたクイックステップフロアーズの攻撃が実り、イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)が自身初のグランツールでのステージ勝利をあげ、マイヨロホを獲得した。集団が分断した影響で、わずかながら総合勢同士にもタイム差がつく結果となった。

ステージ優勝を飾ったイヴ・ランパールト。後ろではチームメイトのマッテーオ・トレンティンもガッツポーズ Photo : Yuzuru SUNADA

横風を警戒 逃げは許されず

 山岳ステージだらけのブエルタでは、平坦ステージといえども他のグランツールやステージレースなら山岳ステージに分類されてもおかしくないようなコースレイアウトもあるなか、第2ステージはスタートからフィニッシュまで完全にフラットなピュア平坦ステージだ。しかし、ほぼ全区間に渡って横風が吹くという予報があり、中にはクイーンステージである第20ステージのフィニッシュ地点であるアングリルになぞられて、「今日はアングリル並に警戒すべき日だ」と語るチームもあり、集団はナーバスになっていた。

4賞ジャージを独占するBMCレーシングは積極的に集団牽引を担った。スタート前には、ニームの闘技場の前で記念撮影も Photo : Yuzuru SUNADA

 レーススタートから、逃げを試みる選手はいるものの、トレック・セガフレードが引く集団にことごとく捕えられる。さらにBMCレーシングチーム、チーム スカイ、カチューシャ・アルペシンなどリーダーチームや総合上位を狙うチームも協調して、集団はハイペースを維持。逃げを許さない姿勢を見せた。スタートして2時間の平均時速は44.9kmを記録していた。

 残り75km地点付近のコーナーを曲がり、集団の進路が変わったところで総合狙いのチームが横風集団分断作戦を実行してきた。バーレーン・メリダとトレック・セガフレードが集団のスピードアップを試みるものの、他に協調するチームは現れず、攻撃は不発に終わった。

 残り60km地点付近、道幅が狭くなったところで集団後方で大落車が発生。多くの選手が地面に叩きつけられ、アナス・アイトエルアブディラ(モロッコ、UAE・チームエミレーツ)、ハビエル・モレノ(スペイン、バーレーン・メリダ)がリタイアに追い込まれた。総合優勝を狙うヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)にとって、早くも貴重なアシストを失う結果となった。

積極的に動いたカチューシャ・アルペシンのエース、イルヌール・ザカリン Photo : Yuzuru SUNADA

 中間スプリント地点が近づくと、カチューシャ・アルペシンがペースアップを図った。アシスト2人がエースのイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)を引き連れ、横風分断作戦を仕掛けてきた。時速70kmを超えるハイスピードで集団からリードを築くと、メイン集団からは、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)自ら集団を牽いてペースアップ。フルームの走りもあって、再び集団は一つとなった。

クイックステップが横風区間で攻撃

 残り10kmを切ると、集団スプリントに向けた位置取りではなく、絶対にタイムを失いたくない総合狙いのチーム同士による激しい位置取り争いが始まった。チーム スカイがアシストを揃えて集団先頭でペースアップ。追い風の影響もあり、時速60kmを超える高速度で集団を牽引していた。集団後方では、耐えきれなくなった選手たちが千切れていき、集団は徐々に人数を減らしていった。

 残り3kmを切ると、クイックステップが集団先頭を陣取り、これまでの動きと比較にならない強烈な攻撃を開始した。ジュリアン・アラフィリップ(フランス)が先頭で凄まじい牽引を見せると、後続の集団は大分裂。クイックステップ勢は7人ほどの小グループを率いて、バラバラの集団を置き去りにした。

 残り1km付近で、ランパールトがアタックを仕掛けた。元いた小グループとの差を一気に開くと、そのままロングスパートを決めてステージ優勝を飾った。マッテーオ・トレンティン(イタリア)もステージ2位に入り、クイックステップはワン・ツーフィニッシュ。またボーナスタイムを獲得したランパールトが、総合首位に浮上しマイヨロホとマイヨプントスを獲得した。

マイヨロホに袖を通したイヴ・ランパールト Photo : Yuzuru SUNADA

 ランパールトにとって、自身初めてとなるグランツールでのステージ優勝だった。今シーズン、ドワルス・ドール・フラーンデレンでも、チームメイトのフィリップ・ジルベール(ベルギー)と巧みな連携を見せ、勝利を収めていた。また、ベルギーのTTチャンピオンにも輝いているように、独走力だけでなくスプリント力も高い選手だ。

総合有力勢にタイム差

ライバルたちから8秒タイムを挽回したヴィンチェンツォ・ニーバリ Photo : Yuzuru SUNADA

 一方で、クイックステップの強襲を受けた総合有力勢は、幾分かタイム差がつく結果となった。ニーバリは先頭集団に食らいつきタイム差なしのステージ10位に入った。5秒遅れでエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)、8秒遅れでフルーム、ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム)らが、13秒遅れでザカリン、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール)などがフィニッシュした。ニーバリにとっては、初日のチームタイムトライアルで失ったタイムを多少挽回することができた。

 第3ステージは、フランスからスペインに入国し、最後はアンドラ公国にフィニッシュするステージだ。非常に難易度の高い山岳ステージとなっており、ラストは7.1kmのテクニカルなダウンヒルを経てフィニッシュとなる。総合勢による山岳バトルが勃発することだろう。

第2ステージ結果
1 イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ) 4時間36分13秒
2 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)
3 アダム・ブライス(イギリス、アクアブルースポーツ)
4 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
5 サーシャ・モードロ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
6 ミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
7 トム・ヴァンアスブロック(ベルギー、キャノンデール・ドラパック)
8 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム)
9 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
10 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

個人総合(マイヨロホ)
1 イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ) 4時間52分07秒
2 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) +1秒
3 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム) +3秒
4 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +17秒
5 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム)
6 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
7 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) +18秒
8 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)
9 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +21秒
10 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ)

ポイント賞(マイヨプントス)
1 イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ) 25 pts
2 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) 24 pts
3 アダム・ブライス(イギリス、アクアブルースポーツ) 16 pts

山岳賞(マイヨモンターニャ)
1 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング チーム) 3 pts
2 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング チーム) 2 pts
3 フランシスコ・ベントソ(スペイン、BMCレーシング チーム) 1 pts

複合賞(マイヨコンビナータ)
1 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング チーム) 12 pts

チーム総合
1 クイックステップ・フロアーズ 14時間04分51秒
2 BMCレーシングチーム +12秒
3 ボーラ・ハンスグローエ +15秒

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