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ブリヂストンアンカーが終盤圧倒鈴木龍が逃げ集団のスプリントを制しプロ初勝利 初開催のJPT那須ロードレース

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 国内ロードレースシリーズ「Jプロツアー」の今季第6戦、「JBCF 那須ロードレース」が6月11日、栃木県那須町で開催され、先頭集団でのゴールスプリントを鈴木龍(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)が制してプロ初勝利を飾った。この日2位に入ったホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が年間ランキング首位のルビーレッドジャージを守っている。

初開催の那須ロードレースは、先頭集団のゴールスプリントを鈴木龍(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)が制してプロ初勝利を挙げた Photo: Ikki YONEYAMA

スタート直後の落車でレースが中断・短縮

 前日の那須塩原クリテリウムに続き、ツーインワン開催の2日目となる那須ロードレース。1周7.1kmの公道コースは、那須町での2015年の全日本選手権ロードレースのコースを一部使用し、最初3kmが下り、続く1.5kmが平坦、小さな丘を数百mで上って下り、ラスト2kmからは緩い上り基調となる。1周あたりの獲得標高は約90mと難易度は高くないが、最高峰のP1クラスタでは、単純なスプリント勝負にならない激しい攻防が繰り広げられた。

Fクラスタはシスターローズジャージの唐見実世子(弱虫ペダル サイクリングチーム)が2周目から独走で優勝 Photo: Ikki YONEYAMA
E1クラスタは元プロの嶌田義明(TEAM YOU CAN)が大集団のスプリントから勝利 Photo: Ikki YONEYAMA
この日も駅から徒歩5分という絶好のアクセス。JR黒田原駅前通りに地元の飲食ブースが並んだ Photo: Ikki YONEYAMA
那須町の高久勝町長は「持てる力を最大限発揮して激しい戦いを」とエール Photo: Ikki YONEYAMA

 P1クラスタのレースは15周回の106.5kmで行われたが、スタート直後のスピードが上がった下り区間のS字コーナーで集団落車が発生。多くの選手が巻き込まれ、周回コース上のけが人を収容するために、レースは一旦ニュートラルとされ、1周目を終えたところで全体が停止してレース中断となった。救急車が入るなど中断時間は40分以上に及び、レースは予定より3周減の12周となることが決定。2周目からの再開で、実質11周のレースとなった。

再開したレースで繰り広げられるアタック合戦 Photo: Ikki YONEYAMA
沿道から選手に声援が送られる Photo: Ikki YONEYAMA
レース序盤、早川朋宏(再三工業レーシング)のアタック Photo: Ikki YONEYAMA

 再開されたレースは序盤のアタック合戦と、小さな逃げの形成と吸収を経て、4周目に有力選手が含まれる14人の逃げ集団が成立した。宇都宮ブリッツェンが阿部嵩之と雨澤毅明、マトリックスパワータグが吉田隼人と佐野淳哉、シマノレーシングが木村圭佑と入部正太朗、那須ブラーゼンが吉岡直哉と下島将輝、ブリヂストンアンカーがダミアン・モニエ(フランス)と鈴木龍、さらに原田裕成(愛三工業レーシング)、椿大志(キナンサイクリングチーム)、中村龍太郎(イナーメ信濃山形)、高木三千成(東京ヴェントス)からなる逃げは、一旦逃げを見送ったメイン集団から1分の差をつけることに成功した。

有力選手を含む14人の逃げ集団が形成された Photo: Ikki YONEYAMA
メイン集団では全日本チャンピオンジャージの初山翔(中央)がしきりに前をうかがう Photo: Ikki YONEYAMA

追走が合流 19人の先頭集団の勝負に

 逃げ集団では、ホストチームの那須ブラーゼンが、キャプテンの吉岡とスプリンターの下島が入る絶好の展開。またマトリックスパワータグもエーススプリンターの吉田と牽引力には定評のある佐野、さらにブリヂストンアンカーも実力者のモニエと“上れるスプリンター”の鈴木を送り込みチャンスが大きい。

