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栗村修の“輪”生相談<101>25歳男性「Wレバー装備の古い自転車の上手な乗り方は?」

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 日本でそこそこロードバイクに乗っていて、今はイタリアに留学中なのですが、先日に知り合いになった方からクロモリのロードバイクを譲ってもらいました。

 そのロードバイクがWレバー(ダウンチューブの左右に変速レバーが付く形式)で、変速の際にふらついてしまったり、ブレーキワイヤーが飛び出ていて少し邪魔だったりと、今のロードバイクとかなり違うように感じます。乗っていてすごく楽しいのですが、もう少し乗りやすければいいのにと思います。

 そこで、古い自転車の上手な乗り方やコツなどを教えていただけないでしょうか? よろしくお願いいたします。

(25歳男性)

 時代を感じさせるご質問ですね。

 僕が自転車をはじめたころは、変速方式はWレバーしかありませんでした。今どきの方には信じられないかもしれませんけど、手をハンドルから離さないと変速できないことはいうまでもなく、インデックス(レバーの適正位置を決めてくれる、カチカチという感触です)すらない。レバー位置は感覚頼りだったわけです。

 それが、今となっては手元変速が当たり前です。はじめてデュアルコントロールレバーに触れたときの衝撃はよく覚えていますが、未来が来たという感じでしたね。SF映画に出てくる機械みたいでした。それほどの革命だったんです。

 が、25歳の質問者さんはむしろWレバーに新鮮さを感じる。時代ですね。

 乗り方ということですが、正直申しますと、自転車はずっと進化し続けています。だから、古い自転車が今のものよりも乗りにくいのはしょうがない面もあるんですね。上手な乗り方ですか…。

1989年のジロ・デ・イタリアでのマリオ・チポリーニ(左)。ビンディングペダルは付いているが、まだ変速はWレバー Photo: Yuzuru SUNADA

 そうだ、思い出しました。ブレーキワイヤーが邪魔ということですが、僕がはじめてブレーキワイヤー内蔵の自転車に乗ったとき、おっかなかったことを覚えています。段差などで衝撃が加わったときに、手がすっぽぬけやすい気がしたからですね。

1986年当時のモレノ・アルゼンティンのバイク。ブレーキレバーのワイヤーが外に飛び出している Photo: Yuzuru SUNADA

 ワイヤーって親指と人差し指の付け根から上に向かって出ているわけですよね。だからワイヤーは、手がすっぽ抜けたとしてもすぐにキャッチする機能(?)もあったことになりますが、ワイヤー内蔵だとそれがない。だから怖かったんです。したがって質問者さんのバイクには、すっぽぬけ落車防止機能が付いていると前向きに考えてください。すっぽ抜けでの落車は大けがにつながる傾向が強いように思いますので、これは意外と重要です。

 Wレバーについては、もしインデックスがないタイプだったら、レバーの倒し方にコツがあります。いちど大きめにレバーを倒し、変速したら、その後ちょっとだけ戻すんです。こうすると流れるような綺麗な変速ができます。特にシフトダウン時ですね。

 あと、参考までに超大技をご紹介しますと、プロ選手でもごく一部しか使えないスーパーテクニックがありました(ちなみに僕もできませんでした)。それは「ニ―シフト」です。

1949年当時のファウスト・コッピのバイク。ボトルがハンドルに付いている Photo: Yuzuru SUNADA

 膝で変速するんですよ。レバーを向こう側に蹴るんです。だからシフトアップでしか使えない(左側のレバーを膝で蹴ればインナーギヤへシフダウンしますが…)スゴ技なのですが、手をハンドルから離さずに変速するというだけで特殊技能だったんです。僕も一度、噂を聞いて試してみたんですが、膝に内出血ができただけで終わりました。痛かったです。

 しかし、乗っていて楽しいというのはいいですね。クロモリの自転車は重たいのですが、よく言えば安定感があるということになります。それに、クロモリってしならせて乗るところがあるので、たとえばしなりを生かしたダンシングなど、クロモリならではの乗り方を追求されると、もっと楽しめると思いますよ。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

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