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ジロ・デ・イタリア2017 第11ステージフライレが逃げメンバーでの勝負を制する マリアローザはデュムラン堅守

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ジロ・デ・イタリア第11ステージは5月17日、フィレンツェからバーニョ・ディ・ロマーニャまでの161kmで行われ、序盤に形成された大人数の逃げグループから、最後は12人に絞られてのステージ優勝争いへ。終始積極的に展開したオマール・フライレ(スペイン、チーム ディメンションデータ)がスプリントを制して、グランツール初勝利を挙げた。個人総合首位のマリアローザは、トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)が守っている。

逃げメンバーによる勝負を制しステージ優勝を挙げたオマール・フライレ Photo: Yuzuru SUNADA

ランダとフライレが先行

 大会の舞台は、いよいよイタリア北部へと移った。この日は北アペニン山脈を横断するルート設定で、4カ所のカテゴリー山岳が待ち受ける。いずれも2級または3級山岳ではあるが、そこはイタリアの山々。そう簡単に攻略はさせてくれない。レース後半は、フィニッシュ地であるバーニョ・ディ・ロマーニャを一度通過し、標高1347mのモンテ・フマイオーロを登坂。上り終えたらバーニョ・ディ・ロマーニャへと戻るダウンヒルが控える。

体調不良による休養からトレーニングを再開したマーク・カヴェンディッシュがスタート地点を訪問した Photo: Yuzuru SUNADA

 前日に行われた39.8kmの個人タイムトライアルで圧勝し、マリアローザを手に入れたデュムランに対し、総合2位のナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)以下、総合タイム差にして2分以上の開きとなっている。ジャージを守る側に立ってデュムランと、追う選手たちとの駆け引きが今後の見どころとなる。

 少人数の先行で始まったレースは、次々と前をうかがう選手が現れ、最大で25人の先頭グループが形成される。そこから、フライレとミケル・ランダ(チーム スカイ)のスペイン人コンビが逃げを開始。

 2人を追う格好となった第2グループには、総合タイム差4分39秒で総合9位につけるアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム)が加わった。モビスター チームはさらに、アシスト2人を送り込んだ。チームリーダーのキンタナはメイン集団に待機しており、他の総合上位陣がどう対応するかがポイントとなった。

アシストに守られて進むトム・デュムラン Photo: Yuzuru SUNADA

 先を急ぐ先頭の2人は、ランダが前を引く時間が長い印象だ。一方のフライレはカテゴリー山岳の頂上を次々と1位通過していく。戦前は総合争いを期待されながら、第9ステージでの落車の影響でステージ狙いに切り替えたランダと、過去2回ブエルタ・ア・エスパーニャで山岳賞を獲得した「スペシャリスト」のフライレ。互いの利害を一致させて、先を目指している様子だ。

 メイン集団は、デュムラン擁するチーム サンウェブが主にコントロール。しばらくは先頭と5分前後のタイム差で推移したが、残り50kmを切ってトレック・セガフレードやエフデジがアシストを集団前方に送り込んだこともあり、徐々にペースアップ。やがてその差は2分台となった。

最後まで走りが冴えわたったフライレ

 長い時間逃げていた2人は、残り40kmとなったところで第2グループに吸収。22選手の先頭集団へと変わると、モビスター勢がペースをコントロール。アマドールの総合ジャンプアップとあわせて、メイン集団で走るライバルチームの選手たちの消耗を狙う作戦か。フィニッシュまで残り30kmを切ると、数人がアタックを試みる。カウンターアタックの応酬から、ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)が抜け出すことに成功。モンテ・フマイオーロの上りで独走を開始。

 その頃メイン集団では、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、バーレーン・メリダ)のペースアップで人数が一気に絞られた。ペッリツォッティが役目を果たすと、エースのヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)自らさらにペースを上げる。この動きによって、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)が遅れ始めた。

ピエール・ロラン(右)をかわしたオマール・フライレ Photo: Yuzuru SUNADA

 タイム差2分台を維持し、逃げ切りの可能性が見えてきた先頭では、モンテ・フマイオーロの頂上を目前にフライレがロランに合流。そのままアタックするようにして、山頂を1位で通過した。下りに入ると、ロランが戻ったほか、後方からルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チーム エミレーツ)が追い上げ、残り6kmになろうかというタイミングで加わった。

 そのまま逃げ続けた3人は、いよいよ最終局面を迎える状況へ。追走グループとは約10秒の差を保ち、バーニョ・ディ・ロマーニャへと戻ってきた。残り2kmでタネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム)が後方からのブリッジに成功し、4人によるステージ優勝争いは、クライマックスへと差し掛かった。

笑顔で勝利のスプマンテを放つオマール・フライレ Photo: Yuzuru SUNADA

 残り1kmを切って牽制状態となった4人。そうしているうちに追走グループもやってきた。大混戦になろうかというところでスプリントを開始したのはカンゲルト。残り300mと早めの仕掛けだが、何とか逃げ切ろうという構えだ。だが、右サイドから猛然と加速したのはフライレ。他選手の追随を許さず、バイク1台分の差をつけてフィニッシュへと飛び込んだ。

 グランツール初勝利に沸くフライレから1分37秒後、メイン集団がやってきた。総合上位陣同士で順位を争うことはせず、各チームのアシストが集団を牽引したままフィニッシュラインを通過。マリアローザをしっかり守ったデュムランは、サムズアップをしながら笑顔でレースを終えた。

 この日、総合上位陣で遅れたのはクライスヴァイクのみ。逃げ切ったグループに位置したアマドールとカンゲルトはタイムを稼ぎ、それぞれ総合6位、同8位に浮上している。また、ステージ優勝のフライレは山岳ポイントも多く獲得し、山岳賞争いで同ポイントで2位につけた。

 18日に行われる第12ステージは、フォルリからレッジョ・エミリアまでの229km。前半と中盤に2級、3級のカテゴリー山岳があるほかは、おおむねフラットなコースレイアウト。主催者発表の難易度も星1つとされ、久々のスプリントステージとなることが予想されている。

マリアローザを守ったトム・デュムラン。かつてのアルペンスキー五輪金メダリストのアルベルト・トンバ氏の祝福を受ける Photo: Yuzuru SUNADA

第11ステージ結果
1 オマール・フライレ(スペイン、チーム ディメンションデータ) 4時間23分14秒
2 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チーム エミレーツ) +0秒
3 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) +0秒
4 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム) +0秒
5 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ) +0秒
6 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシングチーム) +0秒
7 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) +0秒
8 シモーネ・ペティッリ(イタリア、UAE・チーム エミレーツ) +0秒
9 マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル) +3秒
10 ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) +3秒

個人総合(マリアローザ)
1 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) 47時間22分7秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2分23秒
3 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +2分38秒
4 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +2分40秒
5 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +2分47秒
6 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +3分5秒
7 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +3分56秒
8 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム) +3分59秒
9 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +4分5秒
10 イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ・アルペシン) +4分17秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 191pts
2 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 160pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 129pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) 44pts
2 オマール・フライレ(スペイン、チーム ディメンションデータ) 44pts
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 35pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) 47時間26分3秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) +2分23秒
3 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +3分2秒

チーム総合
1 モビスター チーム 142時間20分40秒
2 アスタナ プロチーム +3分39秒
3 UAE・チームエミレーツ +9分42秒

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