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サイクリスト

ジロ・デ・イタリア2017 第8ステージ多くの選手が逃げを狙ったステージはイサギレに軍配 マリアローザはユンゲルスが堅守

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 熱戦が続くジロ・デ・イタリアは5月13日、第8ステージをモルフェッタからペスキチまでの189kmで行い、フィニッシュ前の登坂区間をトップで上りきったゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター チーム)がステージ優勝。グランツール初勝利を挙げた。逃げを容認したメイン集団は、個人総合上位の選手たちが一団となってフィニッシュ。順位に変動はなく、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)がマリアローザを守っている。

逃げ切りでグランツール初勝利を挙げたゴルカ・イサギレ Photo: Yuzuru SUNADA

逃げ狙いのアタックと追走が繰り返される

 スプリント勝負となった前日とは打って変わり、この日は中盤以降にアップダウンが連続する中級山岳ステージ。特に、最終局面は勾配12%の上りが控え、レース展開や集団内でのポジショニングによっては有力選手間でタイム差がつく可能性も考えられた。一方で、総合で遅れている選手たちにとっては、逃げで勝負するチャンスのある1日とも見られていた。

 その通り、スタート直後から逃げ狙いのアタックが散発。多くの選手・チームが同じ思惑とあって、なかなか逃げが決まらない。そんな状況に変化が生まれたのは、スタートから50kmを迎えようかというタイミング。10人以上が抜け出すことに成功し、さらに数人がそれを追う。追走メンバーも前への合流に成功し、逃げグループは16人に膨らんだ。

山岳区間に入ったメイン集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 一方で、メイン集団は逃げへの送り込みに失敗したガスプロム・ルスヴェロとウィリエール トリエスティーナが、それぞれ人数をかけて牽引を試みる。逃げとのタイム差は1分台で推移し、フィニッシュまで残り100kmとなった時点ではその差が約1分に。このステージ最初のカテゴリー山岳となる、2級の上りで逃げをキャッチすることも可能なタイム差となった。

ルイスレオン・サンチェス(先頭)が2級山岳で一時トップに立つ Photo: Yuzuru SUNADA

 先頭では、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)が他の逃げメンバーを振り切り、単独で2級山岳の頂上を目指し始める。サンチェスを追うグループは、当初の逃げメンバーと入れ替わるようにしてメイン集団から数人が合流。レース前半から懸命に追っていたガスプロム・ルスヴェロとウィリエール トリエスティーナが、これらの動きによって選手を前方に送り込んだこともあり、メイン集団は逃げとの差をコントロールすべくペースを緩めた。

15人の逃げから4人の優勝争いへ

 2級山岳はサンチェスがトップ通過。その後の下りで追走グループがサンチェスに合流し、再び逃げる形となった。人数は15人。

5人に絞られた逃げグループ。ゴルカ・イサギレが先頭を行く Photo: Yuzuru SUNADA

 この中で総合最上位は、トップとの差2分10秒で24位につけるヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)。メイン集団との差が最大で4分30秒前後にまで開いたこともあり、ヴァーチャルマリアローザとなった。それもあってか、逃げグループを積極的に引っ張る。自ら逃げメンバーのふるい落としを試み、自身のほかイサギレ、サンチェス、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)、グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)に人数を絞った。

 残り50kmを切ると、メイン集団ではユンゲルス擁するクイックステップフロアーズが前方を固めてペースアップを開始。あっという間にタイム差を2分台に縮め、さらなるタイム差縮小を図る。そこにカチューシャ・アルペシンも加勢。一時はマリアローザ奪取も狙えたコンティだったが、その可能性は徐々に薄れていった。

 そうなると焦点はステージ優勝争いへ。激しく動いたのはレース終盤。残り10kmを迎えようかというところでヴィスコンティがペースアップ。独走に持ち込んだかに思われたが、イサギレ、サンチェス、コンティが合流。直後に今度はコンティがペースアップ。以降、サンチェスやイサギレが次々とカウンターアタックを繰り出すが、いずれも決定打とはならなかった。

 先頭の4人を追うメイン集団では、総合優勝候補の1人であるミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ)がアタック。集団を引き離しにかかるが、勢いに乏しく集団へと戻されてしまう。タイミングを同じくして、エフデジが集団牽引を開始。ペースを上げて最後の上りへと向かうが、先頭を行く4人の背中は見えず、逃げ切りは容認した様子だ。

 逃げ続けた4人は、いよいよステージ優勝を賭けた勝負へ。コンティを先頭に残り1km。その直後のシケインで思わぬハプニング。勢いよくコーナーに入ったコンティが後輪を滑らせ、落車してしまったのだ。これをかわしたイサギレが一気にペースアップ。レース前半から脚を使い続けたサンチェス、コンティの落車を間一髪避けたヴィスコンティは反応が遅れた。

 フィニッシュまでの急坂を力強く踏み続けたイサギレ。最後の直線でヴィスコンティが追い上げたが、それを振り切ってフィニッシュラインを通過。うれしいグランツール初のステージ優勝を挙げた。

ポディウムで勝利をアピールするゴルカ・イサギレ Photo: Yuzuru SUNADA
マリアローザを守ったボブ・ユンゲルス Photo: Yuzuru SUNADA

 2位ヴィスコンティ、3位サンチェスと続き、間髪入れずにメイン集団がなだれ込むようにしてフィニッシュへ。総合上位陣はいずれもこの中でレースを終えている。

 これにより、ユンゲルスがマリアローザをキープ。レース途中に落車するアクシデントに見舞われ、強打した膝に不安が出ているが、ひとまずジャージは守って次のステージへと駒を進めている。

 14日に行われる第9ステージは、1級山岳ブロックハウスへの頂上フィニッシュが待ち受ける。登坂距離約13.6km、平均勾配9%、上りの中腹で最大勾配14%と、大会前半の山場となることは必至。個人総合争いの動向に注目が集まる。


第8ステージ結果
1 ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター チーム) 4時間24分59秒
2 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ) +5秒
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +10秒
4 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ) +12秒
5 マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) +12秒
6 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +12秒
7 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +12秒
8 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +12秒
9 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +12秒
10 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +12秒

個人総合(マリアローザ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) 38時間21分18秒
2 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +6秒
3 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +10秒
4 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +10秒
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +10秒
6 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +10秒
7 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +10秒
8 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +10秒
9 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +10秒
10 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +10秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 191pts
2 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 160pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 129pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) 44pts
2 ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、チーム ディメンションデータ) 23pts
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) 18pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) 38時間21分18秒
2 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +10秒
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) +10秒

チーム総合
1 UAE・チームエミレーツ 101時間49分20秒
2 モビスター チーム +27秒
3 キャノンデール・ドラパック +30秒

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