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6人の先頭集団スプリントベルマーレ横塚浩平が初優勝 Jプロツアー第13戦「やいた片岡ロードレース」

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアー第13戦「第1回 JBCFやいた片岡ロードレース」が7月30日、栃木県矢板市・石関周辺特設コースで開かれ、横塚浩平(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)が6人に絞られたスプリントを制しJプロツアー初優勝を飾った。

6人の先頭集団のゴールスプリントを制した横塚浩平(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)がうれしい初優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

JR片岡駅前で華やかに開催

 Jプロツアー初開催となった栃木県大田原市・矢板市での2連戦2日目のやいた片岡ロードレースは、JR片岡駅西口のロータリーをメイン会場とし、地元特産品を使ったグルメや自転車関連メーカーなどのブースが多数ならび華やかな雰囲気の中で開催。P1クラスタは1周10.3kmのコースを9周回、92.7kmで争われる。スタート・フィニッシュライン直後の180度コーナーやその後に控える道幅の狭い農道、3km地点から始まるアップダウン区間など変化と起伏に富んだコースレイアウトになっており、常に集団が縦に伸び縮みするサイバイバルレースとなることが予想された。

メイン会場となった栃木県矢板市のJR片岡駅西口ロータリーには、朝から多くの観戦客が詰めかけた Photo: Nobumichi KOMORI
レース前のステージイベントではランキングトップ4の監督による「レジェンドスプリント選手権」が開催され、気合いのワンピースとエアロヘルメットを着用したシマノレーシングの野寺秀徳監督が優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

 レースはニュートラル区間を終えてアクチュアルスタートが切られた直後から、チームの総合力が問われる力勝負に持ち込みたいマトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングなどのランキング上位勢が積極的にアタックを仕掛け合った。前日の大田原クリテリウムで優勝した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)や入部正太朗(シマノレーシング)ら優勝候補のほか、岸崇仁(那須ブラーゼン)、水野恭兵(インタープロ サイクリング アカデミー)、内野直也(ウォークライド・シクロアカデミア)らが積極的に集団から飛び出していくが、すぐに集団が吸収する展開がしばらく続く。アタックの応酬が続くハイスピードな展開に、集団後方ではつききれずに遅れていく選手が続出。4周目に入る段階で30人ほどが遅れ、集団は60人ほどにまで人数が絞られた。

スタート直前から厚い雲がコースを覆い始める中でレースがスタート Photo: Nobumichi KOMORI
コースで一番長い上り区間で数人の選手が先行する Photo: Nobumichi KOMORI

決まらない逃げ、サバイバル展開に

 その後も各チームが積極的にアタックを仕掛け合う状況となるが決定的な逃げは決まらず、レース中盤の5周目に入っても集団は常に活性化した状態が続く。湊諒(シマノレーシング)、アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)、大前翔(東京ヴェントス)、小畑郁(なるしまフレンドレーシング)、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、才田直人(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)、中里仁(群馬グリフィン)の8人が集団から抜け出して逃げ集団を形成しようとするも集団が吸収。そのカウンターで馬渡伸弥(宇都宮ブリッツェン)が飛び出すも再び集団が吸収する。

連続するアップダウンで集団がいくつかに分断されるが、その後の平坦区間で合流する展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI
スピードが上がる下り区間で集団が縦に伸びる Photo: Nobumichi KOMORI

 6周目に入っても出入りの激しいレース展開が続く。入部、向川尚樹(マトリックスパワータグ)、馬渡、下島将輝(那須ブラーゼン)、アイラン・フェルナンデス、湊、鈴木の7選手が先行すると、後方から藤岡克麿(ヴィクトワール広島)、さらに雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)、田窪賢次(マトリックスパワータグ)、吉岡直哉(那須ブラーゼン)が合流し11人の集団が形成されたが、アップダウン区間を前に集団が吸収。その後もアタックが頻発するが逃げは決まらず、レースは7周目に。集団の人数は35人程度にまで絞られる展開となる。

入部のアタックから先頭集団が形成

残り2周に入ったタイミングでアタックを仕掛けた入部正太朗が単独で先行 Photo: Nobumichi KOMORI

 人数を減らしながらも、このまま集団でフィニッシュまで向かうかと思われたレースが動き出したのは、7周目から8周目へと入るタイミング。コントロールライン付近で入部がアタックを仕掛けると佐野と雨澤を筆頭に10人ほどの選手が反応したものの、入部がさらにペースを上げて単独で先行して集団とのタイム差を17秒程度に広げた。

