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ツール・ド・フランス2017 第20ステージボドナルが最速タイムで自身初のステージ優勝 フルームが総合3連覇に王手

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・フランス第20ステージは、マルセイユにて22.5kmの個人タイムトライアル(TT)で争われ、マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)が28分15秒、平均時速47.788kmの最速タイムを叩き出してステージ優勝を飾った。総合首位のクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)はステージ3位に入る好走を見せ、ツール総合3連覇を決定的なものとした。新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)は3分5秒遅れのステージ108位でフィニッシュしている。

レース序盤にトップタイムをマークしたマチェイ・ボドナル Photo : Yuzuru SUNADA

ボドナルの好タイムに、世界チャンピオンも及ばず

 最終局面となったマイヨジョーヌを巡る争いは、総合1位から3位までのタイム差がわずか29秒という接戦のなか、マルセイユにて22.5kmの個人タイムトライアルを迎えた。中盤から終盤にかけて、一気に標高116m地点まで駆け上がる強烈な上り坂が設定された、一筋縄ではいかないコースレイアウトとなっていた。

 最初に好タイムを記録したのは、5番目出走のテイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)だった。2010年U23世界選手権個人TTチャンピオンであるフィニーは、第2ステージで山岳賞を獲得する活躍も見せていた。29分21秒をマークして、後続選手たちの当面の目標タイムとなった。

 しばらく、フィニーのタイムが暫定1位であり続けていたが、次に好タイムを記録したのは52番目に出走したボドナルだった。第1計測、第2計測ともにトップタイムを記録して、フィニーのタイムを1分以上更新する28分15秒という好タイムを叩き出した。

TTの世界チャンピオンジャージを着るトニー・マルティンだがトップタイムには届かなかった Photo: Yuzuru SUNADA

 ボドナルのタイム更新を目指して、前TT世界チャンピオンのヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ)が挑むも、1分7秒遅れの29分22秒に終わった。現TT世界チャンピオンのトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)も14秒届かず。さらに、第1ステージのTTで2位に入ったシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム)も34秒遅れとなり、欧州TTチャンピオンジャージを着用するヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター チーム)はスタート直後のコーナーで落車して勝負に絡めなかった。

 そんな中、ポーランドTTチャンピオンのミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)が第1計測でボドナルのタイムを6秒上回る好走を見せた。第2計測でも1秒上回り、記録更新の期待がかかったが、最終タイムはわずか1秒届かなかった。

 その後も誰一人として、ボドナルのタイムを更新できないまま、いよいよ総合上位勢がスタートを切った。

フルーム安定の走りを見せる一方で、バルデが苦しむ

 総合10位のアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)が第2計測でトップのクウィアトコウスキーと同タイムを記録するアグレッシブな走りを見せ、最終的に21秒遅れでフィニッシュした。総合9位のワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ)は1分9秒遅れでフィニッシュしたため、コンタドールは総合順位を1つ上げることに成功した。

 そして、総合3位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)が路上に飛び出していき、大歓声を浴びながらロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール)も発進。対してフルームは大ブーイングを浴びせられるなか、総合3連覇に向けてスタートを切った。

最終走者としてスタートするクリストファー・フルーム Photo: Yuzuru SUNADA

 ウランは第1計測で26秒遅れで通過した一方で、バルデは伸び悩み45秒遅れだった。両者のタイム差はわずかに6秒であり、この時点でウランが逆転で総合2位に浮上していた。

 フルームは第1ステージでも、総合ライバルたちに一方的にタイム差をつけていたほどTT力が高く、下馬評どおり第1計測でトップのクウィアトコウスキーから2秒遅れの好タイムをマークしていた。

 ウランとフルームは快調に飛ばすなか、中盤の上り区間に入るとバルデが大失速してしまう。本来クライマーであるはずのバルデであったが、蛇行気味に上るほど苦しむ姿が見られた。第2計測ではウランが21秒遅れにまとめていたが、バルデは1分17秒も遅れてしまった。フルームは3秒遅れで通過しており、もはやトラブルさえ無ければフルームの総合優勝は決定的だった。

