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ツール・ド・フランス2017 第18ステージバルギルがイゾアール山頂決戦を制し大会2勝目 バルデ猛攻もフルームは総合首位を堅守

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・フランス第18ステージは、ブリアンソンからイゾアールまでの179.5kmで争われ、ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ)が今大会2勝目を飾り、同時に山岳賞のマイヨアポワも確定させた。総合争いでは、ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール)がクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)に対して総攻撃を仕掛けるも、チーム スカイの牙城を崩せず。フルームは総合首位を堅守した。新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)は23分50秒遅れのステージ105位でフィニッシュしている。

ステージ優勝を飾ったワレン・バルギル Photo : Yuzuru SUNADA

54人の大きな逃げ集団が形成

 マイヨジョーヌを巡る戦いも佳境を迎えた。前日に引き続き、アルプスを舞台に最後の山岳バトルが繰り広げられた。今ステージは、ツール史上初めて超級山岳イゾアール峠の山頂へとフィニッシュする難関コースだ。イゾアールの上りは、登坂距離14.1km、平均勾配7.3%となっているが、後半10km区間の平均勾配は9%を超えている。第19ステージは平坦ステージで、第20ステージは個人タイムトライアルとなっているため、TTを苦手とするクライマーにとっては、総合上位に攻撃する最後のチャンスとなった。

この日も逃げを試みた新城幸也 Photo : Yuzuru SUNADA

 逃げ切りも十分にあり得るコースレイアウトということもあり、スタート直後からアタック合戦が繰り広げられた。新城も逃げに乗るべく、アタックを仕掛け、集団からリードするシーンもあったものの、逃げは決まらず集団に吸収されてしまった。その後に集団から飛び出した選手たちが、そのまま先行する展開となり逃げが決まった。

 この日は、今大会最多となる54人の逃げ集団が形成された。チーム スカイ、オリカ・スコット、ボーラ・ハンスグローエ、ロットNL・ユンボ以外の18チームが逃げに選手を送り込んでいる。フォルトゥネオ・オスカロは5人選手を送っており、そのうちの1人、ブリース・フェイユ(フランス)は33分32秒差の総合16位で、逃げ集団の中で最も総合成績が良かった。

 集団をコントロールするチーム スカイは、54人の逃げを容認し、タイム差は8分程度まで広がった。残り60kmを切り、1級山岳ヴァール峠に向けて逃げ集団が活性化する。上りに入ると、ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)が再三アタックを仕掛けるもリードを奪えない。アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)が集団から飛び出すと、1級山岳山頂を先頭で通過する。ダウンヒルで、ナバーロ、トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル)、ダルウィン・アタプマ(コロンビア、UAE・チームエミレーツ)らが追いつき8人が先行する展開となった。

アージェーデュゼールが総攻撃を開始

 メイン集団では、ヴァール峠山頂手前付近からチーム スカイに代わって、アージェーデュゼールが集団牽引を開始。逃げ集団を捕捉するためにペースアップすると、みるみるタイム差は縮まっていった。バルデが逆転でマイヨジョーヌを獲得するための総攻撃を開始した。

 先頭の8人からは、ルツェンコが抜け出して、後続集団に40秒ほどのリードを築いたまま単独で超級山岳イゾアール峠の上りへと入っていった。

独走するアレクセイ・ルツェンコ Photo : Yuzuru SUNADA

 ルツェンコを追って、アタプマ、ガロパン、ナバーロが追走。アタプマはルツェンコとの差が思うように縮まらないと見ると、他2人を置き去りにして単独で先頭を追いかけていく。残り6.5km地点でルツェンコを捉えると、さらにアタックをかけて独走に持ち込んだ。

 メイン集団は引き続きアージェーデュゼールが集団を引いていた。イゾアールの上りに入ってからも、アシスト総動員でペースアップしていく。次々にライバルチームのアシストが千切れていき、アージェーデュゼールがアシストを使い切ったタイミングで、バルギルとアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)がアタック。バルギルは快調なペースでメイン集団との差を開いていき、逃げ集団から遅れてきた選手を次々にかわしていった。コンタドールは逃げ集団から降りてきたチームメイトのバウケ・モレマ(オランダ)と合流して後続を引き離しにかかった。

アージェーデュゼールが牽引する集団内を走るロマン・バルデ Photo : Yuzuru SUNADA

 チーム スカイがコントロールしているメイン集団では、ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)がアタックを仕掛けるも、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)がチェックして対応。しかし、集団後方で苦しんでいた総合4位につけていたファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム)が脱落してしまい、一方でアタックしていたコンタドールは集団に引き戻された。

