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信号ゼロでゆったり、地元グルメも絶品船と自転車で巡った「ゆめしま海道サイクリング」 瀬戸内の島々の風景をのんびり満喫

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 のんびりとした風景が広がる瀬戸内「ゆめしま海道」(愛媛県上島町)を走る、「ゆめしま海道サイクリング」が3月19日に開催された。約80人の参加者がチャーター船で島々を巡り、随所で地元のグルメに舌鼓を打ちながら、信号が全くない道でゆったりとしたサイクリングを楽しんだ。

「ゆめしま海道」の海と橋のある景色はまるで“プチ・しまなみ”。しかも信号ゼロの道で、のんびりサイクリングを楽しめる Photo: Ikki YONEYAMA

「しまなみ」から間近の海の道

 まだ聞き慣れない人も多いかも知れない「ゆめしま海道」。サイクリングルートとして世界的に名高い「しまなみ海道」の中央付近、因島と生口島の東側に囲まれるように点在する、岩城島(いわぎじま)・生名島(いきなじま)・佐島(さしま)・弓削島(ゆげしま)を結ぶ海の道だ。このうち岩城島を除く3島が橋で結ばれており、岩城島との間にも近々架橋される予定だが、四国・本州方面とは船で行き来する、離島の島々だ。

今治港からチャーター船に乗船。「みきゃん」が参加者をお出迎え Photo: Ikki YONEYAMA

 イベントの出発地、今治港から出発したフェリーは、船内で開会式を行い、まずはしまなみ海道の大島・下田水港に到着した。参加者は約67kmの「サイクリングコース」と、約46kmの「クルージングコース」に分かれ、サイクリングコースはまず、しまなみ海道を伯方島の北浦港まで約20km走って足慣らしをする。

イベント監修のMTBプロライダー門田基志選手(左)とゲストの作道泰子さん。2人が出演するテレビ番組「Let's サイクリング」(南海放送)は今年で開始5年目を迎える Photo: Ikki YONEYAMA
サイクリングコースの参加者は、最初はしまなみ海道・来島海峡大橋のたもと、下田水港から一部しまなみ海道をサイクリング Photo: Tetsuhiko KOMI

 一方クルージングコースは北浦港まで船で景色を楽しみながら移動。船上では初心者向けのサイクリング教室も行われた。参加者の中にはスポーツ自転車初体験で、今回はレンタサイクルで参加という人も。乗り方の基礎やお尻の痛み対策など、サポートライダーの解説を真剣に聞き入っていた。

しまなみ海道を、大島から伯方島へ Photo: Tetsuhiko KOMI
クルージングの船内では、サポートライダーの焼鳥山鳥レーシングによる初心者講座が開かれた Photo: Ikki YONEYAMA

 北浦港で両コースが合流。フェリーに乗りしまなみから逸れて、いよいよ「ゆめしま海道」へと向かう。フェリーには愛媛県のイメージアップキャラクター「みきゃん」が今治港から岩城島まで同乗し、船内で参加者と交流しながら、今年開催される愛媛国体のPRを行った。穏やかな瀬戸内海を、島の間を縫うようにフェリーは進んでいった。

サイクリングの合間は、穏やかな瀬戸内クルージング Photo: Ikki YONEYAMA
いよいよ「ゆめしか海道」最初の岩城島へ Photo: Ikki YONEYAMA

信号ゼロの快適ライド 絶品「レモンポーク丼」も

 岩城港では歓迎のセレモニーも行われ、上島町の宮脇馨町長は「それぞれ違う島の春の景色を満喫してほしい」とあいさつ。勇壮な島本陣岩城太鼓が披露された。今回は初めての試みとして、宮脇町長をはじめとする岩城島民の17人が、スポーツサイクル体験として、ここからフェリーに同乗して上島町内のサイクリングに参加した。出発前には岩城港内で、スポーツサイクル初心者講習会が行われた。

瀬戸内の海をイメージしたという、勇壮な島本陣岩城太鼓のパフォーマンス Photo: Ikki YONEYAMA
上島町の宮脇馨町長も、初めてというスポーツサイクルでのライドに参加した Photo: Ikki YONEYAMA
スポーツサイクル体験の前に一般車と異なるスポーツ車の乗り方講習が行われた Photo: Tetsuhiko KOMI

 岩城島でのライドが始まると、島内放送で「サイクリングがスタートしました」とアナウンスが流れ、沿道では島民の皆さんが手を振って応援してくれた。上島町全体で信号機がゼロと走りやすく、岩城島は一周しても10km少々の小さな離島なので、クルマもほとんど走っていない。アップダウンも緩やかで、港や畑、造船所など移り変わる景色を楽しみながら、1時間かからずに島を一周することができた。

海を間近に見ながらのんびりサイクリング。アップダウンは緩やか Photo: Ikki YONEYAMA
島には船のドックも。目まぐるしく景色が移り変わる Photo: Ikki YONEYAMA
バックにはゆめしま海道の別の島々。これからあちらにも行きます Photo: Ikki YONEYAMA
沿道では島民のみなさんが手を振って応援 Photo: Ikki YONEYAMA

 船に戻って食べる昼食は「レモンポーク丼」。いわぎ物産センターなどで提供されている名物丼で、レモン栽培が盛んな岩城島で育った島豚「レモンポーク」に、甘辛いタレや温泉卵を合わせている。ボリュームがありつつもさっぱりとした風味で美味しかった。補給の軽食もレモンケーキや芋菓子など、地元の幸を生かしたもので、ついつい食べ過ぎてしまいそうだ。

