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工具はともだち<119>代表的な切る工具「ニッパ」 硬さに合わせて「片刃」と「両刃」を使い分け

by 重田和麻 / Kazuma SHIGETA
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 刃物というものは日常生活とは切っても切れない関係ですが、切れないと困る物なのがややこしいところです。と、冒頭から意味のないことを書いておりますが、今回の「工具はともだち」では工具の中の代表的な刃物である「ニッパ」のお話をしたいと思います。

KTCのニッパ ©KTC

種類は「切る能力」と「対象物」ごとに

 自転車でニッパを使用するのは主にワイヤーを切断する時だと思いますが、このニッパという工具、実はいろんな種類があります。主な違いは「切る能力」と「切る対象物」です。

 まず切る能力、いわゆる「切断能力」の高さは、おおむね大きさに依存します。お店で買う際には切断能力を確認して購入して下さい。自転車ユーザーであれば、硬線φ2.0以上の切断能力の物を選べばよいと思います。

 次に切る対象物としては、おおざっぱに言うと「硬い物」と「やわらかい物」に分かれます。この二つの違いは、刃の形状に現れます。ニッパの刃には「片刃」と「両刃」とがあり、片刃はやわらかい物を切るのに、両刃は硬い物に向いています。硬い物とはピアノ線や硬鋼線材などで、やわらかい物とは銅線や樹脂になります。

ニッパの切り口 ©KTC

 また、切り口にも大きな違いがあり、片刃の切り口が平らになるのに対し、両刃は切り口が山形になります。片刃のニッパの代表的なものとして、リード線などを切る「弱電ニッパ」やプラモデルなどで使う「プラスチックニッパ」があり、両刃のニッパには「強力ニッパ」と言われるものがあります。

片刃は平ら、両刃は斜め

 この片刃と両刃、特に注意して頂きたいのは片刃のニッパを使う時です。片刃のニッパは刃の形状が鋭利で、切り口がきれいなのですが、刃が鋭利な分、硬い物を切ろうとすると刃が欠けることがあります。自転車のメンテナンスなどでニッパが必要な際、「あっ、子供がプラモデルに使っているやつがあったはず!」と使ってしまうと、欠けた刃が飛び散るなど、思わぬトラブルにつながります。当然、刃を欠けさせたことで子供が激オコになるなど、余分なものまでキレかねません。

ニッパの刃の形状 ©KTC

 プラスチックニッパなど用途が明確になっている物は比較的わかりやすいですが、一般の方にはどれが片刃でどれが両刃なのか判り難いと思います。違いは図のように、刃の上側を見て、比較的平らになっている物が片刃だと思って下さい。上から見て、刃の部分が斜めなっていたらおおむね両刃と判断して大丈夫です。

根本と先端で刃の角度が違うKTCのニッパ ©KTC

 両刃のニッパでなら、硬い物とやわらかい物のどちらを切ってもおおむね大丈夫ですが、切り口がきれいではないので、ワイヤーなどを切った後、あまりにも鋭利な状態になっていたら、やすりで平らにするなど対処して下さい。また、KTCの通常のニッパは両刃なのですが、刃の根本と先端で刃の角度を変えて軟線と硬線の両方を切りやすくしている多機能タイプになっています。

 そして、ニッパ全体に言えるのは、「切りながら切る対象物をよじらないこと」です。これも刃が欠けるおそれがあります。さらに注意していただきたいのが、「切れ端が飛ぶ方向を予測すること」です。普通は切った後の切れ端が飛び散ります。この切れ端が自分の顔や人の方向に飛ばないよう、飛びそうな方向を予測して使うことも大切です。

 ちなみにワイヤー等には使えませんが、結束バンドなどを切った際、切れ端が飛び散るのを防ぐ「バンドホールドニッパ」という変わり種のニッパもありますので、ぜひ覚えておいて下さい。

結束バンドの切れ端が飛散するのを防ぐKTCのバンドホールドニッパ ©KTC

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重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

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