再三のアタックを見せたダニエル・マーティン Photo : Yuzuru SUNADA

 クウィアトコウスキーの働きぶりは凄まじく、途中サングラスを沿道に投げ捨てながら、フルームのために集団を引いていた。フィニッシュまで残り4kmの地点でアシストとしての仕事を終えた時には、完全に力を出し切っていて、路上に立ち止まるシーンも見られた。

 マイヨジョーヌを守る立場であるはずのチーム スカイだが、クウィアトコウスキーの働きに呼応するかのように攻勢に転じた。ミケル・ランダ(スペイン)はフルームと何やら会話をしたかと思うと、ランダはメイン集団から飛び出していった。フルームのマークで手一杯のバルデやリゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)は、ランダのアタックを見送ることしかできない。

 マーティンが再びアタックして前を追おうとするも、フルームがピタリとマーク。差は開けない。牽制状態に入ったマイヨジョーヌグループから、満を持してバルデが猛加速。全開のアタックについてこれたのは、フルームとウランのみだった。総合トップ3による最後の山岳バトルは大詰めを迎えた。

バルギルが独走、フルームはバルデと同タイムでフィニッシュ

 バルギルはマイペース走行を貫きつつも、ハイペースで突き進んでいた。残り1.5km地点で、先頭のアタプマに追いついた。残り1kmのフラムルージュをくぐり抜けると、バルギルがペースアップ。アタプマはついていけなかった。山岳賞ジャージを着用するバルギルは、難関イゾアール峠の山頂に誰よりも速くたどり着いた。大会2勝目を飾り、山岳王の証であるマイヨアポワを確定させた。

競り合うダルウィン・アタプマ(左)とワレン・バルギル(右) Photo : Yuzuru SUNADA

 フルーム、バルデ、ウランのマイヨジョーヌグループでは、わずかな下り区間へと差し掛かる残り2.5km地点付近から、フルーム自らアタックした。バルデとウランの反応が遅れる間に、フルームはダウンヒルを飛ばして、一気に4秒程度のリードを築く。再び山頂に向けて上りが始まるところまでに、バルデとウランは何とかフルームに追いついた。すると、先行していたランダと合流し、4人は一塊となってフィニッシュを目指す。

 フィニッシュまで数百mを残した地点から、バルデが最後の勝負を挑む。フルームを突き放し、ボーナスタイム獲得を目指してアタックを仕掛けるものの、フルームはバルデの背後にピタリと喰らいつく。バルデはステージ3位となりボーナスタイム4秒獲得したが、フルームは同タイムのステージ4位にフィニッシュした。

ステージ3位に入ったロマン・バルデの表情が、この日の激闘を物語っている Photo : Yuzuru SUNADA

 バルデはマイヨジョーヌを奪取するために、あらゆる手段を尽くしたものの、フルームに対して最後まで決定的な差を開くことができなかった。2人のタイム差は23秒だが、タイムトライアルを得意とするフルームに対して23秒のビハインドはあまりにも大きいだろう。フルームのツール3連覇がいよいよ現実的なものとなってきた。

 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)も、今ステージでマイヨヴェールを確定させた。サンウェブは、バルギルのマイヨアポワと共に、2枚のジャージを確定させる大きな成果を収めている。

 第19ステージは、3級山岳が3つ登場するものの、集団スプリントに持ち込まれる可能性の高い平坦ステージとなっている。すでに多くのスプリンターが大会を去っているため、逃げ切りが決まる展開も十分にあり得る。総合勢はトラブルなく過ごして、第20ステージの個人タイムトライアルに備えたいところだ。

第18ステージ結果
1 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) 4時間40分33秒
2 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、UAE・チームエミレーツ) +20秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +20秒
4 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +20秒
5 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) +22秒
6 ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ) +32秒
7 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +37秒
8 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +39秒
9 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +59秒
10 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +1分9秒
105 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +23分50秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 78時間8分19秒
2 ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +23秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) +29秒
4 ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ) +1分36秒
5 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分55秒
6 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +2分56秒
7 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +4分46秒
8 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +6分52秒
9 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) +8分22秒
10 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +8分34秒
108 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +3時間15分17秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) 364 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 204 pts
3 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 163 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) 169 pts
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ) 80 pts
3 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 63 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 78時間13分5秒
2 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +2分6秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +26分15秒

チーム総合
1 チーム スカイ 234時間42分38秒
2 アージェーデュゼール ラモンディアール +15分18秒
3 BMCレーシングチーム +1時間47分35秒

敢闘賞
ダルウィン・アタプマ(コロンビア、UAE・チームエミレーツ)

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