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ジロ・デ・イタリア2017 第10ステージデュムランが得意の個人TTで圧勝 ライバルに2分以上の差をつけて総合首位へ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ジロ・デ・イタリア第10ステージは5月16日、39.8kmの個人タイムトライアル(TT)を行い、総合3位でスタートしたトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)がステージ優勝。総合トップだったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)らに大差をつけたことにより、首位に浮上。マリアローザも手に入れた。

ジロ・デ・イタリア2017第10ステージ、個人タイムトライアルを制したトム・デュムランの走り Photo: Yuzuru SUNADA

休息日明けのTTステージ

 14日に行われた第9ステージでは、キンタナが山頂フィニッシュを制するなど、総合優勝候補たちが動きを見せた。このステージを終えて、マリアローザのキンタナから総合2位ティボー・ピノ(フランス、エフデジ)までが28秒、同3位のデュムランまでが30秒となっていた。

 翌15日は今大会2度目の休息日。各チームとも個人TTに向けた調整を実施し、有力選手たちはいずれもTTバイクの感触を確かめるなどした。

 迎えた今大会最初のTTステージは、39.8kmという距離もさることながら、中盤以降が上り基調となっており、簡単には攻略できないコース設定だ。総合争いにも大きな影響を及ぼすことが予想され、その走りいかんでは分単位の差がつく可能性もある。

 コースへは、個人総合成績の下位の選手から順にスタートしていく。まず好タイムが見込まれたのは、2015年の個人TT世界王者であるヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ)。後半はペースダウンしたものの、実力通り好ペースでフィニッシュを目指した。ところが、フィニッシュ目前の右コーナーでスリップし落車。その後フィニッシュし、暫定でトップに立ったものの、大幅なタイムロスを強いられた。結局、後からスタートしたルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)がキリエンカのフィニッシュタイムを上回り、暫定トップに浮上。52分17秒が当面の基準タイムとなった。

デュムランが唯一50分台のタイムをマーク

 スタート順が後半に入って、まず好走を見せたのはゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)。9.8km地点に設けられた第1計測ポイントでトップタイムを記録すると、その後もスピードに乗り、フィニッシュでは51分26秒をマークし暫定トップに立つ。2日前のステージでは大規模クラッシュに巻き込まれ、総合で大きく遅れてしまったが、得意のTTで意地を見せた。

 さらに、第9ステージまでマリアローザを着用していたボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)も、途中計時ではトップに立つ走りを見せ、トーマスから7秒差の暫定2位につけた。

一時トップに立つ好走を見せたゲラント・トーマス Photo: Yuzuru SUNADA
トム・ユンゲルスも好タイムをマーク Photo: Yuzuru SUNADA
後半ペースを上げたヴィンチェンツォ・ニーバリはステージ6位 Photo: Yuzuru SUNADA

 地元イタリアの期待を一身に背負って登場したヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)からは、いよいよトップ5の登場。そのニーバリは第1計測こそ19番手とゆったりとした入りだったが、中盤以降ペースを上げ、フィニッシュでは52分44秒と暫定5位となる。その次に出走したモレマも52分54秒とまとめ、残る3人の走りを待った。

 ラスト3人目でコースへ繰り出したのは、この日の優勝候補筆頭であるデュムラン。頭を低くした姿勢と高回転のペダリングで、スタート早々スピードに乗せる。早速第1計測でトップに立つと、28.2km地点に設定された第2計測ではトーマスに36秒差とし、これまたトップ。トラブルさえなければステージ優勝は濃厚な流れだ。コーナーも攻め、フィニッシュへとやってきたそのタイムは50分37秒。トーマスのタイムを49秒上回り、総合争いのライバルであるニーバリやモレマに対しては2分以上のリードを確保した。

 フランスチャンピオンジャージで飛び出したピノは、第1計測こそ7番手だったが、以降はスピードに思うように乗せられず、第2計測ではデュムランから1分42秒遅れ。
フィニッシュでは53分19秒と、こちらもデュムランから2分以上の遅れを喫した。

 そして、最終出走のキンタナ。第1計測の時点で48秒のリードを許し、第2計測では2分9秒と、大きな開きとなってしまった。何とかタイム差を最小限に食い止めるべく、懸命の追い込みを見せたが、フィニッシュタイムは53分30秒。厳しい結果となってしまった。

苦戦を強いられたティボー・ピノ Photo: Yuzuru SUNADA
沿道の声援を受けて走るナイロ・キンタナ Photo: Yuzuru SUNADA

デュムランがライバルから2分以上のリードを確保

 この結果、デュムランが文句なしのマリアローザ奪取。キンタナは1ステージでリーダージャージを手放す格好となった。デュムランとキンタナの総合タイム差は2分23秒。総合3位にはモレマが浮上し、デュムランとは2分38秒差となっている。同4位ピノ、同5位ニーバリまでがタイム差3分以内につけており、総合2位以下が僅差となっている。

 このほか、新人賞のマリアビアンカではユンゲルスが奪還。この日ステージ3位に入ったユンゲルスに対し、マリアビアンカで出走したダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)が大きく遅れたため、ジャージが移動している。

 17日に行われる第11ステージは、フィレンツェからバーニョ・ディ・ロマーニャまでの161km。4つのカテゴリー山岳を越えるハードなコース設定となっている。ステージ優勝争いはもとより、タイム差の挽回を狙って総合上位陣に動きが見られるかも注目となる。

マリアローザに袖を通したトム・デュムラン Photo: Yuzuru SUNADA

第10ステージ結果
1 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) 50分37秒
2 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +49秒
3 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +56秒
4 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +1分40秒
5 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ) +2分0秒
6 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +2分7秒
7 マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル) +2分13秒
8 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNL・ユンボ) +2分15秒
9 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +2分16秒
10 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +2分17秒

個人総合(マリアローザ)
1 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) 42時間57分16秒
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2分28秒
3 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +2分38秒
4 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +2分40秒
5 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +2分47秒
6 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +3分56秒
7 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +4分5秒
8 イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ・アルペシン) +4分17秒
9 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +4分39秒
10 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +5分19秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 191pts
2 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 160pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 129pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) 44pts
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 35pts
3 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) 27pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) 43時間1分12秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) +2分23秒
3 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +2分55秒

チーム総合
1 モビスター チーム 129時間7分41秒
2 アスタナ プロチーム +4分31秒
3 UAE・チームエミレーツ +10分34秒

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