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サイクリスト

宇都宮ブリッツェンが岡と小野寺で2、3位岡篤志のアタックを封じたトリビオがJPT那須塩原クリテ優勝 ルビーレッドも獲得

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 国内最高峰のロードレースシリーズ「Jプロツアー」(JPT)の今季第5戦「JBCF 那須塩原クリテリウム」が6月10日、栃木県那須塩原市で開催され、最高カテゴリーのP1クラスタではホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が、逃げ集団での岡篤志(宇都宮ブリッツェン)のアタックを封じ、最後1周は独走に持ち込んで優勝した。トリビオはシリーズ首位の証、ルビーレッドジャージも獲得した。

ラスト1周を独走に持ち込んだホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が今季Jプロツアー2勝目 Photo: Ikki YONEYAMA

初開催の那須シリーズ 会場は駅直結

 今年初開催のJPT那須2連戦。この日のクリテリウムに続き、翌11日には那須町で那須ロードレースが行われる。いずれもJR駅からコースまで徒歩5分程度の絶好のアクセスで、駅前通りを封鎖してコースや出店ブースが設けられる。

駅直結という絶好の会場アクセス Photo: Ikki YONEYAMA

 那須塩原クリテリウムでは、駅前大通りを中心としたT字状の、1周2.3kmの公道コースを設定。3つの180°ターンと2つの90°コーナーがあり、道幅は全域で2車線以上を確保した。

 午前中は日差しが照りつける晴天だったが、昼前から天気が急変。男子第2カテゴリーのE1のレースから大粒の雨が降り出し、続くF(女子クラス)のレースも雨の中行われた。女子は現在シリーズ首位のシスターローズジャージを着用する唐見実世子(弱虫ペダル サイクリングチーム)が中盤から独走する圧勝劇で優勝した。

雨の中ゴールとなったE1クラスタは武井裕(アーティファクトレーシングチーム)がスプリントを制し優勝 Photo: Ikki YONEYAMA
Fクラスタは唐見実世子(弱虫ペダル サイクリングチーム)が独走で完勝 Photo: Ikki YONEYAMA

激しいアタック合戦も逃げは決まらず

 P1の決勝レースは、午前中の予選2組をそれぞれ上位50位まででゴールした、合計100人がスタートに並んだ。決勝は23周回・52.9kmで争われ、5周回ごとに周回賞も設けられる。雨足は若干弱まったものの、小雨が降り気温も下がる中でレースはスタートした。

 序盤から積極的な動きが目立つのは、地元チームの那須ブラーゼン。アタック合戦が繰り広げられ、小さな飛び出しは何度か生まれるが、大きな逃げにはつながらない。

1周目、先頭で攻撃を仕掛ける岸崇仁(那須ブラーゼン) Photo: Ikki YONEYAMA
180°ターンを抜けていく集団 Photo: Ikki YONEYAMA
アタックの動きにはマトリックスパワータグ勢が主に対処 Photo: Ikki YONEYAMA
飛び出しを試みる鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)と吉岡直哉(那須ブラーゼン) Photo: Ikki YONEYAMA

 メイン集団内では、ルビーレッドジャージを着てスタートした吉田隼人(マトリックスパワータグ)が、スプリント力では頭一つ抜けている状況。集団ゴールに持ち込みたいマトリックスと、逃げを決めたい他チームのせめぎ合いが続く。集団先頭で激しい攻防が行われる中、吉田は後方でマイペース走行。ゴール勝負に向けて脚を溜める。

JR那須塩原駅の駅前大通りがコース Photo: Ikki YONEYAMA

仕掛けるブリッツェン、追うマトリックス

 10周を過ぎ、集団の人数はすでにスタート時の3分の1ほどだ。レースが動いたのは14周目、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)のアタックにアイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)が付き、さらに15周目に後続から7人が合流して9人の逃げグループがついに形成された。直後の3回目のスプリント賞は地元チームの新城銀二(那須ブラーゼン)が先頭通過して会場を沸かせた。

阿部嵩之のアタックにアイラン・フェルナンデスが反応 Photo: Ikki YONEYAMA
9人の逃げグループ Photo: Ikki YONEYAMA
逃げグループを雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)が強力に牽引 Photo: Ikki YONEYAMA

