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ツール・ド・スイス2017 第5ステージ異次元の加速を見せたサガンが圧巻のステージ優勝 総合首位はカルーゾがキープ

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・スイスは6月14日、第5ステージがベーからチェヴィオへの222kmで争われ、400mのロングスプリントを決めたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がツール・ド・スイス通算14勝目となるステージ優勝をあげた。ポイント賞ランキングでもマイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)を逆転し、首位に立った。総合首位のダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)は無難に集団内でフィニッシュし、リーダージャージを守っている。

圧巻のスプリントでツール・ド・スイス第5ステージを制したペテル・サガン Photo : Yuzuru SUNADA

時速50kmのスピードバトル

 前日のフィニッシュ地点の麓の町、ベーを出発し、アルプス山脈に沿って東へ進んでいく。ステージの真ん中あたりで登場する超級山岳シンプロン峠は、登坂距離20km・平均勾配6.5%と長い上り坂になっている。シンプロン峠を越えると、イタリア国内を横切りながら、3級山岳1つをこなしてフィニッシュ地点へと向かう。

 レース前には、死去したUCI元会長のハイン・フェルブルッゲン氏を悼んで、1分間の黙祷が捧げられた後にスタートが切られた。逃げに選手を送りたいチームが多く、アタック合戦が活発に繰り広げられていた。レースが70km進んでも逃げは決まらず、スタートしてから1時間30分間の平均速度は時速49.7kmに達するスピードバトルの様相を呈していた。

 長いアタック合戦を経て、ようやく6人の逃げが容認された。メンバーは、アーマン・カミシェフ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)、イエール・ワライス(ベルギー、ロット・ソウダル)、ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)、サム・ビューリー(ニュージーランド、オリカ・スコット)、ラーシュペッテル・ヌールハウ(ノルウェー、アクアブルースポーツ)、イェスパー・アスルマン(オランダ、ロームポット・ネーデルランセ ローテライ)だ。リードを広げながら、超級山岳シンプロン峠の上りへと入った。

 4分程度までタイム差は拡大し、山頂の山岳ポイント争いは激しいスプリント勝負の上、ヌールハウが制した。チームメイトのラッセノーマン・ハンセン(デンマーク)の山岳賞ジャージを守るために、ライバルたちの獲得ポイントを最小限に留めることに成功している。メイン集団では、有力選手が脱落することなく淡々と上りをこなしていた。

ロペスが落車リタイアのトラブル

 シンプロン峠からのダウンヒルは見通しが良くて直線路も多く、時速80kmに達するほどのハイスピードとなっていた。そのため逃げとのタイム差は一気に2分30秒まで減少した。そうしたなかで、昨年大会の総合優勝者であるミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)が激しく落車してしまった。ここでロペスは途中リタイアとなり、検査のため病院に直行した。

 ダウンヒルを終えてからの3級山岳を越えて、UAE・チームエミレーツが集団牽引を開始すると、逃げ集団とのタイム差は一気縮まり、1分を切ってきた。途中、大雨に見舞われながらも、予定通り逃げ集団とのタイム差を詰めていく。残り20kmでタイム差が16秒となると、アスルマンとキングが加速して簡単には吸収されまいと粘りの姿勢を見せた。

 一時はタイム差が35秒まで拡大するも、メイン集団に泳がされている格好となり、残り6kmを切ったところで2人は吸収された。集団スプリントに向けてポジション争いが始まった。

サガンが異次元の加速を見せ圧勝

総合リーダージャージをキープしたダミアーノ・カルーゾ Photo : Yuzuru SUNADA

 道幅いっぱいに広がった集団では、スプリンターチームと総合首位のカルーゾを抱えるBMCレーシングが先頭でそれぞれのトレインを形成しながら進んでいった。

 フィニッシュ地点に向けて、徐々にポジション争いが激しくなるなか、フィリップ・ジルベール(ベルギー)を先頭に、マッテーオ・トレンティン(イタリア)でスプリント勝負に挑みたいクイックステップフロアーズが好位置をキープしながら残り1kmのフラムルージュを通過した。ジルベールのリードアウトは非常に強力で、残り500mを切るまで先頭で牽き続けていた。

 ジルベールが牽引を終えると、本来はマイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)の最終発射台を務めるはずのニキアス・アルント(ドイツ)が奇襲攻撃を敢行し、ロングスパートを仕掛けてきた。この動きに真っ先に反応したのが、世界チャンピオンのサガンだった。

 フィニッシュまで残り400mにもかかわらず、驚異的な加速力を見せたサガンはあっという間にアルントを追い越していった。他のライバルたちも全く寄せ付けることなく、そのまま独走に近い形でフィニッシュ。見事なロングスプリントを決めた。

 サガンのゴールスプリントは、レース後に公開されたデータによれば最高時速76.2kmを記録しており、フィニッシュまでの18秒間の平均スピードは時速70.5kmで、出力は1220Wだった。圧倒的なパワーを見せつけていた一方で、いつものようなガッツポーズではなく、フラダンスのようなポーズをしながらフィニッシュしており、余裕さえ感じられる完勝劇だった。

大会通算14勝目となるステージ優勝を飾ったペテル・サガン Photo : Yuzuru SUNADA

 2位にはミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット)が入った。3位のトレンティンと、6位のマシューズはスプリントを開始する瞬間にアルバジーニにうまく進路を塞がれて、出遅れたことが響いてしまった。この結果、サガンはポイント賞ジャージの獲得にも成功した。

 リーダージャージを着るカルーゾは、トップと同タイムの集団内で無事にフィニッシュ。中間スプリント地点を3位通過したことで、1秒ボーナスタイムを加算している。山岳賞ジャージも変わらず、ハンセンがキープしている。

第5ステージ結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 5時間15分50秒
2 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット) +0秒
3 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)
4 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール・ドラパック)
5 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)
6 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)
7 サーシャ・モードロ(イタリア、UAE・チーム エミレーツ)
8 オスカル・ガット(イタリア、アスタナ プロチーム)
9 アーロン・ゲイト(ニュージーランド、アクアブルースポーツ)
10 オウェイン・ドゥール(イギリス、チーム スカイ)

個人総合
1 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)17時間24分24秒
2 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +16秒
3 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェーデュゼール ラモンディアール) +25秒
4 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)
5 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +32秒
6 マティアス・フランク(スイス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +34秒
7 ミケル・ニエベ(スペイン、チーム スカイ) +1分10秒
8 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チーム エミレーツ) +1分11秒
9 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チーム エミレーツ) +1分21秒
10 タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チーム スカイ) +1分38秒

ポイント賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 18 pts
2 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) 15 pts
3 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) 14 pts

山岳賞
1 ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク、アクアブルースポーツ) 33 pts
2 ニック・ファンデルレイケ(オランダ、ロームポット・ネーデルランセ ローテライ) 32 pts
3 ラリー・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポーツ) 26 pts

チーム総合
1 アージェーデュゼール ラモンディアール 52時間16分12秒
2 モビスター チーム +6分08秒
3 バーレーン・メリダ +9分55秒

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【お詫び】

6月16日掲載の記事「スコットのMTB試 乗会が6月17、18日 に『富士見パノラマリゾート』『ふじてんリゾート』で開催」におきまして、掲載当初、場所を誤って記載しておりましたので、訂正いたしま した。ご迷惑をお掛けした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。

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