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まさみんのゆるゆる自転車女子旅<36>深くて濃厚! 日本の魅力を味わい尽くす奈良・吉野サイクリング

by 龍野雅美 / Masami TATSUNO
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 前回ご紹介した「奈良~和歌山サイクリング」。実は、旅の1日目と3日目のレポートでした。「ならクル」のルートも「紀ノ川サイクリングロード」も最高なんだけど、「旅の醍醐味」を満喫したのは今回レポートする2日目の吉野ポタリング。思いがけない出会いが教えてくれた、日本の魅力を味わい尽くす濃厚なサイクリングプランをお届けします。

宮滝展望台にて Photo: Masami TATSUNO

運命の出会い!憧れの「吉野杉の家」

 私のライフワークの一つに「建築美の探求」というものがあります。簡単にいうと、ときどき建築雑誌を眺めては「はぁ、美しい…」とかやって幸せを感じるという“オタク行為”です。その中でいつか訪れたいと思っていたのが「吉野杉の家」

吉野町の町会議員でもあり「吉野杉の家」の管理人メンバーの一員でもある中井章太さん Photo: Masami TATSUNO

 1日目の夜に行われたBBQで、地元の方とお話しているときにたまたま話題にしたら、なんとその方こそが「吉野杉の家」の管理をされているというじゃないですか!しかも「見学したいです」と猛烈アピールしたら「即OK」って!幸せすぎる…。そんなこんなで管理人メンバーの中井章太さんプロデュースによる「まさみんのわがままツアー」が始まりました。

木の香りたっぷりで、星空眺めながらみんなでご馳走を囲んで過ごしたい!朝も最高の目覚めを迎えられそう Photo: Masami TATSUNO

 「吉野杉の家」は、民泊システム「Airbnb」が地域とアーティストを結び付け、地域復興のためのシステムを作り上げた世界初の宿泊施設なんです。吉野川に面して細長く建てられたこの家を目にした(全く興味がないのに私のわがままで連れてこられた)メンバーは「え~、ここ?シンプルだね」と拍子抜けした気持ちを包み隠さずこぼしていました。

 でも、中に入った瞬間「えー!なにココ!」「すごい!やばい!」「キャー!」って一気にハイテンション。

みんなが歓声をあげた三角の寝室。窓から差し込む陽の光と木のぬくもりでできた非日常的な空間に引き込まれます Photo: Masami TATSUNO

 「ふふふ。どう?」ってドヤ顔でにやける私。がんばれば7~8人まで泊まれるかも? 吉野を訪れたら、ぜひ泊まってほしいお宿です。

Photo: Masami TATSUNO
ダイニングテーブルからの眺め。向かいには酒蔵があります Photo: Masami TATSUNO

 吉野杉の家のテラスで朝日を浴びていたら「こんなに気持ちがいいのにダラダラ過ごすなんてもったいない!」と自転車に乗りたくなってきました。まずは津風呂湖ダムを目指します。ダムの周りは杉で囲まれているので、木陰を気持ちよく走ることができます。

「日本で最も美しい村」吉野

くねくねと津風呂湖を眺めながらサイクリング。道もきれいで走りやすいです Photo: Masami TATSUNO

 この日一番の激坂が、津風呂湖(つぶろこ)から国栖(くず)の里へと向かうための入野の坂。ずっとフラットな道をのんびり走っていたところに、突如目の前に20%近い傾斜の坂が現れたので心の折れ方が半端ない(汗)。それでも上るのには理由があります。それは、吉野が「日本で最も美しい村」であるということです。

 「日本で最も美しい村」とは、貴重な文化や資源や美しい景観を持ちながらさまざまな理由から存続が難しくなってきた小さな町を守るための活動の一つです。

この日一番の激坂。ほんの50mくらいなんだけど、20%近い傾斜を目の前にしてメンバーの半分が潔く自転車を下りていました Photo: Masami TATSUNO
最後に100mほどゆるーく上ってダムへ到着 Photo: Masami TATSUNO

 吉野杉の他にも、地域特有の建築様式が並ぶ景観や地域の方が長い年月をかけて守ってきた桜の文化など素晴らしいものがたくさんあります。のんびり自転車で走りながら、地元の人たちが守り続けるその一つひとつをぜひ味わってください。