 先頭は阿部、フェルナンデス、新城のほか、ブリッツェンが岡、雨澤毅明、マトリックスがトリビオが入り複数。このほかブリヂストンアンカーの大久保、愛三工業の渡邊翔太郎、シマノの秋田拓磨が入った。3人を送り込んだブリッツェンは雨澤が積極的に牽引。一方マトリックスはメイン集団の吉田で勝負するため、逃げに入った2人は先頭交代に加わらず、メイン集団で残ったアシスト選手が引いて差を詰めにかかる。17周目に先頭から新城が脱落し、ブラーゼンも追走の動きに加わった。

 ようやく雨が上がり、2つの集団は10秒弱の差のまま、4回目のスプリント周回となる20周目に突入した。ここで逃げ集団の牽引に加わっていた阿部がパンクでストップ。機材交換後に同じ集団に戻れるものの、一時的に先頭は勢いを削がれることに。判断が難しい状況の中、岡がスプリント賞を取ったそのままアタックを仕掛け、ここに唯一トリビオが追いついた。

メイン集団はマトリックスパワータグが中心となって追走 Photo: Ikki YONEYAMA
岡篤志がアタックを敢行 Photo: Ikki YONEYAMA
岡篤志の動きにホセビセンテ・トリビオが唯一追随 Photo: Ikki YONEYAMA

攻撃に転じたトリビオが岡を振り切って勝利

 2人になってもトリビオは先頭に出ず、岡だけが前を引き続けるが、反応できなかった6人が勢いを失ったことで、その差は一気に10秒以上に開いた。コーナーごとに岡がトリビオを引き離しにかかるが、トリビオも落ち着いてすぐに差を詰める。自らは動かなかったトリビオだが、メイン集団で何度か先頭への単独追い付きを試みていたという吉田が、22周目に力尽きてメイン集団から離れたことで、ついにその牙をむいた。

岡篤志を突き放して独走態勢になったホセビセンテ・トリビオ Photo: Ikki YONEYAMA

 残り1周を目前にアタックしたトリビオは、追いすがる岡を振り切って単独先頭に。そのままゴールまで独走して4月の群馬でのシリーズ第4戦に続く、今シーズン2勝目を飾った。2位は岡が、3位はメイン集団でのスプリントを小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が取った。

 強さを見せながらも2位に終わった岡は「冷静になって考えてみれば、あそこまで一人で引かなくても良かった」と若さが裏目に出た形。「ホセ選手(トリビオ)のアタックに付ける余裕を残せなかったのが最大の失敗。力では負けていないと思うが、マトリックスのほうが戦略的にまとまっている」と敗因を分析した。

強力な攻めを見せたが勝利には届かなかった岡篤志 Photo: Ikki YONEYAMA
3位争いのメイン集団は小野寺玲が先頭 Photo: Ikki YONEYAMA

レースは勝利も安原監督「釈然とせん」

 優勝したトリビオはチームメイトの吉田から受け継ぐ形で、ルビーレッドジャージに袖を通した。表彰台では「監督のおかげ」と一言コメント。だが、当のマトリックス安原昌弘監督は、「最後は勝てた訳やけど、なんか釈然とせん」と表情を曇らせる。

 安原監督は「今日のウチは(吉田)隼人一本でやっていた。だから逃げに乗ったホセにも一切前を引かせなかった。1位のチームらしいレースで本当は勝ちたかった。ブリッツェンの攻撃が厳しかった」とレースを振り返り、「明日こそは1位のチームのレースをしたい」と翌日の那須ロードに向けて抱負を語った。

P1表彰。(左から)2位の岡篤志、優勝のホセビセンテ・トリビオ、3位の小野寺玲 Photo: Ikki YONEYAMA
この日1位のホセビセンテ・トリビオがルビーレッドジャージ、2位の岡篤志がピュアホワイトジャージに袖を通した Photo: Ikki YONEYAMA

P1結果
1 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) 1時間11分46秒
2 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +3秒
3 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +13秒
4 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ) +14秒
5 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
6 入部正太朗(シマノレーシング)
7 土井雪広(マトリックスパワータグ) +15秒
8 中村龍太郎(イナーメ信濃山形)
9 田窪賢次(マトリックスパワータグ)
10 岸崇仁(那須ブラーゼン)

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