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トレックワールド<3>ノーマルステム化した「マドン」 DHバー装着でTT&トライアスロンに最適なポジショニング

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 トレックのエアロロードバイク「マドン」が新たにノーマルステム装着モデルがラインナップに追加された。ポジションを細かく調整ができるようになったほか、DHバーの装着が可能に。トライアスロンやタイムトライアル(TT)レース出場時に最適なバイクとなった。

エアロロードのトレック「マドン」が新たにノーマルステムを装備してラインナップに加わった Photo: Shusaku MATSUO

細かいポジション調整が可能

 オールラウンドバイクとしてトレックで長くラインナップされてきたマドン。以前はツール・ド・フランスを制した過去もあり、山岳ステージでも選手の力を余すことなく引き出してきた。昨今、レース用ロードバイクでエアロ化が進むなか、マドンもこの流れに対応し、TT用バイクに匹敵、またはそれ以上の数値を叩きだす空力性能を実現。エアロ化を果たした新マドン2017年モデルからトレックのラインナップに加わっている。

アタッチメントバーも容易に装着が可能 Photo: Shusaku MATSUO

 マドンの性能はエアロ効果だけではない。ドマーネに取り入れられたISOスピード機構をシートポスト付け根とヘッドチューブ内部に取り入れた。ドマーネはいくつものモニュメント、石畳のクラシックレースを制したファビアン・カンチェッラーラ元選手がテストを行い完成させたバイク。路面からの振動を吸収、いなしながら、スピードを落とすことなくライダーのパワーを推進力に変換し、数多くのレースで勝利を収めてきた。頭を低く構えたエアロポジション時でも、路面からのショックを気にすることなくペダリングでき、前へと突き進める。

 しかし、万能に見えるマドンにも弱点があった。2017年モデルでラインナップされる完成車ではステムとハンドルが一体となったモデルしかチョイスすることができない。上級者で自らのポジションを計算できるライダーは問題ないだろう。しかし、ビギナーや中級者は、ラインナップされるハンドルが体に合わなければマドン自体を選ぶことが難しい。

体に合わせたポジションの調整も可能となった Photo: Shusaku MATSUO

 そこで2018モデルに登場した「マドン9.0」はステムとハンドルをノーマル化。ハンドルの角度を好みで変更できるほか、ステム長もあとから変更することが可能に。31.8mmのハンドル径には、アタッチメントでDHバーが装着できるようになり、DHポジションを取れるようになった。TTバイクが使用不可で、エアロ効果に優れたロードバイクにDHバーを装着したかったトライアスリートにとっては待望だったであろう。

 フレームはトレック独自のカーボン素材「OCLV600」を使用。100万円を超える上位モデルと同グレードの素材だ。シマノの最新コンポーネント「R8000系アルテグラ」がインストールされ、ホイールはボントレガー「アイオロスコンプ5」が装着。十分にコストパフォーマンスに優れているといえるだろう。

ホイールはディープリムの「アイオロスコンプ5」を装備 Photo: Shusaku MATSUO

 エアロロード化したマドンに死角はほぼないと以前インプレッションを行った際に感じていた。平坦での巡行性能は言うまでもなく、上りではダンシングでリズムよく軽快に反応。上半身に力を込め、トルクとパワーを高めたスプリントをしても上限を感じさせない伸びを見せる。トレック・セガフレードの別府史之がジャパンカップクリテリウムで、並みいるスプリンターを退け、超高速のスプリントで勝利した姿が記憶に新しい。真のオールラウンダーバイクだ。

一台二役で性能を発揮

 今回、DHバーを装着したモデルに試乗。頭を下げ、上半身の重心をアームレストにかけて走行し、巡行性能を確かめた。予想はしていたが相性は良い。DHポジション時に気になる路面からのショック、振動はヘッドチューブとシートチューブのISOスピードが吸収。長時間負担のかかるポジションを可能にするため、タイムに直結するだろう。

まるでTTバイクのような巡行性能で、DHバーとの相性も抜群だった Photo: Kenichi YAMAMOTO

 また筆者はハンドルポジションをあと1cmほど遠くにしたいと感じた。以前の一体化ハンドルバーであれば妥協してしまうポイントではあるが、シリアスレーサーほど煮詰めたいところ。もちろん、一体化ハンドルバーも素晴らしい剛性とエアロ効果を持ち合わせていたが、万人にフィットするノーマルステムモデルも歓迎したい。

 トライアスリートにとっては待ちに待ったラインナップだが、TTレースに出場したいロードレーサーにも朗報だろう。DHバーを簡単に増設できるうえ、電動コンポーネントで組み上げればブルホーンバーの装着も難しくない。あとはバトン、ディスクホイールを装着すれば一級品のTTバイクの完成だ。1台で2種目の競技に対応が可能となる。

 ノーマルステムになったことでポジションの自由度が高まり、さらに価格も下がったことでマドンの恩恵を受けるサイクリストが増えることになりそうだ。

トレック「マドン9.0」
税抜価格:550,800円
カラー:Viper Red/Trek White、Matte Dnister Black/Quicksilver
コンポーネント:シマノ「R8000」アルテグラ
サイズ:50、52、54、56、58、60cm
カーボン:OCLV600

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