順調に逃げ続ける先頭の14人。先頭は地元・那須ブラーゼンの吉岡直哉 Photo: Ikki YONEYAMA

 メイン集団では、全日本チャンピオンジャージを着る初山翔(ブリヂストンアンカー)や、ルビーレッドジャージを着るトリビオが追走の様子を何度もうかがう。しばらく逃げとメイン集団の間は1分差で推移したが、7周目ついに初山のアタックから、トリビオ、早川朋宏(愛三工業レーシング)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、湊諒(シマノレーシング)の追走グループが形成された。

14人と大きめの先頭の人数を絞ろうと小競り合いも続く Photo: Ikki YONEYAMA
7周目に形成された追走グループの5人 Photo: Ikki YONEYAMA

 追走の5人は8周目に先頭へ合流。ブリヂストンアンカーはオールラウンダーの初山、マトリックスパワータグもオールラウンドに力を発揮するトリビオ、宇都宮ブリッツェンはスプリンターの小野寺と、各チームが欠けていたピースを補う選手をさらに送り込んだことで、先頭19人での勝負となることは決定的になった。大きく差をつけられたメイン集団は、終盤タイムアウトで全員リタイアとなった。

追走が追い付き、先頭は19人に Photo: Ikki YONEYAMA
補給所を通過する先頭集団 Photo: Ikki YONEYAMA
入部正太朗(シマノレーシング)がアタック Photo: Ikki YONEYAMA

絶妙のチームプレイで勝利

 先頭集団では戦力で劣るシマノの入部、愛三工業の早川や、スプリンター以外の選手によるアタックが続く。集団を完全に破壊するには至らないが、原田、湊、そして吉田が脱落し、先頭は16人で最終周回へと入った。

最終周回へと入る先頭集団の16人 Photo: Ikki YONEYAMA

 ここでチーム力を見せたのがブリヂストンアンカーだ。先頭でモニエ、初山、鈴木の3人が隊列を組み、上りが始まる残り3kmからモニエがハイペースで牽引。他チームのアタックを完全に封じた。ゴールスプリント直前に他のチームも前に上がろうとするが、残り約500mから初山が鈴木を従えて加速し、残り200mで鈴木が満を持して先頭に躍り出た。

 後ろからトリビオ、小野寺が競りかけるが、鈴木が勢い良く加速するとすぐに初山が勝利を確信してガッツポーズ。その通りそのまま鈴木が先頭でゴールした。

スプリントは3人の争いに。鈴木龍の発射台を務めた初山翔が早々とガッツポーズ Photo: Ikki YONEYAMA

 ブリヂストンアンカーの水谷壮宏監督は「3人で焦らずにきれいに決めてくれた」とレースぶりを評価。25日の全日本選手権ロード前の、最後の国内レースとあり「どうなるか気にしていた」という水谷監督だが、王道のレース展開から勝利したことで、チームでの全日本2連覇への自信を深めたようだ。

 プロ3年目の鈴木は、国内をはじめUCIアジアツアーでも上位入賞する活躍を見せているが、実はこれがプロ初勝利。プロ1年目は那須ブラーゼンに所属していたこともあって、「第2の地元と言ってもいい那須で優勝できて本当に良かったです」と喜びを語った。前日のクリテリウムでは序盤の落車に巻き込まれリタイア。悔しい思いをこの日のレースで晴らした。まだ24歳と伸び盛り。「この勝利をきっかけに、多くの勝ち星をあげていきたい」とさらなる飛躍を誓った。

P1表彰。(左から)2位のホセビセンテ・トリビオ、優勝の鈴木龍、3位の小野寺玲 Photo: Ikki YONEYAMA
リーダージャージは前日と変わらず。ルビーレッドジャージのホセビセンテ・トリビオ(左)とピュアホワイトジャージの岡篤志 Photo: Ikki YONEYAMA

P1結果
1 鈴木龍(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) 2時間50分05秒
2 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +0秒
3 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
4 木村圭佑(シマノレーシング) +1秒
5 早川朋宏(愛三工業レーシング) +2秒
6 中村龍太郎(イナーメ信濃山形) +3秒
7 初山翔(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +6秒
8 椿大志(キナンサイクリングチーム)
9 高木三千成(東京ヴェントス) +7秒
10 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)

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