 テクニカルな下り区間でも、フルームは安全走行を重視するなか、バルデは苦しんでいた。もはやウランとの総合2位争いではなく、バルデとは1分7秒差の総合4位につけているミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ)との表彰台争いが始まろうとしていた。ランダは第2計測で33秒遅れで通過しており、残り6.9kmでバルデは34秒の猶予があった。平坦路に入っても、バルデのスピードは上がらず、2分後にスタートしたはずのフルームが背後からバルデを視界に捉えるほど遅れを喫していた。

大苦戦ながら何とか総合表彰台は守ったロマン・バルデ Photo: Yuzuru SUNADA

 ランダは51秒遅れでフィニッシュ。次いでウランは31秒遅れでフィニッシュ地点にたどり着いた。バルデは表彰台を守るために顔を歪ませながら必死の走りを見せ、2分3秒遅れでフィニッシュし、ランダからわずか1秒差で総合3位を死守した。バルデのゴール直後にフルームもフィニッシュ。トップタイムから6秒遅れのステージ3位にまとめ、ツール3連覇にして自身4度目の総合優勝に王手をかけた。

 と同時に、ボドナルのステージ優勝が決定した。ボドナルにとってはグランツール初勝利だ。

 チームメイトのペテル・サガン(スロバキア)とは2009年以来のチームメイトであり、昨年大会の第11ステージではサガンとボドナル、そしてフルームとゲラント・トーマス(イギリス)と共に終盤の平坦路で奇襲攻撃を仕掛け、サガンは逃げ切り勝利を果たした。この時に、サガンはボドナルに勝たせようとしたが、ボーナスタイムを狙っていたフルームがスプリントしていたため、やむを得ずサガンがステージ優勝を取りに行ったのだった。

自身初のステージ優勝を飾ったマチェイ・ボドナル Photo : Yuzuru SUNADA

 今年は、そのサガンは第4ステージで失格処分を受けたためレースを去っていた。ボドナルは第11ステージでは、残り250mまで逃げたものの勝利を逃す。そして第20ステージで、ようやく1年越しに念願のステージ優勝を手繰り寄せ、盟友サガンの無念を晴らすかのような勝利を飾ったのだ。

総合優勝を決定的としたクリストファー・フルーム Photo: Yuzuru SUNADA

 フルームは大きなプレッシャーを感じつつも、普段通りの実力を存分に発揮して、3年連続の総合優勝を決定的にした。スタート前にブーイングを受けていたフルームも、表彰式では拍手喝采を浴びていた。

 マイヨブランを着るサイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)は、1分34秒遅れのステージ32位となり、ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ)と同タイムでフィニッシュした。この結果、昨年受賞のアダム・イェーツ(イギリス)に続き、2年連続で双子の兄弟でマイヨブランを獲得する快挙を成し遂げた。

 第21ステージは、毎年恒例のパリ・シャンゼリゼ周回コースへとフィニッシュする。大迫力の集団スプリントを経て、3週間に渡る激闘の幕が閉じることになるだろう。

第20ステージ結果
1 マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 28分15秒
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +1秒
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +6秒
4 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) +14秒
5 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・スコット) +20秒
6 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +21秒
7 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム サンウェブ) +28秒
8 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) +31秒
9 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム) +34秒
10 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー) +37秒
108 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +3分5秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 83時間55分16秒
2 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) +54秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +2分20秒
4 ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ) +2分21秒
5 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分5秒
6 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +4分42秒
7 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +6分14秒
8 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +8分20秒
9 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +8分49秒
10 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) +9分25秒
109 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +3時間18分16秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) 364 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 204 pts
3 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 200 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) 169 pts
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ) 80 pts
3 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 64 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 84時間1分30秒
2 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +2分6秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +27分7秒

チーム総合
1 チーム スカイ 252時間4分9秒
2 アージェーデュゼール ラモンディアール +7分14秒
3 トレック・セガフレード +1時間44分46秒

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