 さらにタイム差を25秒ほどにまで広げて独走する入部に対して、10人ほどの追走集団からは雨澤が単独で入部にブリッジをかけて先頭は2人に。協調して先行する2人に対して、後方の追走集団からは岸、土井雪広(マトリックスパワータグ)、飯野智行(宇都宮ブリッツェン)、横塚の4選手が追い上げて先頭に合流し、先頭は6人となって最終周回となる9周目へと入った。

6人の先頭集団が最終周回へと入っていく Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周回に入ると、まず雨澤がアタックを仕掛けるが集団が吸収。そのカウンターで飛び出した入部に飯野が反応し、先頭は2人に。その後も2人で逃げ続ける先頭に対し、後方から追い上げた雨澤がアップダウン区間で合流し、先頭は宇都宮ブリッツェン2人とシマノレーシング1人の2対1の状態となる。数的には有利ながらスプリントに持ち込まれれば勝機は薄いと判断した宇都宮ブリッツェン勢は雨澤と飯野が交互に波状攻撃を仕掛けるが、入部も何とか持ちこたえる展開が続く中、残り2kmで後方から残る3選手が追いつき、勝負は6人でのスプリント勝負に持ち込まれることになった。

横塚が「理想通りのスプリント」

 最終コーナーを過ぎてフィニッシュに向かう上りに入ると、入部がスプリントを開始するが、それとほぼ同時にスプリントを開始した横塚が一気に先頭に出た。横塚がそのまま先頭を譲ることなくゴールラインを駆け抜け、自身とチームにとって初となるJプロツアー優勝を飾った。

左からプレゼンターの齋藤淳一郎矢板市長、2位の入部正太朗、優勝した横塚浩平、3位の雨澤毅明 Photo: Nobumichi KOMORI

 横塚は4月のチャレンジサイクルロードレースでも、上りゴールスプリントを制して優勝している。「上り基調のスプリントは得意なので、その状況まで残れるかどうかだと思っていました。今日はサバイバルな展開で、自分も途中で脚がいっぱいになっていて終盤は弱気になることもありましたが、そこは一緒に逃げているメンバーに助けられた部分もありました。最後は入部さんが上手くゴール勝負に入ると思っていたので、自分の後ろにいても常に入部さんを意識して、入部さんがかけ始めたらすぐに自分もかけられるようにしていました。実際、入部さんがかけると同時に自分もかけて先頭に出てそのままゴールできたので、自分の理想通りのスプリントができたと思います」と勝利を振り返った。

先頭2人も敗れたブリッツェン「若さが出た」

 一方、6人の先頭に1チームのみ2人を残しながら優勝に届かなかった宇都宮ブリッツェンの清水裕輔監督は「これまでであれば最終局面にはベテランの鈴木譲がいて仕切ってくれていたが、今日は雨澤と飯野という新しい組み合わせだったことで若さが出てしまった。新しい組み合わせでの勝ちパターンをきちんと構築していかなければと痛感した」と悔しさをにじませた。

チームとしてもうれしいJプロツアー初勝利に、登壇した宮澤崇史監督(左)も喜びのコメント Photo: Nobumichi KOMORI
ルビーレッドジャージをキープしたホセビセンテ・トリビオと、この日のレースで3位に入りピュアホワイトジャージを獲得した雨澤毅明 Photo: Nobumichi KOMORI

 なお、ツアーリーダーの証のルビーレッドジャージはホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が堅守したが、23歳未満のランキングトップの選手が着用するピュアホワイトジャージは、この日のレースで3位に入りランキングで田窪を抜いた雨澤が着用している。

 Jプロツアーはこの後、約1カ月の中断期間に入り、次戦は9月3日に「タイムトライアルチャンピオンシップ」が栃木県栃木市で開催される。

Jプロツアー第13戦「やいた片岡ロードレース」結果
1 横塚浩平(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム) 2時間9分4秒
2 入部正太朗(シマノレーシング) +0秒
3 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)
4 岸崇仁(那須ブラーゼン)
5 土井雪広(マトリックスパワータグ) +4秒
6 飯野智行(宇都宮ブリッツェン) +5秒

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