円を描くように流れる吉野川。一つの島が浮かんでいるように見えます Photo: Masami TATSUNO
吉野を支える林業 Photo: Masami TATSUNO

吉野の原風景を求めて一つ奥の道へ

 吉野川沿いには国道169号がありますが、そこを走っていてはダメダメ。ぜひ橋を渡って一本奥の道を走ってください。オススメ、というより足を止めずにはいられない場所があります。1つは「宮滝展望台」。景色のすばらしさは、写真ではその100分の1も伝えらえていません。

宮滝展望台。空の青と吉野杉の深い緑でなんとも鮮やかなコントラスト Photo: Masami TATSUNO

 そして2つ目が「桜木神社」。万葉集でも歌われた「象の小川」にかかる橋を渡ると、まるで別世界。なぜか、みんな「もののけ姫」の主題歌を歌い始めました。

万葉集でも歌われた「象(きさ)の小川」を渡って「桜木神社」へ Photo: Masami TATSUNO
御神木からパワーをいただきます Photo: Masami TATSUNO
吉野杉の森林ヒーリング。川のせせらぎとひんやりした空気が気持ちいい Photo: Masami TATSUNO

「ミシュランガイド」にも載った奈良の秘境グルメ

開店前にして「受付終了」の看板 Photo: Masami TATSUNO

 ランチは、これぞ“秘境グルメ”というラーメンを食べてきました!お店の名前は「ラーメン河」。1日50食限定、開店前にすでに「受付終了」。

 いまだかつて、自転車に乗りながらこんな贅沢な昼食をとったことがあっただろうか…。お値段はまぐろ丼とセットで1500円と、わりとお手頃なんですけどね。

これが秘境で食べた塩ラーメンだ! Photo: Masami TATSUNO

 あまり上手でないグルメレポートで恐縮なのですが、まずラーメンではありませんでした。ラーメンなんですけど、優しすぎて野菜スープといった方が正しいような…。ラーメンって食べると罪悪感の方が強くて、普段はほとんど食べないんですが、これはスープまで飲み干せちゃうくらい体に良いと思える味わいでした。朝、早起きして受付に走ってくれた仲間に感謝です!

午後はのんびり吉野山観光

近鉄吉野線の終着駅「吉野駅」。千本桜の季節はたくさんの人で溢れているそうです Photo: Masami TATSUNO

 吉野と言えば千本桜が有名です。4月は日本中からたくさんの方が訪れます。桜が散り、新緑を迎えたこの季節は、世界遺産の「金峯山寺(きんぷせんじ)蔵王堂」や吉野葛の甘味をのんびり楽しむのに1番良いタイミングです。

 吉野駅からは、自転車を下りて山頂へ。はい、バスで向かいました。

世界遺産でもある金峯山寺は、日本で2番目に大きい木造建築です。ちなみに一番は東大寺。奈良ってすごい Photo: Masami TATSUNO

 金峯山寺蔵王堂は、東大寺に次ぐ大きさの木造建築だそうです。つまり奈良には日本の1番と2番があるわけです。日本史はまともに勉強しなかった私ですが、この一帯を走っていると万葉集や歴史の教科書でみた名前を何度も目にします。

 かつての日本文化の中心地だったんだなーと感じます。まさに日本の原風景といえる場所ではないでしょうか。そんな想いに浸りながら、食べる葛切りは最高ですよ(笑)。

金峯山寺に続く参道は「吉野葛」のお店が並びます Photo: Masami TATSUNO
「八十吉」でいただいた吉野葛。黒蜜でいただく葛きりは、程よい甘さにのど越しよくて暑い時期にぴったりです Photo: Masami TATSUNO

 ぜひぜひたくさんの方に訪れてほしい吉野町。それなのに予約困難なお店しか紹介しないのはいけないですよね…。なので、ちゃんと地元の方におススメを聞いておきました!まだまだ走りきれてない奈良県。次はいつ行けるかな。

龍野雅美龍野雅美(たつの・まさみ)

「まだ知らない日本の魅力を発掘したい」、「自転車のあるライフスタイルの楽しみ方を届けたい」という思いからライターとしても活動を始める。埼玉県と自転車の魅力を発信するポタガールとしても活動中。「ポタ日和」で情報発信をしているほか、ウェブサイト「Masami’s Library」でも執筆中。

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