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エアロと快適性を高次元で両立TTヘルメットを超えた空力性能の「エアロR1」 オージーケーカブトが研究を重ねた意欲作

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 日本のヘルメットメーカー「オージーケーカブト」から、ロード用ショートエアロヘルメット「エアロR1」が、7月10日から順次発売となった。時速300kmに迫るスピードで競うオートバイレース用ヘルメットの開発で培ったエアロダイナミクスの技術を取り入れ、帽体の内部構造を研究し、ライダーが快適と感じる環境とパフォーマンスを提供。すでに使用している日本のトッププロ選手から高い評価を得ている。優れた安全性と速さへの性能を実現したエアロロードヘルメットの最高峰モデルだ。

<1>オージーケーカブトの新エアロロードヘルメット「エアロR1」の実力を西薗良太が試す

温度変化の実験では、ハイエンドモデルに肉薄する冷却効果を実証した ©OGK KABUTO

7月10日から順次発売

 サイクルロードレースにおいてエアロダイナミクスとスピードの関係は切っても切り離せない。最も空力性能が求められる個人タイムトライアル(TT)では、シールドが装着され、後部に形状が伸びたロングテールのTT用エアロヘルメットを被る選手は多い。しかし、ロードレースにおいて通常は使用されない。山岳、横風などの外的要因が多く、エアロポジションを取り続けることが困難なことや、重量などのデメリットもあるためだ。

空気の流れをCFD解析で可視化 ©OGK KABUTO

 そこで開発されたのがエアロR1だ。ロードレース用ヘルメットと同じくショートテールで設計。205g(S/Mサイズ・シールド無し)と軽量で、運動性能を犠牲にすることなく、追求されたエアロダイナミクスを発揮し、ライダーのスピードを極力落とすことなく快適な被り心地を実現した。

 オージーケーカブトはオートバイ用ヘルメットの世界では空力研究を得意とするトップメーカーとしても知られ、ハイスピードで受ける空気抵抗への研究が自社の風洞実験施設や、コンピューター解析によって積み重ねられてきた。そこで開発されたのがヘルメット後部サイドに配置される「ウェイクスタビライザー」だ。乱流を抑え、空気の流れを整える役割を持つ。エアロR1の後部にも採用され、ロングテール形状と同等、またはシチュエーションによってはそれ以上のエアロ効果を生み出すことに成功した。

長年の研究で培ったエアロ効果がエアロR1に生かされた ©OGK KABUTO
オートバイ製品でも用いられている「ウェイクスタビライザー」 ©OGK KABUTO

 エアロR1は「空力」、「通気性」、「軽量」の三本柱で開発。エアロヘルメットで最高の性能が出せるよう、研究が重ねられた。最初はモックアップの風洞実験から始まり、官能評価、CFD解析を経て、さらに形状を変更しながら同じ工程を何度も繰り返し行うことで性能を向上させた。

TT専用モデルを上回る結果

 エアロ効果をカブトの製品と比較すると、ロード用で最軽量のトップモデル「ゼナード」と比べて、時速50km/hで走行した場合、6.02wの出力を削減する効果を発揮。また、TT用ヘルメット「エアロK2」との比較では、2.95wもの差をつけ、エアロR1に軍配が上がったという。

後部で乱流を整える「ウェイクスタビライザー」 Photo: Shusaku MATSUO
風を防ぐシールドが付属 Photo: Shusaku MATSUO

 付属するシールドは、更に空気の流れを整え、眼鏡着用者にとってもメリットは多いという。全日本タイムトライアル選手権を制した西薗良太(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)は「装着していてもいい意味で存在感が無く気にならない。風の巻き込みも少なく、風の流れも良くなってる感じが好みだ」と使用感を高く評価している。シールドはマグネットで簡単に脱着ができ、使わない場合は上下を逆転させて装着しておくことも可能だ。

サングラスをしっかりと固定できる「アイウェアストッパー」 ©OGK KABUTO
シールドはマグネットで固定され、使用しない際は上下を逆にして装着も可能 Photo: Shusaku MATSUO
「トップエアホール」からの空気を可視化 ©OGK KABUTO

 特筆すべきは優れた快適性で、前面に大きく開いたエアインテーク(通気口)と、内部で複雑に設けられた溝が抜群の通気性能を発揮。頭部に風を流し、上部の「トップエアホール」からしっかり風が排出され、頭頂部をフレッシュな状態に保つ。エアロヘルメットで両立が難しいとされた快適性とエアロダイナミクスを高いレベルで実現した。

内部に刻まれた溝が空気を通し、頭部をフレッシュに保つ Photo: Shusaku MATSUO
頭頂部の「トップエアホール」の位置と向きが通気性能を高めたという Photo: Shusaku MATSUO

 オージーケーカブトが自社で頭部の温度変化の調査を風洞実験で行ったところ、40度から室温に近い状態までの温度下降の時間は通気性能を極めたハイエンドモデルのゼナードが最も優れていたが、エアロR1はエアロヘルメットながらその結果に肉薄したという。内部形状はアジア人の頭部をベースに開発。鉢が広いライダーでもフィットし、エアロR1の性能を余すことなく体験できる。

 エアロR1はすでに実戦で投入されており、そのデビューレースとなったツール・ド・とちぎ第1ステージではサルバドール・グアルディオラ(スペイン、チームUKYO)が単独で逃げ切り勝利。また、国内外のプロチームが採用し、ハイスピードでしのぎを削る舞台で活躍している。

2017年の全日本選手権ロードレース、エアロR1を被る畑中勇介(チームUKYO)がラスト30kmを独走して初優勝 Photo: Shusaku MATSUO

 とくに強烈な印象を残したのは、6月に行われた全日本選手権ロードレースだ。攻守が目まぐるしく入れ替わった熱戦の終盤、畑中勇介(チームUKYO)が単独でアタックを決めた。その頭上ではエアロR1が空気抵抗を切り裂く。追走を振り切った畑中はラスト30kmを見事に逃げ切って、自身初の全日本チャンピオンの栄光に、エアロR1とともに輝いたのだ。

 研究データに裏打ちされた空力性能と、快適性を武器にしたエアロR1は、更に上を目指したいライダーにとって死角が無いエアロロードヘルメットとなった。

オージーケーカブト「エアロR1」
税抜価格:19,000円
サイズ:S/M、L/XL
カラー:マットホワイト-1、マットブラック-2、パールホワイトレッド-3、マットブラックレッド-4、ブラックブルー-5、ブラックグリーン-6
規格:日本自転車競技連盟公認

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