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ツール・ド・フランス2017 第2ステージキッテルが集団スプリントを制して涙の勝利 フルーム、バルデらが落車するも集団ゴール

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・フランス第2ステージは、ドイツ・デュッセルドルフからベルギー・リエージュまでの203.5kmで争われ、マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)が集団スプリントを制して、地元ドイツでのステージ優勝を飾った。新城幸也(バーレーン・メリダ)は、最終盤までエースのために働いて、ステージ23位だった。

ステージ優勝をあげたマルセル・キッテル Photo : Yuzuru SUNADA

セレモニーの直後、4選手が先行

 集団ロードレースの初日となる第2ステージは、前日のタイムトライアルが行われたデュッセルドルフをスタートし、隣国ベルギーのリエージュへゴールする。リエージュといえば、起伏の激しいアルデンヌクラシックで知られる地域。だがこの日はスプリンター向けのステージとして、上り坂をうまく回避して全体にほぼ平坦なコースが設定された。

 カテゴリー山岳は、コース序盤と終盤に4級が一つずつ配置。特に2つ目の山岳ポイントは、集団スプリントに向けて逃げ集団を吸収したいタイミングに設置され、山岳賞ジャージのマイヨアポワを巡る、逃げ集団とメイン集団の駆け引きも注目された。

リック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)を、父で往年の名選手エリック・ツァベル氏が激励 Photo: Yuzuru SUNADA

 通常ステージ初日ということもあり、パレードラン中に一旦停止してのセレモニーが執り行われた。恒例のテープカットは、大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏、そしてデュッセルドルフ市長が行った。さらにオーケストラによる、現ドイツ領内で生まれたベートーベンの交響曲第9番、そしてフランス国歌とドイツ国歌の生演奏も。一方で集団前方には、セレモニーの後、ファーストアタックを決めたい選手たちが待機していた。

 アクチュアル(正式)スタートの旗が振られると、4人の選手が一気に飛び出していき、逃げが決まった。メンバーは、テイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)、トマ・ボダ(フランス、ディレクトエネルジー)、ヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)、ローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト)だ。メイン集団とのタイム差はあっという間に3分以上に広がった。

テイラー・フィニーらの逃げ集団 Photo : Yuzuru SUNADA

連日の雨、フルームが集団落車に巻き込まれる

 最初の4級山岳は、フィニーが先頭通過を果たす。4級では1位通過者にのみ、1ポイントが付与される。一旦レースは落ち着き、メイン集団は3分30秒程度のタイム差を維持していた。

 途中から、前日に引き続いて雨が降ってきた。水たまりがはっきり見える強い雨足だ。そうした中で、中間スプリント地点が近づき、逃げ集団ではボダが先頭通過。続いてメイン集団ではマイヨヴェールを狙うスプリンターたちによる争いとなり、スプリントトレインを組んだアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)が集団先頭で通過した。注目のペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は集団の5番手通過だった。

 2つ目の4級山岳を前に、逃げ集団とのタイム差が1分を切った。だが相変わらず強い雨が降る中、残り30km地点付近でメイン集団内で大規模な落車が発生した。集団の最前方で、コーナーの最中にカチューシャ・アルペシンの選手がスリップして落車。並走していた選手や後続の選手を大勢巻き込み、その中にはクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェーデューゼール ラモンディアール)ら有力選手の姿もあった。フルーム、バルデともにすぐにレースに復帰。一時的に遅れをとったものの、アシストのサポートを受けて無事に集団へと戻った。

雨の中、大規模な落車が発生 Photo: Yuzuru SUNADA

 落車の影響でメイン集団のスピードが落ちたこともあり、逃げ集団はリードを保って2つ目の4級山岳に突入した。ここでもフィニーが先頭通過を果たし、マイヨアポワを確定させた。そしてそのままフィニーとオフレドが飛び出し、メイン集団とのタイム差を1分程度まで広げ、逃げを継続した。

混戦のスプリントをキッテルが制す

 ようやく雨が止み、路面コンディションも良くなると、メイン集団のスピードが一気に上がる。逃げ集団とは残り4kmで30秒のタイム差があったが、残り1.1kmで逃げを吸収し集団スプリント勝負となった。新城幸也(バーレーン・メリダ)も、エースのソニー・コルブレッリ(イタリア)のために集団前方でエースを護衛するシーンも見られた。

 各チームとも綺麗なトレインを組むことができず、混戦状態となった。最初に仕掛けたのはサガンだ。得意のロングスプリントに持ち込もうとしたものの、失速してしまう。すると、横からコルブレッリが勢いよく飛び出してきた。しかし、フィニッシュラインまではまだ遠く、さらに横からキッテルが先行する展開になった。アルノー・デマール(フランス、エフデジ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)の追い上げも届かず、キッテルが勝利した。

地元ドイツをスタートするステージを制し、万感の思いで表彰台に立つマルセル・キッテル Photo: Yuzuru SUNADA

 キッテルは決して盤石な体制でスプリントできた訳ではなかった。集団が混沌とするなかで、必勝パターンのトレインを形成することは出来ず、残り500m付近では20番手近くのポジションだった。しかし、サガンたちのスプリント開始が早かったことが幸いし、一気に集団最前列に出ることができた。そして、力強いスプリントで勝利をつかみ取ったのだ。

 昨年のツールで、キッテルはわずか1勝しかできなかった。今ステージは、キッテルの地元ドイツをスタートし、チームの地元ベルギーへとフィニッシュするステージであり、キッテルへの声援や期待はとても大きかった。フィニッシュ直後には、重圧を跳ねのけ勝利した安堵からか、路上に座り込んで号泣。勝利が義務付けられたエースへのプレッシャーが垣間見えた瞬間だった。

マイヨジョーヌを守ったゲラント・トーマス Photo: Yuzuru SUNADA

 落車したフルームも先頭集団と同タイムでフィニッシュ。「後ろ側に擦過傷は負ったけど、大きなけがはないから大丈夫」と、レース後のインタビューでは落ち着いた様子をみせた。

 マイヨジョーヌを着るトーマス、マイヨブランを着るシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム)も先頭集団内でフィニッシュし、それぞれジャージをキープしている。新城は、コルブレッリのリードアウトを務めつつ、自身もステージ23位に入った。

第1ステージ結果
1 マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 4時間37分6秒
2 アルノー・デマール(フランス、エフデジ) +0秒
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) +0秒
4 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) +0秒
5 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNL・ユンボ) +0秒
6 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +0秒
7 ベン・スウィフト(イギリス、UAE・チームエミレーツ) +0秒
8 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) +0秒
9 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +0秒
10 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
23 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) 4時間53分10秒
2 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム) +5秒
3 マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +6秒
4 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ) +7秒
5 マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) +10秒
6 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +12秒
7 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNL・ユンボ) +15秒
8 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +15秒
9 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +16秒
10 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム サンウェブ) +16秒
146 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +1分46秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 63 pts
2 アルノー・デマール(フランス、エフデジ) 38 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 25 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 テイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック) 2 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム) 4時間53分15秒
2 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェーデューゼール ラモンディアール) +20秒
3 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +24秒

チーム総合
1 チーム スカイ 4時間39分49秒
2 クイックステップフロアーズ +37秒
3 チーム サンウェブ +58秒

敢闘賞
ヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)

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