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故障克服し世界のトップレースに挑戦シマノレーシングの西村大輝がNIPPO・ヴィーニファンティーニとトレーニー契約

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 UCIプロコンチネンタルチーム、NIPPO・ヴィーニファンティーニが若手の3選手とトレーニー(研修生)契約を締結し、日本からはシマノレーシングの西村大輝が、トレーニーとして7月末からNIPPOの一員として活動することが決まった。

NIPPO・ヴィーニファンティーニとトレーニー契約を結んだ西村大輝 ©SHIMANO Racing
シマノレーシングの西村大輝 ©SHIMANO Racing

 西村は高校時代から頭角を現し、ジュニアカテゴリーのアジア選手権ロードレースで優勝するなど国内外のレースで活躍していた選手。将来を有望視されていたが、シマノレーシングに所属しプロ1年目となった2013年シーズン後半に、椎間板の故障がもとで長い治療、リハビリへ入り、レースの第一線からの離脱を余儀なくされた。

 数シーズンを経て、今季完全復活を遂げ、6月末に開催された全日本選手権ロードレースでは、エリートカテゴリー1年目ながら5位でフィニッシュする好走を見せた。

 西村の初戦は7月31日にスペインで開催されるワンデイレース、サーキット・デ・ゲチョ(UCIヨーロッパツアー1.1)で、その後は8月1日から5日までのブエルタ・ア・ブルゴス(UCIヨーロッパツアー2.HC)に出場予定。

 トレーニー制度は主にU23の若手選手を対象に、将来プロチームでの活動を希望する選手をシーズン後半に登録できるUCIの育成システムで、チームが自由に出場レースを決められる。トレーニー登録されている選手は、これまでの所属チームやナショナルチームでの活動も、並行して行うことが可能だ。

■西村大輝のプロフィール
1994年10月20日生まれ、兵庫県出身
身長/体重 171cm/57kg
2011年 ジュニア全日本選手権ロードレース 優勝
2012年 ジュニアアジア選手権ロードレース 優勝、ジュニア全日本選手権個人タイムトライアル優勝、ジュニア世界選手権ロードレース 23位
2013年 国民体育大会ロード(青年の部) 2位
2017年 エリート全日本選手権ロードレース 5位

西村大輝のコメント

 世界のトッププロが集まる大舞台で走るチャンスを頂けたことに深く感謝しています。故障をする前から目標にしていた世界のレベルに再び挑戦するステップアップの機会を大切に全身全霊を尽くしてレースに挑みます。

 初戦はスペインで開催される2レース。ワンデイレース後に参加するブエルタ・ア・ブルゴスは5日間のステージレースですが、ワールドツアーが多く参加するHCクラスと伺い、正直焦っています。ヨーロッパツアーの、ましてやHCクラスのようなハイレベルなレースは今まで走った経験がなく、このレベルでのレース展開や集団内での選手の動きなど、少しでも多くのことを学び次のステップに繋げたいと思います。

 また、今回のレースでは帯同するチーム監督が、イタリア人の方だと聞いているので語学面での不安が拭いきれませんが、まずは辞書を片手に積極的に会話することにも挑戦し、チームメンバーにも自分の存在を認識して頂けるようにレース以外の面でも頑張りたいと思います。今回チャンスを頂いたNIPPO・ヴィーニファンティーニ、ならびに常日頃からお世話になっているシマノレーシングチームのチームメイトと支えて頂いている会社の関係者の方々、ファンの皆様からの期待にも応えられるよう頑張りたいです。

大門宏マネージャー/監督のコメント

 今回決まった3人のなかで、西村はアジア地域で唯一の選手だが、彼のことは2012年にジュニアアジア選手権で優勝した頃から注目していた。JISS(国立科学スポーツセンター)での体力テストの結果(特に心肺機能)も、全スポーツを通しても上位にランクインされる優秀な結果だったと記憶している。当時としては珍しくネイションズカップ(ジュニアナショナルチーム)でも活躍しており有望視していた。