ライド後はレモンポーク丼で昼食タイム Photo: Ikki YONEYAMA
レモンの搾りかすを食べて育った「レモンポーク」を使用 Photo: Ikki YONEYAMA
補給食には地元産のレモンケーキと芋菓子が Photo: Ikki YONEYAMA

最後の島ではパンチのある上りも

 岩城港を出発したフェリーは、20分ほどで佐島港に到着した。ここからは佐島を基点に、橋でつながる生名島、弓削島を走る。スタートしてすぐに生名橋を渡って生名島へ。つい先刻走った岩城島の、見覚えのある景色を対岸に眺めつつ、まずは生名島を一周。川の両岸かと思うほど隣の島が近い。途中休憩をした立石港は、しまなみ海道の因島が間近で、両島を結ぶフェリーの所要時間はわずか3分ほどだという。

生名島の海沿いを走る。まるで川向こうのような近さだが、対岸はしまなみ海道の因島 Photo: Ikki YONEYAMA
佐島と生名島の間をまたぐ生名橋。橋の道幅はしまなみの橋に比べ若干小ぶり Photo: Ikki YONEYAMA
瀬戸内では船が身近な存在。渡し舟感覚のフェリーが頻繁に島の間を行き来する Photo: Ikki YONEYAMA

 生名橋に戻って橋を渡り佐島へ、そのままさらに弓削大橋を渡って弓削島へ上陸する。休憩所では甘い「せとか」が振舞われ、いよいよ最後の島、弓削島一周にチャレンジだ。岩城島と同じくらいの広さの弓削島だが、ここまでの4島の中で最も急峻な上りが待ち構えているという。

弓削大橋を渡り弓削島へ。生名橋よりも一回り大きく主塔の形も異なる Photo: Ikki YONEYAMA
「せとか」は濃厚な甘みが詰まった、人呼んで“柑橘の大トロ”だ Photo: Ikki YONEYAMA

 弓削港から北上し、海沿いの道路が内陸に進路を取ると、柑橘畑の中を進む上りになった。ここまでの上島町のサイクリングでは間違いなく最急勾配。途中で少し緩みつつも再び勾配がきつくなり、約2kmを上り続けると頂上に着いた。頑張って上った場所での景色は格別。島のお母さんたちが、はっさくを剥いて待っていてくれた。プチプチとはじけるジューシーなはっさくを、口いっぱいにほおばった。

坂を上って一休み。高いところから眺めのいい景色を堪能 Photo: Ikki YONEYAMA
ここまでにない上りに息を切らすも、頂上にたどり着くと表情がほころぶ Photo: Ikki YONEYAMA
極上のはっさくを味わってラストスパートへ Photo: Ikki YONEYAMA

 ピークを越えてしまえば、あとは爽快。海沿いのアップダウンを抜け、今度は島の南側へ。こちらも上りが待ち構えているが、北側ほどの長さではない。達成感を感じつつ、最後は弓削港にゴールした。

今ならフェリーの自転車料金が無料に

岩城島からスポーツ自転車体験に参加した林圭さん、稜馬くん親子 Photo: Ikki YONEYAMA

 岩城島からスポーツ自転車の初体験に参加したグループは、生名島一周から弓削島までをサイクリングした。親子で参加した林圭さんは、「ママチャリと違って軽くて、坂で自転車を降りずに上れました。風か気持ち良く、車と違って景色がよく見えました」と楽しんだ様子。

 宮脇町長は「町民にも自転車愛好家を増やして、サイクリングに訪れた人と接点を作れるようにしたい」とこれからも自転車を通じた観光誘客を進めていく考え。上島町では観光で訪れるサイクリスト向けに、来年3月末までの期間限定.で今治や因島、生口島からのフェリーの自転車料金が無料になる「かみじまサイクルフリー」を実施中なので、離島ながら気軽に訪れることが可能だ。

 イベントには愛媛県内や近県からの参加者が多かったが、中には九州からの参加者も。さらに最も遠くから参加していたのは、東京都の石橋賢一さん。締め切り間際に偶然このイベントを見つけ、「一度、しまなみ海道を走りたい!」と急いで(半分勘違いして)申し込んだという。「しまなみ海道だと思ったら違ったけど、すごく楽しかった。海も綺麗だし、東京の人ももっと来ればいいと思います」とサイクリングを満喫していた。

ゴール後は弓削海苔をふんだんに使った味噌汁でミネラル補給! Photo: Ikki YONEYAMA
抽選会ではカペルミュールのおしゃれなウェアやグッズが大盤振る舞い Photo: Ikki YONEYAMA

 サイクリングゴールの弓削港からは出発地の今治港まで、ノンストップで1時間半ほどのサンセットクルージングで帰っていく。船内では閉会式とともに、地元のグルメやグッズ、カペルミュール提供のウェアやグッズなどが当たる抽選会が行われた。当選者はプロデュースの門田選手からそれぞれ一日の感想を尋ねられ、「上り坂はしんどかったけど、頂上からの眺めは最高だった」といった満足する声が多く聞かれた。

上島町のお土産には「サイクリングカレー」もオススメ Photo: Ikki YONEYAMA
抽選会の後はライド後の身体をほぐすストレッチ教室も Photo: Ikki YONEYAMA
夕日に包まれ今治港に到着 Photo: Ikki YONEYAMA

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