 2013年シマノレーシング1年目、アンダー初年度の時にナショナルチームでヨーロッパ遠征メンバーに選ばれイタリアのレースでも帯同する機会があったが、当時イタリアでも最もレベルが高い強豪がひしめくレースでも上位で完走をはたした走りには驚かされた。イタリアのレースは集団内の密度も異常で、実力だけでは決して生き残れない世界。まして日本のアンダー1年目の若手が上位で走れるとは夢にも思っていなかったので、そのシーンは今でも良く覚えている。コイツは近い将来、新城幸也を抜くんじゃないかと期待したのは言うまでもない。

 翌年からヨーロッパへの武者修行も決意していたようだったが、その年の後半、彼は椎間板の故障による腰痛に悩まされ、手術を決意。その後は自転車にも跨がれない日々が続いて低迷期に突入してしまったが、その後も患部の調子が悪く何回か椎間板の手術を繰り返していたようで、遠目ながら心配していた。今年に入って、福島晋一監督の遠征先から、西村がやっと腰痛からも解放され復調してきたことを知らされたが、本人には申し訳ないが、正直まだ選手を続けていたことに改めて感心していた。

 故障から立ち乗りさえすれば、再び世界ランキングに挑戦する資格がある選手だと常日頃から思っていたので、今回、彼にチャンスを与えられることを、ある意味ホッとしている。カムバックを心から歓迎しているが同時に、これまで故障で低迷していた彼を辛抱強く支え続け見守ってきたシマノレーシングチームの姿勢も素晴らしいと感じている。

 近年、ワールドツアーチームではトレーニーのターゲットはアンダーの1年目、2年目を最優先に選考する傾向にある。トレーニーの候補選手を集めてミニキャンプを実施し選考するチームも珍しくない。ワールドツアーチームにとってツールの期間中が7月の「陽が当たるセクション」だとすれば、研修生の発掘業務は7月の「日陰のセクション」と言えるかもしれない。自国の選手の強化を推進するナショナルチームとの連携も積極的で、若手獲得に向けて決して手を抜かないのが近年の兆候だ。

 長年の積み重ねでナショナルチームとの連携を軌道に乗せているオーストラリアには遠く及ばないが、我々もナショナルチームの浅田顕監督や国内コンチネンタルチーム、大学の監督とも可能な範囲で情報交換をしながら考慮してきた。日本の将来を担うアンダー23のナショナルチームの主要メンバーは、すでにツール・ド・ラブニールの遠征が決まっていたので、今回は期待と可能性を求めてエリートカテゴリーも視野に検討していた。

 本人にとっては久しぶりのヨーロッパ復帰戦、しかもワールドツアークラスがひしめく檜舞台。ハードルはかなり険しいのは承知の上だ。もちろん上位でゴールすることは厳しいと思うが、チーム内での動きやコミュニケーション適応能力も含めて見極めながら見守りたい。

 スペイン連戦以降のスケジュールは、これから話し合いながら決めたいが、おそらく8月下旬のオーストリアのレースもエントリーさせる可能性がある。9月も含めると中国、フランス、ベルギー、いずれかのレースのなかでチャンスを与え、手応えを掴み取り、来季の飛躍への足掛かりになれば良いと期待している。

イタリアとスペインからも加入

 今回トレーニー契約を締結した2人の外国人選手も、それぞれ今後の活躍が期待されている若手だ。

NIPPO・ヴィーニファンティーニの高地キャンプに参加したダミアーノ・チーマ ©NIPPO Vini Fantini

 ダミアーノ・チーマ(1993年9月13日生まれ、23歳)はイタリアのブレシア出身、アマチュアチームのヴィリス・マエストリに所属し、エリートカテゴリー1年目の昨年はトロフェオ・グランプレミオ・インダストリエ・デル・マルモ(UCI1.2)で優勝。今年もアマチュアレースで勝利しており、7月に実施されたNIPPO・ヴィーニファンティーニの高地キャンプに参加した。

 スペイン人選手のホアン・ボウ(1997年1月16日生まれ)は弱冠20歳の若手で、現在はスペインのアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)が運営する選手育成チーム、アルベルト・コンタドール・ファウンデーションに所属している。

 チーマは7月末のアメリカ連戦、ボウは西村と同じく7月末から8月上旬のスペイン連戦からチームに合流する。

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